第6話 奇跡の回復

次の日の朝……サリーは寝坊してしまっていた。

昨日の夢の様な夜を過ごしたので明け方まで、サリーは

目が冴えていた。



サリーが目を覚ますと、、、

そこには…………


産まれて初めての朝食が並んでいた。余りにも、美味しそうな朝食だったので、

サリーはついつい、見入って

しまった。



そんな時……サリーを呼ぶ声が聞こえた。サリーが振り向くと、


『おはよう、サリー。』




母親が、朝食作りに腕によりをかけていた。

サリーは一瞬考えてしまった。




『ああ、形見の指環を売ってきたのよね?』

と、母親のサラはウインクをして

にこやかに答えた。



サリーは、とても驚いた。


その形見の指環を売るなんて。

あれは、おばあちゃんに貰った

唯一の財産だったからだ。



子供のサリーから見ても

明らかに、高そうな指環である。


サリーは、朝食を食べていいモノか?とても悩んだ。



母親は、そんな遠慮がちなサリーを察して、言葉をかけて促す。


『今まで、サリーには苦労をかけたね?もうお母さんは、大丈夫よ?さぁ、何も心配いらないから。食べなさい。』



サリーは、こんな豪華な朝食を

食べられる日が来るなんて

思いもしなかった。



余りの感激に、サリーは涙をこぼすと、料理を口に運んでみた。



母親の作った、パンケーキは

とても幸せいっぱいな気分になった。サリーは、そのパンケーキが美味しすぎて、


またたく間に、食べてしまっていた。パンケーキの次は

初めてのアイスクリーム。


しかもストロベリーの

アイスクリームだ!



これも、サリーは口に運んでみると…………?


ストロベリーアイスクリームの

余りにも美味しい出来映えに、



驚きの声をあげてしまった。

サリーは、母親の方を見て……


お礼を伝えた。


『ママが元気に、なったことも

嬉しいけど。料理が美味しすぎて

わたし、幸せだよ?

ありがとう。ママ!!』


サリーは、泣きながら今までの

苦労を思い出していたが

母親のサラは、そんなサリーに

優しかった。


『サリー?あなたのおかげよ?

こちらこそ、ありがとう。』


サリーは、その時思ったのは


(ホントは、エルフの力なんだよ。エルフとは友達なんだよ。)


と……サリーは言いかけたが、



エルフとの約束が、あるので

口をつぐんだ。



サリーの母親は、明日からの

働き口が見つかったから


留守番をよろしくね?と言われると、サリーは途端に笑顔になった。




(ママが、働いてる間中は……

エルフと、たくさん遊べる!)



産まれて初めて、

サリーはママの美味しい料理を

存分に食べて、



幸せを満喫していた。






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