第8話 ママの仕事2
サリーが、ミートパイをひとしきり楽しむと、ママは仕事場へと
向かう準備を始める。
サリーは、何気にママに聞く。
『ねぇ、ママ?
ママの仕事はどんなことをするの?』
母親のサラは、サリーの方を向いて答える。
『ママの仕事は……人を美しくする仕事よ?昔からお化粧が、とても大好きだったわ。
だからね?お化粧品の販売を
お手伝いする仕事よ?楽しみだわ!』
とサラは、そう答えると
とてもキラキラした目をして
サリーにも伝えた。
『サリーが大きくなって、ウエディングドレスを着る頃には、
ママが、とびきり素敵に化粧を
してあげるわ!』
『…………お化粧?』
『そうよ?女の子達に、美しくなる魔法をかけるのよ?』
『わぁ~凄い!ママは魔法使いなの?』
『ふふふ。そうかもね?』
『じゃあ、仕事行くわね!お留守番頼むわ。サリー。
お給料が落ち着いたら学校へ
通わせたいと考えてるわ!』
『え…………?』
サリーの顔が、一瞬で暗くなった。サラは不思議に思う。
『学校は、イヤなの?サリー?』
『…………わたし、、、遊んでいたい。』
『そう。でもね?子供を一人にするのは、ダメなのよね?
国で、定められてるの。だからね?分かって、サリー。』
『…………。』
サリーは……エルフとの距離が
段々と出来てきたことに
ある種の寂しさを感じていた。
エルフ…………。
学校なんて、行きたくないよ。
サリーは……ママのミートパイを一切れ用意して、
魔本の中に隠れている
エルフに話さなくては……と
自分の部屋へと、肩を落として
向かって行った。
その頃……エルフは
魔本の中に隠れていたのだが、
サリーへの、特別な感情を
いつ、打ち明けようか?
自分の存在が、消えてしまったとしても。
サリーは……大丈夫だろうか。
魔本が、キラキラと輝いていて
まるで
サリーへの愛が溢れて今にも
エルフは……告白しそうな気分になっていた。
エルフは……サリーと仲良くなるにつれて、
離れている時間すらも
もどかしく感じていた。
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