第12話私が神だ!

 さてと、今日も元気に人狩りしようと思うけどどっちからにしようかしら?ギアをつける、空間を広げて行くか…。よし、どのみち付けてようが付けてなかろうがレベルは上がるし、あと人間って食べたら美味しのよねぇ。ただたまに微妙な味の人もいるけど、あれってなんでなのかしらね?そこも確かめる必要がありそうね。

 あ、その前にちゃんとご飯食べなきゃね。今日は確か家に私だけだからトーストだけでいいかしらね。

 そういえばこの時間って何かテレビやってるのかしら?


 [昨日未明、アースクエイク社製のヘッドギアを使用して、エトワール・オンラインをプレイしていた128名が、意識不明で病院に緊急搬送された事件ですが、未だ原因は解明されておらずーーー]


 へぇ、怖いこともあるものねぇ。それじゃあ今日は、ギア無しで行こうかしら?私にも同じようなことが起きたら怖いしね。

 よし、そうと決まればそろそろ他の街の中に入ろうかしらね。街に入らず3日ぐらい外で狩りをしてるからそろそろ入ってみたいのよね。あ、でも入るの邪魔されるかしら?…邪魔されたら殺すか食べればいいわよね。

 あ、そういえば現地の人って食べたら美味しいのかしら?今までプレイヤーしか食べてなかったからちょっと気になるのよね。いざ実食っ!てね。


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「んー、やっぱり自然を身体で感じるっていいわね」


【まったく、獲物がたくさん来たというのに何を呑気な事を言ってるんだ。さっさと殺ってしまえ】


「そうね、私も早く街の中に入りたいしサクッと殺っちゃいましょうね。はい、サクッと」


【うむ、使い続けてるから触手の活きがいいな】


「ふふ、なにそれ。まぁいいや、さっさと街の中に入りましょう。あ、そうだ。街の中に入ったら現地人とかプレイヤーって食べていいと思う?」


【別にいいんじゃないか?奴らが無理やり世界の理を変えたからそろそろ終わりを迎えるだろうからな】


「じゃあ別に滅ぼしてもいいのね。ふふ、なんだかこの身体になってから何もかもが楽しいのよね」


【ふむ、それはいい事だ。早くもっとこちら側来い。そうすればアリーの世界も救えるぞ】


「そうね、もっと使いこなして私の日常を守るわ。てことで、とりあえずあそこの門番さんから頂こうかしらね」


 それじゃあ、いただきまーす!…んふ、プレイヤーより美味しいわね!でもプレイヤーでも美味しい人もいるからどっちも食べちゃおうかしら。


「きゃあああああ!」


「な、なんだアイツ!門番を殺したぞ!」


「に、逃げろおおおお!」


「早くハンターを呼ぶんだ!」


 ありゃりゃ、逃げちゃったわね。しょうがないから手近な所から食べて行くしかないわね。ほいっ、パクっ!あら、さっきより美味しいわね?なんでかしら?年齢は同じぐらいだろうし…、あ、もしかして私のこと怖がってるからかしら?恐怖がスパイスになってるってことかしらね。

 ふふ、ならもっと怖がってもらおうかしらね。建物も壊してっと。


「早く逃げろ!建物も壊しはじめたぞ!」


「子供と老人優先に逃がせ!逃げられないやつはあの化け物に食われるぞ!」


 女の子相手に化け物なんて失礼しちゃうわね。そんなこと言う人は潰しちゃうわよっと。あら、真っ赤な綺麗なお花の完成ね。


「おいおい、こいつぁ一体どうなってやがんだ?」


「あの女が1人でやったように見えますが?」


「そこら辺に触手を使ってやったようですわね?」


「こいつはワシらにはちとキツい輩じゃな?」


 なんか変なのが来たわね。すんすん、なんか他の人たちよりも美味しそうな匂いがするわね。


「ねぇ、ニャル。あの人達とっても美味しそうな匂いがするわ」


【ふむ、良質な魂なのだろうな。それにしても魂の匂いを嗅ぎ分けるとは成長しているようだな】


「魂の匂い?ふぅん、なるほどね。じゃあいい匂いがする人達を優先で食べようかしらね」


 それじゃあ、なんか甘い香りがするお嬢様みたいな格好した人からにしようかしらね。

 それじゃあ、触手と触手を合わせていただきまーす!


「わたくしのところに来るんですの!?」


 そりゃ甘くて美味しそうなものは1番最初に食べないともったいないじゃない!これをこうしてほいっ!触手フォークの出来上がりっと!ていっ!


「ちっ、やらせるかよぉ!ダブルスラッシュ!」


「いたっ、ちょっとなにするのよ!」


「それはこっちのセリフだ!街を襲った理由はなんだ!」


 自分で言うのもなんだけど敵に理由なんて普通聞く?まぁ、教えてあげるけどね。


「食べた時どんな味がするのか気になってだけど?」


「ふざけんな!そんなクソみたいな理由で街を襲ってんじゃねぇぞ!フレイムスラッシュ!」


 ふざけんなってふざけたことした覚えないんだけど?てゆうかさぁ…。


「さっきから鬱陶しいのよ!もうあなたから食べることにするわね!」


「は!食えるもんなら食ってみろやっ!」


 ふーん、強気なことを言っちゃって。


「それじゃあ遠慮なくいただきます」


「なっ!?空間魔法かよっ!」


「うちのリーダーはやらせませんわよ!フレイムランス!」


 あぁもう!さっきから私の食事の邪魔ばっかりして!


「そんなもの効かないわよ!」


「ならこれはいかがですか!クライスバインド!」


「いつの間にっ!?てか何この輪っか!身体が動かないんだけど!?」


「ふん!これで終わりじゃクラッシュ!」


「きゃっ!」


「よし!頭を潰したぞい!」


「これで終わりですね」


「でも一体なんだったのかしら?」


「知らんがとりあえず逃げ遅れたやつがいないか捜索するぞ」


 はぁ、油断した。頭潰されたら喋れないじゃない。まったく。再生するのだって大変じゃないけどめんどくさいのに、勝手に再生されるけど。

 とりあえず再生再生っと。


「ちょっとどこに行くのかしら?まだあなた達を食べてないんだけど?」


「おいおいマジかよ。そんなの反則じゃねぇか」


「えー、反則じゃないわよ。これも私の力なのよ?使えるもの使って何が悪いのよ」


「ちっ、おい撤退するぞ!」


 ふふ、まだ気づいてないのね。まぁ、無理もないわよね。誰にもバレずにこんなことできるなんて私って完璧すぎない?


「あん?おい起きろ!おい!おい!てんめぇ、俺の仲間に何しやがったぁ!」


「ふふ、何をしたもただ食べただけよ?あ、いっぱい食べて魂だけを食べるってことをマスターしたから身体はちゃんと残してあるわよ!よかったわね!」


「なにがよかったわね、だ!何もよくなんざねぇんだよ!こんなの死んでんのと変わんねぇじゃねぇか!」


「そんなことないわよ。身体はちゃんと生きてるんだから別にいいじゃない。何か問題でもあるわけ?」


「ちっ、話になんねぇな!でりゃあああああ!」


「なんかもう、暑苦しいし鬱陶しいからばいばい。みんなと同じところにいけるわよ」


「ふざけんなあぁああああ!ぐっ、くそっ、たれが…」


 ふふ、ご馳走様でした。でも結構胃もたれするような味だったわね。街1つ分は食べたし1回戻ろうかしらね。それにしてもプレイヤーがいなかったのはなんでかしらね?


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 はぁ、さっきいっぱい食べたはずなのにまたお腹が空いてきたわ…。あんなに食べたのにおかしいわね?まぁ、とりあえずいい時間だし夜ご飯食べようかしらね。でも作るのめんどくさいわね。インスタントと冷凍食品でいいかしらね。


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 いただきます。…ん?なんか味が変ね?味が薄いというか無いというか変な感じね?でもお腹が膨れるからいいかしらね。

 それにしてもあと3日で夏休みも終わりかぁ。学校行ってる間にも奴らの計画が進むと思うと行ってる場合じゃないだろうから別にいいかな行かなくて。でも、優梨に心配かけるのも気が引けるし電話しとこ。


「……あ、もしもし優梨?うん、私。それでさ夏休み終わっても学校行かないわ。え?まぁ、先生にはちゃんと伝えるわよ。ほら、でも優梨に何も言わないと心配するでしょ?だから電話したのよ。うん、うん、わかったわ。それじゃ」


 よし、これで向こうにこもっても大丈夫ね!お母さん達には紙に書いて置いとけば分かってくれるし大丈夫よね。

 さーて、今日はもう寝て明日はルルイエに向かいましょうかね。寄り道しすぎて全然進んでないし、そろそろ進まないとね。


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 さてと、朝食も食べたし準備バッチリね!それにしても昨日からあんまりニャルが話しかけてこないのよねぇ。何してるのかしら?


【ニャル?ニャル?聞こえてる?】


 返事がないただの屍のようだ。いや、ホントにどうしたのかしら?

 まぁ、とりあえずお母さんたちには向こうに行くこと言ったし、学校にも連絡してもらったしレッツラゴー!

 とは言ったものの慣れたからもうトンネル通らなくてもいいんだけどね。

 いや〜慣れとは恐ろしいですなぁ。とりあえず寄り道せずに真っ直ぐ進むけどもし途中で村があったら潰すし、街があったら潰す方針でいこうかしらね。あ、そういえばステータス見てなかったわね、ステータスオープンっと。

 ……ん?出てこないわね?ステータスオープン。おやおや?もしかしてバグ?


【バグじゃないぞ。もう既にアリーが世界の理が及ばない存在になったから出ないだけだ】


「あ、ニャル!あんた何やってたのよ」


【何やってたもなにも、アリーに食われそうになっていたのだ。我まで食おうとするとは食い意地の張ったやつめ少しは自重しろ】


「いやいや、私ニャルのこと食べようとなんてしてないわよ?」


【無意識で我のことを食おうとしていたのか!?まったくなんてやつだ】


「それはごめんなさいね。ちゃんと制御してみせるからもう少し待ってもらえるかしら?制御出来るまで食べようとするかもしれないけれど…」


【ふん、構わんがさっさとしろよ。今は落ち着いてるが、いつ襲ってくるかこの我でも警戒しているのだからな】


「わかったわ。できるだけ早く制御出来るようにしてみるわ」


 はぁ、まさかニャルまで食べようとしてたなんて私ってそんな腹ぺこキャラだったかしら?でもこの身体になってから空腹感が凄いのよね。まぁその分色々な事が出来るようになったんだけどね。


 でもそっかぁ、私って世界の理が及ばないぐらい凄くなっちゃったのねぇ、しみじみ。あ、そうだ!せっかくだから次に見つけたプレイヤーか現地人に私の事広めて貰おうかしら!そうすれば押し寄せてくるプレイヤーと現地人を大量に食べれるチャンス!ふふ、完璧ね!それにちゃんと名前は考えてあるから、あとはニャルみたいに2つ名が必要よね!


 そうねぇ、ニャルみたいに姿を自由に変えれるから同じような感じにしたいのよねぇ。そうすると無貌?でも被るのはちょっとあれだから、そうね…。変貌にしましょう!それとお腹がよく減るようになったから暴食とか?そうすると変貌する暴食?なんかちょっと変ね?変貌せし暴食の化身?でも私が食べるのって魂なのよねぇ。うーん、魂も入れたいから…。

 いいのが思いついたわ!ふふ、さーてどこかにプレイヤーか現地人は居ないかしらね〜。

 お、あんな所におっきな街発見!さぁ私の名前を広めてもらうわよ!


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「こんにちは〜」


「ん?やぁこんにちは。メイドさん1人とはご主人様はどうしたんだい?」


「え?ご主人様とかいませんけど?て、そんなことどうでもいいんですよ。あの、この街のお偉いさんに伝えて欲しいことがあるんですよ」


「領主様にかい?うーん、誰とも知らない人の伝言は領主様には伝えられないなぁ。ごめんよお嬢ちゃん」


「そうですか…。じゃあこうすれば伝えてくれますか?」


「ん?」


「はい、同僚と住人が死にましたね。これで伝える理由が出来ましたね。それでは今から言う言葉を伝えてくださいね。ごほん、3日後大勢の人を食べに来るので準備をしておいてください。戦ってもいいですけど無駄な抵抗はオススメしないので悪しからず。今言ったことを伝えてきてくださいね。あ、手紙もお渡ししておきますね。それでは3日後にお会いしましょうね」


 よし、伝えることはちゃんと伝えたわね。今日はこの辺にしてかーえろっと。

 はぁ、3日後が楽しみだわ。あ、名前伝え忘れた。まぁ、手紙に書いてあるしいっか。3日間なにして時間潰そうかしらね?

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