第11話悪を滅ぼす炎
よーし、おやつも食べたし再開する前にニャルの試したいことやっちゃっいますか!
「で、ニャルの試してみたいことって何?」
【うむ、アリーは空間を広げ別のところに行けるであろう?そこであの機械を使わずあちらの世界に行ったらどうなるのか気になってな】
「そうね、確かに使わないで行ったらどうなるのかしらね?ちょっとやってみるわね」
えーっと、まずは向こうの世界でログアウトした場所を思い出して、そこに扉を開くイメージをして……、出来た!けどなにこれ?トンネル?
【なるほどな、別の世界に行く時は扉ではなくトンネルになるわけか。よし、アリー行くぞ!】
「えぇ、ほんとにこれ通っていくの?なんか足元うねってるんだけど…」
【もちろんだとも。どうせ何も起きやせん】
「わかったわよ、行けばいいんでしょ行けば」
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意外とトンネルの中って凄いのね。先も見えない真っ暗なのに進む方向が分かるし、私が歩く時はうねるのやめたりするし、あと青色の可愛い犬がいっぱいこっち見てたり、たまに撫でられに来る子もいてここは最高かしら?
【あやつ、約束通りちゃんと躾たようだな。たまに殺しに来てるやつがいるが、まぁアリーが何故か幸せな顔をしてるからいいが…】
「ん?何か言った?あ、行っちゃった…。もう少し撫でたかったのに…」
はぁ…それにしても長いなぁこのトンネル。まだ着か…あ、なんか明るくなってきたわね。
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「んー、風が気持ちいいわね。ヘッドギアしてる時は感じなかったけどこれならしない方がいいかもね」
【ふむ、ではステータスを開けるか?】
「え?ステータスオープン。開けたけど?」
【なるほどな、この世界の理を変えたか。そのうち他の世界でもやりかねんな】
「やったらどうなるのよ?」
【順応出来なかった世界は滅びる。滅びなかったとしても文明は退化し魔物が蔓延る世界になるだろうな】
「そんな、そんなことって…」
【奴らは平気でやるぞ。その結果がこの世界だ。奴らは神と名乗ってはいるが元はこの世界の管理者にすぎん。そして奴らの上、全ての世界を管理するのが我々なのだが、自分たちの上に我々がいるのが気に食わないらしい、それで叛逆だ】
「それはタチが悪すぎるわよ。そんな理由で叛逆って…」
【まぁ、そんな訳でだ。奴らの勝手を許していたらそのうちアリーの世界もこうなるだろうな。いや、奴らがアリーの世界にいるのなら確実に被害に遭うだろうな】
「それを止めるには…」
【さっさと奴らを始末することだな】
「結局そこに行き着くのね。あれ?でもニャル達も世界滅ぼしてるわよね?」
【うむ、滅ぼしてはいるが不要になった世界だけだ。そもそもそんな世界は何もせんでも自ら滅ぶ。それを我々が少し面白おかしくし楽しんで滅ぼしているだけだぞ】
「いや、その世界の人達からしたらタチが悪いわよ。どっちもどっちじゃない」
【そんなことはないだろう、その世界が滅んだところで生まれ変わったら何も覚えてないのだ。いいことではないか!むしろ奴らの方がもっとタチが悪いぞ!この世界の理を変えた時にに適応出来なかった者を魔物に変えているんだからな】
「あぁ、それは…うん、向こうが勝手にシステムを変えたのに人間を強制的にやめさせられるって思えば向こうの方が悪く聞こえるわね」
【だろう?なれば我々は悪くない!】
「いや、言い切るのはちょっと…ん?なんか気配察知にプレイヤーがいっぱい引っかかったんだけど?」
【おぉ!ちょうどいいではないか!経験値が向こうからたくさん来てくれたぞ!帰る前に狩っていくぞ!】
「そうね、少しでも経験値に変えましょう!」
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「あぁもう鬱陶しい!なんで今日はこんなにいるのよ!」
【今日が休日だからだろうな。仕事が休みの奴らが結構いるのだろうな】
「そうです、かっ!たく、こちとら昨日は夏休みの学生も相手してるのよ。少しは気を遣いなさいよねっ!」
【夏休みで思い出したが、もうそろそろその夏休みが終わりそうだが宿題は終わっているのか?】
「なんで夏休みの宿題を邪神に心配されないといけないのよ。そんなもの貰った日に全部終わらせたわよ。てか、さり気にセクハラしてこようとする奴らはなんなのよ!もう来んじゃないわよ!」
「そこまでだ!君たち!か弱い女性を大勢で囲んで戦うとは卑怯だと思わないのか!」
ん?何かしらあの少女とオネェさんは?よく分からないけどか弱い女性って私?いや、むしろボコってんのこっちなんだけど?
「そんな卑怯なことをする君たちには、ボクがこの炎で滅ぼしてあげよう!行くぞクトゥグア!変身!」
「ふふ、あなた達アタシの炎は暑いわよぉ〜?」
うん、なんか始まったけどとりあえず変身シーンを観てる人達はさよならしちゃいましょうねっと。あ、そこ写真撮影は禁止よ。
「悪しき者を滅する炎!我が名はオーガスト!さぁ、ショータイムだ!」
おぉ!上手く決まると変身シーンってカッコイイわね。それに可愛いわねあの子。
赤い髪をツインテールにして、目には赤色系統のアイシャドウとかアイライナーとかを使って強気に、唇はそんなに目立たないけどピンクのリップを塗ってるわね。
そして、衣装!某女児アニメの初代ブラックを彷彿とさせるような真っ赤な衣装!幼さの中にかっこよさがあるとか最高ですありがとうございます!
「ねぇ、クトゥグア。この衣装やっぱり恥ずかしいからやめようよ…」
「何言ってるのぉ、可愛い姿は見せなきゃもったいないじゃなぁい」
「でもぉ…こんな格好恥ずかしいよぉ…うぅ…」
何この茶番?とりあえず茶番やってる間に全部潰しちゃったんだけどどうしようかしら?とりあえずパシャリ。
「あれ?そういえばいっぱいいた人たちは?」
「あら?そういえばいなくなっちゃったわねぇ?」
「あなた達が茶番をやってる間に片付けたわよ」
「ええ!?おひとりでやっつけちゃったんですか!?ボクの来た意味って…」
「まぁまぁいいじゃないそんなこと。とりあえず初めましてよね。私の名前はアリセリア、ニャルラトホテプの融合者って言えばわかるかしら?」
「え?あ、はい、わかります。えと、初めましてボクはオーガストです。クトゥグアの融合者です…」
「ええ、さっき名乗ってくれてたからわかるわ。それから、何もしないからそんなに睨まないでくれるかしら?クトゥグアさん?」
「あらぁ、ごめんなさいねぇ。アタシの可愛いお姫様を狙うやつが多くてつい警戒しちゃったわぁ」
「ふふ、そうなのね。でも大丈夫よ。私は何もしないから」
「あなたはしなくてもニャルラトホテプがなにかするかもじゃなぁい。アタシ的には歓迎だけどぉ、うちのお姫様に何かしたら容赦しないわよ?」
「わかったわ、ニャルにも何もさせないわよ」
「えぇ、お願いねん?それじゃあアタシたちはもう行くわぁん」
「あ、その前にこれ渡しておく」
「えと、これは?」
「イ=スに貰ったスマホみたいな物よ。お互い何かあった時に連絡が取れないのは困るでしょ?」
「あ、ありがとうございます!」
「感謝しとくわねぇ。それじゃあ、行きましょおぅ」
「えと、それではまた!」
「えぇ、また会いましょうね」
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「はぁ、緊張した。何あの殺気怖すぎよ」
【ふ、あの程度お遊びにすぎんぞ。まぁ、普通の人間なら精神が崩壊して死ぬがな】
「うへぇ、今だけは普通の人間じゃなくて良かったと思うわね」
【まぁ、もう人間じゃないからな】
「そうだけど。まだ私人間よ?」
【いや、もう人間の因子が全て無くなったぞ?】
「え?いやいやそんなわけ…」
【我がそんなつまらない嘘つくわけがないだろう。クトゥグアと会ったのがきっかけで残っていたものが無くなったのだ】
「そんな、じゃあ一体何なのよ。化け物か何か?」
【まぁ、首を飛ばされても死なないのはどう考えても化け物だろうな。それに気づいてないだろうが考え方も変わってきているぞ。死への恐怖が無くなり人間を殺しても特に罪悪感も湧かんだろう?】
「まぁたしかに死ぬのが怖くなくなったけど、人間を殺したって向こうはあっちの加護で死なないんでしょ?じゃあ殺しても大丈夫じゃない」
【いや、アリーはギアを使わず空間を広げてこっちに来たのだぞ?ギアを付けての殺し合いならともかく今の状態なら加護を貫通して死ぬぞ?】
「じゃあ私ガチで殺しちゃったってこと?」
【そうなるな、まぁ気にするなどうせいつかは生命をその手で摘むのだ。それが少し早まっただけだ】
「そうよね、うじうじ考えてても仕方ないわよね。私人間じゃなくなったし、それに人間なんていっぱいいるんだから少しぐらいいいわよね!」
【うむ、そういうことだ。そしてようこそ、我々の世界へ。歓迎しよう、新たな邪神よ】
「もうやめてよそんなの。でも既存の邪神に私みたいに相手の能力使えるのっていなかったわよね?」
【あぁ、だから新しく名付けが必要だな。はてさてどう言ったものがいいだろうか…】
「それじゃあ相手の能力が使えるってことでーーーってのはどお?」
【ほお、なかなかいいではないか。では今日もう帰還して明日から本格的に始めるとしよう】
「ええ、そうね。さーて、今日のご飯は何かしらね〜」
ふふ、明日が楽しみだわ。あ、でもギアはしようかしらね。まだゲームはしてたいし。ちょっとずつタベレバいいわよね!
あぁ、早く明日にならないかしら。
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