第4話 VSインベーダー
インベーダーは海洋生物を巨大化させたような見た目をしていると教わった。
俺達が今日、戦うのは都市部に上陸しようとしているタコ型インベーダーだった。
「インベーダーにはバリアフィールドも無いし、リ・アテナより楽勝なんじゃね?」
とは俺の持論だったが。
「いいですかイルク、その代わりインベーダーには超再生能力があります。
「わーってるよ」
イグニスの頭をくしゃくしゃに撫でつけると、ブリーフィングルームへと向かった。
そこにはあの変態爺ことアードランド博士のおそらくダミー体が居た。
「よく集まってくれた諸君! これからの任務は急を要する! 上陸前にインベーダーを叩け!」
そう言残して爆散するアードランド博士。いや意味分からん。
「本当にお茶目な人だなぁ」
「いや爆散する意味あった……?」
なにはともあれ格納庫へと向かう。
そこにはあの爆乳、もといマールーシアとミータのペアもいた。
「今回は味方同士、背中を預けて戦いましょう」
「あ、ああ……」
なんかこう、真面目になられるとそれはそれで困る。
各自コックピットに乗り込んで行く。
俺達もそれに続く。
マンドリカルドスに乗り込む。
「マンドリカルドス、イグニッション! ユーハブコントロール!」
「アイハブコントロール!」
カタパルトから海上に出る。
いきなり巨大なタコの足が迫ってきた!?
「いきなり、かよ!」
俺はそれを蹴り飛ばし、足ではなく海中にいるであろう本体を探す。
「足が長すぎる!」
「落ち着いてイルク! 今、中心地点を割り出します!」
「右後方に反応あり!」
「っしゃあ!」
振り向きざまにサブマシンガンを斉射する。飛び出して来たタコの口にビームの弾丸を喰らわせる。しかしすぐさま再生。
「
「待ってください……見つけました! 左から二番目の足です!」
「どれだよ!?」
足なんていっぱい海から生えていて分からない。するとリ・アテナがそれらの足を一閃して全て切り裂いた。
「……えっ」
『摸擬戦では後れを取りましたが、対インベーダーとなっては話が違います。このリ・アテナの実力、そしてミータの操縦技術を舐めないでくださいませ』
その声はマールーシアのものだった。
えっ、普通、ここは摸擬戦にも勝った俺らが大金星上げて凱旋する流れじゃないの。
イグニスが苦笑いする。
「流石、最新鋭機ですね……摸擬戦じゃ手を抜かれていたのでしょうか」
「えっ」
さっきから「えっ」しか言えてない。摸擬戦の結果すら嘘? じゃあ俺はなんだ?
その時だった。小型のコバンザメ型インベーダーがリ・アテナの背後から襲い掛かってきたのだ。俺はそれを見るとすぐさま意識を切り替え肩部ビーム砲でそいつらを焼き払った。
『――ッ!? ば、バリアフィールドがありますから助けなど……』
「別に助けたわけじゃねぇ。
負け惜しみだった。
だけどその通信以来、向こうも黙ってしまう。
そうして初の実戦は終了する。
「なぁイグニス……俺らこんなんでやってけるかな」
「大丈夫ですよ、イルクとなら」
なんの根拠も無さそうな声に俺は思わず笑ってしまった。
不思議そうにイグニスは可愛らしく小首を傾げた。銀髪のショートヘアが揺れる。
ああ、こいつ本当に黙ってりゃ女の子だなァ。
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