変化

この文字盤は何なのだろうか?


「俺が意識を失う1年前にはこんな物はなかった・・・ってことは、これは意識を失った事で現れたってことか?」


でも何で?


意識を失う前の俺にはスキルは無かった・・・


いや、ある事にはあるのだが、鑑定士に見てもらった時、スキルが3つありますって言われ、喜んでいたら、あとから鑑定士の言う言葉で一気に地に落とされたのだ・・・


そして、これがきっかけで俺は周囲にガラクタと呼ばれるようになる・・・


まぁ、この話は置いといて!

結論から言うと読めなかったのだ

こんな感じに―――


【※※※※】 ・ 【※※※※※※※※※※】 ・ 【※※※※】


これが何かしらの作用を起こし、今現状の現象を引き起こしたのではないかと俺は考えている。


そして、読めなかったスキルの内の1つだけが表示されている


【仮面武装】


アムスティールって書いてある・・・


俺のスキルってどんな物なのか気になるな・・・

この文字盤に触ると読めるのかな?


俺は恐る恐る文字盤に腕を伸ばす。


「おっ、画面が変わった⁉」



仮面武装アムスティール】Lv.1

アムスティールと唱える事で、瞬時に装備を換装する事ができる。

(声に出さなくとも可能)


う~ん・・・説明が大雑把だなぁ・・・

このアムスティールと唱えるといいのか?

これは検証が必要になるな・・・


そして、スキルの横にあるLv.1という文字!

このスキルはレベルアップもするのか?


もう1つのスキルは読めないままである

まぁ、今さら読めなくてもどうってことない。

俺は今までスキルに頼らず生きてきた訳だし!

その他には俺のステータスまで表示されている。


九瀏 雅人 

Lv.1

体力:20

魔力:12

筋力:18

俊敏性:15

命中率:79%

回避率:55%

運:15


スキル

【仮面武装】Lv.1 ・ 【※※※※※※※※※※】 ・ 【※※※※】


う~ん・・・

これを見てもどのぐらい強いのかが分からない!


「これも検証が必要だな」


俺はベッドから起き上がり、外を見る。


「あれから1年とゆう月日が経った・・・俺を囮にして逃げていった奴らは今頃どうしているのか?復讐をしてやりたい気持ちはある・・・が、それよりも、母さんのあのやつれた顔を見たら、復讐なんかどうでも良くなった」


それに、俺が目覚めた事を知ったらあいつらの事だ。

絶対に何かしら嫌がらせをしてくるに違いない。

とりあえず、今後の計画を立てよう。


今後の事を計画を立てていると、いつの間にか夜が明けていた。





翌日からトレーニングを開始した。

先生と話をして許可は得てある。


「検査結果はどこも異常はなかったし、無理をしない程度ならいいでしょう。しかし、本当にソルジャーは他の人たちと比べ、回復は早いし、我々の常識を軽く超えてくる」


そんな事を言っておりました。


「自分自身が一番驚いてるんだけどね・・・」


俺は軽くジョギングから始める。


1時間近く走ったが、全然疲れた感じはしない。


いや、むしろ、1年前に比べると体が軽くなった気がした。


次に腕立て伏せ、腹筋、懸垂の順にやってみた。


10分間で腕立て伏せが100回、腹筋100回を軽々できた。

以前の俺だと休みながら、2時間掛けて腕立て伏せを100回、腹筋を100回やっていた。


「腕とお腹に違和感を感じない・・・まだまだできる気がする」


次は懸垂をしてみる。


これも驚いた事に、1分も掛からない内に、100回できたのである。


そんなこんなで、早朝トレーニングを終え、病室に戻ると、父と母がいた。


父は俺を見て、一瞬立ち止まると、こちらに歩き出し口を開く。


「雅人・・・よかったな・・・本当に目が覚めたんだな!」


父は俺の肩をポンポンと叩き、下を向き泣いていた。

目覚めて、母を見た時同様、父がとても小さくなっているのに気付いた。

よく見ると、父も痩せ細っており、1年前はあんなにがっしりとした体格だったのが、今ではこんなに・・・


「うん、父さん・・・そして母さん。2人には迷惑を掛けて、ほんとにごめん」

「いいんだ・・・お前が目覚めてくれただけで、父さんと母さんも救われた」

「そうだよ・・・雅人が気にする事じゃないよ」


零れそうになる涙をグッと堪える


昨日も考えたが、2人の姿を見て、決意がさらに固まった。


強くなり、迷惑を掛けた家族に恩返しをしなければならない。

そのためにも、やはり、早くゲートに潜り、新しく手に入れた力を確認しなければいけない。


その後、俺が眠っていた1年間の出来事、弟2人のこと。

それらを聞いて俺は沸々と湧き上がる怒りを感じていた。


俺が眠っていた1年間で、実家に嫌がらせをしてくる者が現れ、今現在も嫌がらせを受けているとのこと。

次に、父が高校の教員をしていたのだが突然クビになり、職を失ったこと。

弟2人が覚醒し、ソルジャーになったこと。


そして、弟達はギルドに加入することなく6人で活動してるとのこと。

俺の先輩の4人が、弟達と一緒にゲートに潜っているらしい。

あの人達なら信頼できるから心配はないだろう。


4人の先輩は勘が良く、幾度となく俺を助けてくれた頼りがいのある先輩達であり、そして強い!

しかし、最初は他のギルドに加入をしようとしていたみたいなのだが、話しによると、ギルドに面談を申請しようとした際、名前を聞いただけで取り合ってもくれなかったと言っていた。

しかし、1つだけ弟たちを面談をせず、受け入れようとしてくれたギルドがあったそうで、名前を聞いた瞬間怒りが頂点に達した。


そのギルドは、グリム・リィーパー・・・


俺を囮として使った奴らのいるギルドである。

弟2人は、俺がこんな仕打ちをされたとは知らず、加入しそうになるが、それを止めたのが先輩4人組である。

その4人がグリム・リィーパーの加入を止めてくれたことに心底感謝した。

今では6人組でゲートに潜っているみたいだ。


また明日も来ると言っていたが、忙しい2人に、あまり迷惑はかけたくはないから、丁重に断った。

ほどなくして、父と母は帰って行った。


2人が帰ったあと、俺はすぐに、先生の下へ赴き、先生に無理を言い、俺は明日退院する事が決まった。

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