第5話 星空での誓い

エルフとサリーは、二人で星空へと飛び立ちサリーは、余りの光景に驚きの連続だった。


雲が今にも届きそうなくらいに

高く……高く……


サリーは、産まれて初めて

という感情に包まれた。


そんな時、エルフはサリーの手に握っている、枯れかけた紫色の薔薇に目をやるとクスッと笑った。



『サリー……その一輪の薔薇を

生き返らせる魔法を……僕は知ってるんだよ?』


『ええ?!ホントに?』



『じゃあ……地上にまずは降りようか。』


エルフにとっては、空へ飛ぶことも何もかもが自由自在だった。



次々に起こる不思議な出来事は

サリーにとっては

ワクワクが止まらなく、眠れないほどに楽しかった。



エルフと友達になれたサリーは

このまま、エルフと一緒に楽しく過ごせると安堵していた。



(エルフがいれば。怖いものなんて無いわ!ふふふ。楽しくて

楽しくて、おかしくなりそう。)



地上に二人が降りると、エルフは

また違った呪文を紫色の薔薇に

唱え始めた。



エルフが薔薇に手をかざして

光りを放つと……サリーに言った。


『サリー……今だ!!その薔薇を

あの木に植え込むんだ!君がやらなきゃ意味がないんだ!さぁ。

早く。』



サリーは言われるままに、紫色の

枯れかけた薔薇を木の元に植え込むと…………またまた不思議な出来事が起こった!



植え込んだ薔薇の花が…………

メキメキと大きくなり始めて、

いつの間にか、その植え込んだ木の大きさを、抜いてしまった。



まるで、そこは

薔薇の家が木の上に出来て、住めそうな見た目に出来上がったのだ。


サリーは、口をあんぐりと開けて

薔薇の家を見つめていた。



エルフは言った。

『この薔薇の花は、心の優しい持ち主ではないと、こんなに立派な家にはならないんだよ。

サリー……君は、とても優しいんだね?』


サリーは、はにかんでいると



エルフは

『サリー……ありがとう。

これは二人の秘密だよ?誰にも

話してはいけないよ?誰にも。』



サリーはエルフに約束すると誓った。サリーは

『お母さんにも話してはダメなの?』


エルフは少し考えて、



『そう。お母さんにもダメだよ。

サリーと僕だけの秘密なんだ。』



サリーはしばらく考えて、クビを縦にふった。



『分かったわ!エルフと約束する。』

二人は、その時に誓いの指切りをした。


エルフはその時……サリーの頬に

軽いキスをした。



『サリー……君は、僕だけの友達だよ?幸せに暮らして行こう。

僕が……君を守るから。』



サリーは、エルフにキスされた

頬に手をやり照れていると



エルフは、

『サリー……また明日ね?』



そう言って、薔薇の家に飛び立って行った。



サリーは、しばらく薔薇の家を眺めていたが、




(また……明日ね?エルフ✨)




その夜……サリーは初めて

妖精達に囲まれて姫の様に扱われる夢を見た。




サリーにとっては、

幸せへの第一歩であったが。



エルフは、薔薇の家の中で

いつか来る……サリーとの別れに


想い悩んでいた。





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