第19話 クッキー🍪の秘密

エルザが妖精界に帰ってくると、

エルフは待ち構えていた。


だが……サリーの姿は無かった。


エルザはエルフにクッキーを

渡した。エルザは伝える。


『これはね、サリーからの返事だ。』


『エルザ……』


『食べてあげなよ。な?』


エルフは……クッキーの入った

布の袋を空けると、フワンと


いつしかの想い出の香りが漂う。

エルフは……出逢った頃のことを

思い出した。


『こ……これは?!』



エルフがサリーの手作りのクッキーを一口かじった。



(あの時の味だ……!)

サリーに頼んで、1000年に1度しか咲かない一輪の薔薇の蜜が

そのクッキーには……



練り込んであったのだ。


()


エルフは感謝しながらもクッキーを食べ続けた。


想い出の味……きっと、サリーは無理したに違いない。



エルフは涙を浮かべ

クッキーを食べ終えた。


『サリー……。君は僕の一生涯

大切な人だ。』



エルザは……そんなサリーと

エルフがとても美しく見えた。


エルザはエルフに伝えた。



『サリーは妖精みたいな可愛い子だったよ。エルフよかったな?』



エルフは……エルザに事情を全て聞いた。


エルフはサリーの選択に従おうと思った。


サリーの味……サリーの想い出



エルフにとっては、最初で最後の恋だった。


サリーの思いやりが詰まった

クッキーの味は、



2度と食べられないかも知れない。


いや、、、、、。



いつか……きっと……

サリーとの約束を果たす為に


エルフは……妖精界の頂点になる覚悟を決めた。


エルフは立ち上がった。

悲しみから立ち上がったのだ。



サリーからの深い愛情で、

エルフは……思ったのである。





()



エルザの行動により、エルフは

それからも、妖精界の治安を守るために、



そして、奇跡を起こす力を蓄える為に、ありとあらゆる事柄から


真正面から取り組んだ。


それもこれも、全てサリーに

逢うためだったのだ。

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