第1話

 チロシです。


 長期入院から帰って来たばかりの、我が愛車ヅズキ・シムニ゛、そのサンルーフのホロが酷い裂けて破れてるのを見るのが辛いとです。


 謎の生物に吹っ飛ばされてホロを破った本人は、シムニ゛の後方で叫んでるけども何を言ってるのかが分からないのも辛かとです。


 その女性を憎いかと言うと……若くて可憐な女の子ってイメージで憎めなかとです。つまり僕が言いたかとは、すげぇーその女の子が可愛かとですよ。可愛い女の子は罪ですか?いいえ、正義です!何でも許してしまう程にカワイイ過ぎなのも

罪と言えば罪なのかも知れんとです。


 あと僕の股間の相棒が、何故かイきり立ってるとです。


 最近は、とんとご無沙汰だった相棒君が何を興奮してるのか、いきりまくってるとですよ。


 カワイイ女の子のお尻を何度も濃厚にタッチしたせいなのかもしれん。


 はぁ~……まれ相棒、お前の役目は、まだ無い!(キリッ)




~*~*~*~


俺は相棒を落ち着かせると、シムニ゛の後方で騒いでる女の子にゆっくりと近づいて行ったのだが、女の子は俺が側に来るとポンチョと言うか、太股までしか丈がない貫頭衣かんとういを急いで正していた。


 女の子の貫頭衣はお腹の上まで肌蹴はだけており、女の子の下半身が露になっているからだ。


  またしても相棒のイキり具合が最高潮になりかけたが、俺は目を背けて耐え切ったので、女の子に身振り手振りで接触を計った。


 女の子は獣に追いかけられ吹っ飛ばされたからだろう、全身が傷だらけだった。


「キミ、今から傷の治療をするから、こっちに来てくれ」


 こう言ったはいいが、彼女には意味が通じるはずもなく、困惑した表情のまま、その場で固まったまま座り込んでいる。


 仕方が無いので俺はシムニ゛の荷台に救急鞄を載せていたから、救急鞄を探しに運転席に行って探し始めた。


 シムニ゛のホロは固定型なので、こんな時に後方からホロを開けて荷物の取出しが出来ないのが不便なんだよな。


 そんな事を考えながら救急鞄を探し当てると、急いでシムニ゛の後方まで戻ろうとしたが、彼女は俺の近くまで来ていて少しビックリしてしまった。


 彼女はシムニ゛を指さして何か言ってるが、俺には何を言っているのかが、さっぱり分からない、だが身体言語で傷の治療をする素振りを見せ、何とか彼女に理解をして貰う事には成功したよ。


 まずは手と腕に付いた傷に消毒液を拭きかけ、きり薬に定評のある、お馴染みオロナイさんの出番である。オロナイさんを切り傷に良く塗り込み、塗り込んだら化膿しないように焼灼止血法だよね。


 100円ライターに火を付けたら彼女は、それを見るや否や後方に後ずさりし始めているが、俺は大丈夫だからとか言いながら、俺も切っていた場所にオロナイさんを塗った跡に傷口 火で炙って見せて、何をするのかを理解してもらった。


「#$&%&’%$$”!」


 彼女は何かを言っているが、俺にはさっぱり分からないのだよ。


「ごめん、キミの言葉は分からないが、傷口 火で炙らないと化膿するからね」


 などと笑顔で言ってる俺って、ただの危ないオッサンかよ、と自分で毒付いている。


 彼女の怪我は縫う程の怪我ない様で俺は少しだけ安心した。もしも縫う程の大怪我をおっていたらと思うと、ぞっとするよ本当に。


 そして、いよいよ本丸の攻略戦なのだが、太股の内側に怪我があったんだよな、どうしたものか。彼女が100円ライターを使いこなせれば良いのだが、無理だよな100円ライターを見せただけで、彼女はビクリと身体を強張らせて居るのだから。


「そっそっそこに座ってくれないかね」


 はい、また出ました小心者の俺の性です。


 俺は吃音になりながら、彼女に身体言語で説明すると、彼女も俺の言ってる事を理解したのだろう、顔を真っ赤にしながらコクコクと頷く。


 足首や膝の治療を終え、シムニ゛の運転席のドアに背を預けて足をシムニ゛の車体フレームに置くようにと促すが、理解出来ていなかったので、俺がして見せたのだが、彼女は更に顔から火がでる勢いで顔を赤らめているのだが、これは決して疾しい事を企んでる訳ではないのだと、理解して貰う為に真顔で根気良く説明を続けること十分、良くやく俺が治療の為にしてくれる事だと理解した彼女は、足を車体のフレームに置いたのだった。


「心配ないから、疾しい気持ちとか無いからね」


 チロシは小心者なのです。疾しい気持ちが全然ないとですよ。


 真顔で言ったおかげかも知れないが、彼女は顔を赤らめながらコクコクと頷き服の裾をギュッと押さえている。


「……♡♡♡♡♡」


 何やら彼女の口から喘ぎ声らしいものが溢れ出している。


 前が終わったから次は後ろだと説明したのだが、彼女は全力で首を横に振っている。


「お尻も治療しないとダメだぞ」


 俺は、そう言い今度は運転席のシートに両手を付けて、お尻を後ろに突き出すかっこをしたが、彼女はまたも全力で否定している。


 俺は傷が膿からだと手振りで説明しだして五分後に、彼女はようやく頭を縦に振ってくれた。


 彼女が運転席シートに両手を付けて四つん這いのポーズになると、あられもない太股が俺の目を楽せませている。


 彼女は下着を履いてはいなかったから、ノーパン状態なのだ。


 少しでも動くとカワイイお尻が「こんにちは」と俺に挨拶をしてくれているが、俺はそれを見ても、顔を喜ばせる事はしなかったよ。


 本当だからね!


 此処は紳士に接するのが、男として、いや九州男児として当然たい。


 俺は唾をゴクリと飲み込み、彼女の貫頭衣の裾を撒くしあげているのだが、傍から見たらオッサンが女子大生くらいの若い子に如何わしい事をしている様にしか見えないんだよな。


 因みに、その女子大生くらいの女の子は、狐耳に狐尻尾とEカップ前後の巨乳で超絶にカワイイときたもんだ。


 神様が言いたいです。全力で言いたいです。


「神様、アナタの下僕になってもいいです」


 あっ口に出してしもうた……


 ゴッホン……真面目に治療をしないと彼女に失礼だよね!


 お尻に触り消毒を済ませると、後はキズ薬からの焼灼止血法ですよ先生、先生は俺でした。(ぺろりんちょ)


「……♡♡♡♡♡ ……!!!!!#$#$%&……」


 甘い吐息で唸っていた彼女が、突如として悲鳴を上げだしている。焼灼止血でお尻を炙っているから当然ちゃ当然の反応だよな。でも此処は心を鬼にしてでも彼女の為に治療しないといけない。


 100円ライターが炙り過ぎて熱くなってしまい、手で持てなくなってしまったので、俺はにポケットに入れてあったファットウッドを取り出すと、直ぐにファットウッドに火を移し、火の付いた木で彼女のお尻を炙った。


 偶然とは此れは如何に。


 ファットウッドは松脂を多く含んでいる木の事である。それを小さく裂き片手で扱えるまでに小さくした物だ。


 ファットウッドは松脂を多く含んでいるから脂が垂れてくるが、近づけなければ問題は無いが、火力が強すぎたかも知れないな……(ごめん) 


 その日、女の子の妖艶な叫びが森に木霊したのだった。




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