第22話 再び報告会(その2)

次は的君の番だった。この短期間で全ての部活動に掛け合ってくれて、参加希望を聞いてくれた。

結果、文化系の部活は全て参加希望。運動系の部活は半分くらいが参加希望だった。

文化系はどこも展示や物品販売だ。逆に運動系は、ダンス部を除いて全て食べ物屋希望だった。


「しかし、さっきの神流の話からすると、この希望を全部受け入れることはできない。……という話は、まだ伝えていない」

「それはしょうがないよ、いま知ったんだから」

「文化系の展示だが、いくつかはひとつの部屋で合同開催できるかもしれない。書道部や美術部は大型の作品も多いが、手芸部や漫画部は小さい作品が多い。小部屋で合同開催しても平気かもしれない」

「いや、あまり密集しない方がいい」


燈が指摘した。


「作品の大きさより、そこに集まる人の数で判断すべきだ。特に漫画部とかは、その場で作品を読み始めたら長時間とどまることになる。そこに大勢の人が集まっていたら、感染源になりかねない」

「む……なるほど」


次は私が発表した。


私の発表は、国枝先生に言われたことと、佐伯さんに聞いたことだ。一部はみんなに話した内容だけど、改めてまとめて発表した。


国枝先生が言うには、アピールポイントは二つ。感染対策と予算だ。KNGビルディングがどういう会社なのかは、いま国枝先生が調べてくれている。


そして佐伯さんには、ホテルの感染対策について教えてもらった。

コロナ以前に建てられたホテルだけど、換気などの設備はそろっていた。お客さんが入る全ての部屋は、10分もあれば空気が完全に入れ替わる。だから感染の心配はほとんどない。


それから、ホテルの値段。これも神流ちゃんには話してあったけど、改めて発表した。


「二日間合計で、税込84万7000円になった。値切ってみたけど、これ以上はどう頑張っても減らせないらしい」

「値切ったの?」

「うん。元々税込88万円って言われたところを、交渉して下げてもらったの」

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