第3話 レーザー砲の雨あられ


 開幕、俺は肩部レーザー砲をぶっ放した。避ける暇も無く大盾でそれを防ぐリ・アテナ。

「よっしゃちょっと削ったァ!」

「本当にちょっとですけどね……」

「いいから連撃いくぞ! サブマシンガンで連射を――」

 するとリ・アテナが突撃してきたのではないか、手にはビームソード。

「まずっ!? 回避!!」

 転がる様にしてリ・アテナの一太刀をかわす。態勢が崩された、距離を詰めてくる連撃が来る。腕部マシンガンで牽制する。これも大盾で防がれる。

「あいつらバリアフィールドが減ってもお構いなしか!?」

「みたいですね、よっぽどあの大盾を信頼しているようです。つまりそこに隙はあります」

「まずはあの大盾を削り切る、か」

 なんかイグニスと既に以心伝心みたいになってて嫌……嫌? なんか複雑だった。俺は腰部にサブマシンガンをマウントすると反対側の腰部からビームソードを取り出す。そのままビームソードとビームソードがぶつかり――合わない。互いにすり抜ける。すり抜けた光の刃を紙一重でかわし、こちらは大盾に剣を突きつける。ゴリゴリと大盾のバリアフィールドが削られていく。

「肩部レーザー砲、発射!」

 ゼロ距離での斉射。それは本体に届く。一気にバリアフィールドの半分以上を持って行く。とどめと言わんばかりに蹴りを入れると。距離を離しビームソードをサブマシンガンに持ち替えて連射した。

 まともに喰らうリ・アテナ。バリアフィールドが消え去り、装備のトリガーにロックがかかった。

「戦闘終了っと」

「すごい! 『足癖のイルク』の戦闘方法は本当だったんですね!」

「えっ、なにそのダサい通り名」

 確かに戦闘ではよく足が出るというかキックをするが。

 コックピットを開き機体から降りる。

 向こうのマールーシアとミータも同様に降りていた。うーん、おっぱい。

「流石ですわね……伊達に洋上学園を卒業してきたわけではないという事ですか」

「ごめんなさいお嬢様! ぼくが不甲斐ないばっかりに!」

「こら! 外でお嬢様呼びはやめなさい! それにミータ、あなたは……その……よく頑張りました」

 えっ、なんであいつら負けた癖にいちゃついてんの。

 俺は歯ぎしりした。

「イルク? なんか苦虫を噛み潰したような顔をしていますが」

「苦虫を噛み潰してるんだよ……!」

「勝ったのに!?」

 マールーシアに頭を撫でられるミータは顔を赤くしていた。

 いやふざけんなテメーそこ代われ。

 俺は勝利の美酒に酔う事もなくただ現実から逃避するために天を見上げた。

「今日も、空は青いな……」

「本当にどうしたんです? アードランド博士に診てもらいますか?」

「あんな変態爺に診てもらう事なんぞない!!」

 俺は踵を返し、アリーナを後にした。

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