第12話 ついに?
エルフがサリーの部屋の中で、
ベッドに座り深いため息をついていた。
どうするんだ!僕は
エルフの顔からは、緊張した面持ちでサリーを
今か、今かと待っていた。
その頃、サリーは思い切り泣いた後にシャワールームで
明日の学校に備えて、全身を
キレイに洗っていた。
サリーがバスタブに浸かると
深いため息を吐いていた。
『エルフ逢いたいよ。』
サリーがお風呂から上がり濡れた髪を乾かしていると、
『……!!?』
自分の部屋から、まばゆい光が
こうこうと、輝いているのが目に入った。
『エルフだ!』
髪を乾かしている途中だと言うのに、サリーは部屋へ走り出した。
(エルフ。エルフ!行かないで!)
バターーーン!!
『はぁ、はぁ、はぁ。』
『?!さ、サリー?!』
『エルフ。何処に行ってたの?
私。心配で心配で……。』
サリーは安堵の余り泣き出してしまった。そんなサリーを見ると
エルフの胸は、張り裂けそうに
キュンキュンするのだった。
『ごめんよ。サリー。僕は……』
『えっ、うっ、ううっ。うあ~ん』
エルフもなぜか、泣けてきた。
いつか……サリーとは
お別れしなくちゃいけないのだから。
エルザのおかげで……人間界に
戻って来れた。
その話は、サリーには黙っていた。エルフがバツが悪そうに
うつむいていると、
サリーがエルフに、抱き付いてきた。エルフの心臓は高鳴った。
エルフは思わず……サリーを
抱き締めた。サリーはそんなエルフに向かって気持ちを打ち明けた。
『…………なの!好きなの!
私は……エルフが好きなの!だから、行かないで!』
エルフがサリーの言葉を聞くと、悲しそうな表情を見せた。
エルフがサリーの両腕を、そっと離すと
サリーの頬にエルフは唇を寄せた。
『サリー?僕らは添い遂げられない運命なんだよ。僕は…………
僕…………も……サリー?』
サリーは瞳にたくさんの涙を浮かべて、エルフの顔を覗き込んでいた。エルフは意を決して話す。
『サリー?僕は……』
『君を、本気で愛してるよ。』
その言葉を放った瞬間……エルフの体は、どんどんと透明化して
いった。
サリーは思わず止めようとするのだが、エルフは消えてしまっていた。最後に見せたエルフの
悲しそうな笑顔を見たサリーは
その場に、泣き崩れるのだった。
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