チロシのぼっきキャンプ~異世界エロ旅行記~
和蔵(わくら)
プロローグ
チロシです。
番組の取材でキャンプに行っていたとです。
そしたら、何時の間にか知らない世界に飛ばされていたとです。
それが辛いとです。
俺は辛さの余り、昔の芸風で現状を嘆いていたのだが、そんな事をしてても埒があかないので、今の状態で出来る事は何かと思索に耽ていた。
そして、周りを見渡せばADさんやDさん達は居ない……手元に残されてる物は番組で使っていた私物のキャンプ道具と長期入院から帰って来たばかりの愛車のヅズキ・シムニ゛が残っている。
所持品一覧
シムニ゛(番組で使う為に色々な品物を詰め込んで番組に着てたので、荷台がグチャグチャになって居て何がなんだか、さっぱり分からなくなっている)
テント一式・照明類一式・調理道具一式・クーラーボックス(中)・大型リュック・寝袋・焚き火台・ナイフ・手斧・火付け道具一式・食料(少量)・着替え一式(2日分)
異世界に飛ばされたチロシは、これだけの道具と知識だけで極限(?)のサバイバルに挑んで行かねばならなかった。
~*~*~*~
荷物を確認してから一時間が経ち、呆然としていたチロシの近くの茂みで何やら不吉な唸り声が聞こえだしていた。
まだ唸り声の主は、チロシからは距離があるようだったが、チロシは散らかっていた荷物を愛車に詰め込み、シムニ゛のエンジンを掛けたのだが、ここに来てからシムニ゛のストライキが発生していた。
「何でエンジンが掛らないんだよ」
チロシは焦りの余りに、声を出して騒ぎ出していた。
車のスターターを何回も廻すがセルは回るが、「プスン」としかシムニ゛は答えてはくれなかった。
そうしていると、唸り声が直ぐ側で聞こえだした時、何かがシムニ゛のボンネットを一回跳ねてサンルーフのホロに突き刺さっている。
「うっうううぅぅぅ」
飛び跳ねて来た物体は、勢いが付いていたのか、派手にシムニ゛のホロを破り体の一部と思わしい物が車内に入り込んでいた。
一瞬だけ車内に入り込んでいた物体を見るが、それが何かはチロシには理解が追いつかなかった為に、直ぐにエンジンを掛ける事に意識を戻していた。
チロシがエンジンを掛ける事に必死になっている間に、唸り声の主が愛車のバンパーに思いっきり体当たりしたが、その衝撃が良かったのかシムニ゛のエンジンが掛かったのだが、体当たりの衝撃はエンジンを掛ける切っ掛けになってもいたが、車体が吹っ飛んでもいたのだ。
吹っ飛ばされたシムニ゛はと言うと、持ち主のチロシがマジキレしていた・・・
「俺の愛車に何してくれとんじゃー」
止めていた為にサイドブレーキーは掛けていたが、それでもシムニ゛は止まる事はなく、数メートルは飛ばされていたが、チロシは直ぐにブレーキを踏んで車体を止めると、一速にギアーを入れ衝撃の主へと逆突撃を開始した。
「天下のシムニ゛様を舐めるな、鹿か猪かは知らんが、轢き殺してやるよ」
そう言うとチロシは、衝撃の主に体当たりしたまま、主の後ろにあった大木に主を打ち当てたのだった。
それでも車体を退かそうと前で動く物体が目に入ったから、チロシは車体をバックさせてから一回二回と動かなくなるまで、シムニ゛と大木に衝撃の主をサンドイッチにして倒し、動く事が無い事を確認、安堵の吐息をだした。
「えっ……何だこれ……」
安心した事でチロシは、サンルーフから入って来た物体に目を移したのだが、そこで目にしたのは、どう観ても、考えても・・・女性の柔らかそうなお尻と、女性の象徴が目の前に鎮座していた。
直ぐに車外に出てサンルーフを確認すると、サンルーフのホロにお尻を突き刺さった状態で、上半身は荷台のホロに
女性の顔は、整いつつ若いからだろう、肌の艶も綺麗なのだが、直ぐにチロシは人間と違う部分が目に入って来た。
女性の頭を見ると耳があるのだ。普通の人間には頭の上には耳は無いのが当たり前だが、目の前で気を失っている女性にはあったのだ。
「おい、キミ、大丈夫か?おい……」
チロシは女性の方に手を置いて揺らすが「うっぅぅ」としか答えない女性をどうすれば良いのかと思案に拭ける。
シムニ゛でも車高は、そこそこ高いから屋根に上って女性を引き上げる事は出来ないとは言わないが、それをしたらホロが破れる事は確かである。愛車のシムニ゛を傷つける事だけはしたくないチロシは、内部から女性のお尻を持ち上げてから、荷台から降ろせば安全に女性を救助できるのではないかと思い至った。
「おいキミ、車内からお尻を持ち上げるけど、決して疾しい事をしようなどと思ってないからな」
小心者のチロシは、気絶している女性に聞こえるはずもないのに、独りでに言い訳を口に出して女性に問い掛けているが、女性からは当然のごとく返答があるはずもなく、チロシはゴクリと喉を鳴らして顔を赤らめている。
いい歳をしたオッサンのチロシが、顔を赤らめても誰も得をしないのだが、本人は居たって真面目なのだ。
「人命救助、これは……人命きゅーじょ……だ」
声を震わせながら一人で言い訳をしながらチロシは車内に戻ると、震えを手を女性の桃尻に触れ、「はぁ~柔らけぇ~」などと呟いているドスケベ野郎だ。
ここで一つ困った事が発生してしまった。
なんっと女性のお尻がサンルーフにピッタリと挟まり、少し持ち上げても動いてくれない、車内でオッサンが中腰で女性のお尻を触り持ち上げながら、汗だくになっていた。
「嘘だろ、何で抜けないんだよ、このデカ尻は隕石か」
そんなこんなで、お尻を触っていると女性が気が付いたのか、奇声が森に木霊しだしていた。
外からは女性が叫びだしたのか何やら聞きなれない言語で話している「&$#””&”#$%&’()=!」とか言っているが、つまり日本語にするとこうだろうな「お尻を触ってるのは誰だ、殺すぞコラァ」みたいな事を言っているのだろうなとチロシは理解した。
「おいキミ、少し落ち着け、出ないと俺の愛車のホロがこれ以上に酷い事になるだろが」
チロシは女性に暴れるなと言ったのだが、言語がお互いに通じないと分かるや女性は暴れだした。
チロシは、サンルーフのホロが更に破れ事で頭の中が真っ白になった為に、女性を力任せに外に押し出しだした。その時に女性の性器の中に指が入ろうが、お構いなしに力任せの荒業を繰り出したのだった。
「このデカ尻がぁぁぁぁぁぁ」
押し出された女性は勢いが付いていた為に、荷台のホロからも転がり落ち後部バンパーの陰に消えて行ってしまっていた。
車内に残されたチロシには破れたホロが痛々しく映っていた。
「長期入院から帰って来たらこれかよ、なんでだよぉぉぉぉぉ」
女性の悲鳴とチロシの悲鳴だけが森に終わりなく木霊したのだった。
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