第12話 はじめてのBで耳たぶ以上にあらゆる部分が燃えた件②
前回までのあらすじ。
塾で働き始めた僕は同僚のJDが気になり始めました以上!
川嶋さんはよく笑う女の子だった。とはいっても柔らかにくすくすと笑う清楚系というよりは、割と簡単に爆笑する“ゲラ”だった。マジですぐに手を叩いて笑う。
事あるごとに楽しそうに笑う川嶋さんと話すのは楽しく、少しずつ、俺は川嶋さんのことが好きになっていった。この頃には最初あまり好みじゃないと思っていた川嶋さんの容姿も最強可愛いく見えてきていた。手を叩いて爆笑する姿も愛らしいと思い始めていたし、容姿も可愛く見えてきた。少し下膨れの丸っこい顔はよく笑う川嶋さんの性格に似合っていて愛らしく、少しトロンと垂れ下がった気だるげな目つきは、よく見ると西野カナにちょっと似てる。いやもはや西野カナまであるなにそれ超可愛い。
次第に俺は、川嶋さんと話すのを楽しみに仕事に行くようになった。
そしてある日、塾では会議だった。教室には全講師が集まり、これから顧客を増やすにはどうすればいいかという話し合い。とはいってもほとんどは塾長が塾を経営するにあたっての熱い思い(全然おもんない)を語っているのを聞き続けるだけ。塾長の話は圧倒的に面白くないのである。だけどいきなり上司に「話おもんないんで帰っていいっすか?」なんて言えるはずもなく、終わりのわからないその時間に黙って耐えるしかない。唯一できることといえば、水色のワンピース(可愛い)を着て俺が通勤で使ってるバイクのヘルメットを何故か勝手に膝上に抱き抱えている(これがまた可愛い)川嶋さんを眺めることくらい。
『うーん、いやしかし暇だな、……あれ? この角度、ボタンの隙間から川島さんのパンツ見えそう』
そういや中学ん時も全校集会暇な時はパンツ見えてる女子探して暇つぶしたっけ。俺なんも進歩してねーな。なんてくだらない思想で時をすっ飛ばそうと試みていると、ふと川嶋さんと目が合ってしまう。
『うわぁ、……メチャメチャ気まずい』
バレた? この歳になってパンツ見ようとしてるのバレた? いやこれは覗いてるんじゃなくて覗こうとする自分を悲しむと言う行為で暇を潰すという好意なのであり……とか説明するわけにもいかんしこれもうダメだ。いやいやマジ恥ずいんですけど? 何か、何か誤魔化……いや焦るとより怪しいなこれえっと……。
なんて内心焦ってると、まあそりゃ俺が焦ってることは感じるであろう川嶋さんは小さく微笑みながら首を傾げる。もしもこの時の川嶋さんの上にマンガみたいな吹き出しがあったら多分『ん? どしたの?』とか書いてあるはずだ。その、川嶋さんのどしたのムーブを見た瞬間、何故か俺の脳に電撃が走った。
『あ、ダメだこれ、可愛すぎる』
その時の川嶋さんは本当に可愛らしくて、うまく説明出来ないが、なんと言うかこう、「ん? 雪田くんどしたの?」みたいな感じで、リラックスした心をナチュラルに見せてもらえてるみたいでめちゃくちゃ魅力的だった。
もはやパンツを見ようとしていたのがバレたかどうかなんてどうでもよく、俺の頭の中には無限に量産された『可愛い』と言う概念が果てしなく広がっていた。
もちろんその瞬間、俺の脳は誤作動を開始し、完全に恋愛モードへと突入した。
このアホでスケベな男の脳チンムーブは次回へと続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます