第6話いつから街は中世風だと錯覚していた
…いや、街にすんなり入れたのはいいのよ。門番のおじさんもいい人だったしなんなら飴も貰ったしね。だけどさ、これは違うじゃん。なんで高層ビルが建ってたり車とか電車が空飛んでたりするのよ!壁の外から見た時は高層ビルとか見えなかったじゃない!おかしいでしょ!剣と魔法の世界って聞いたらこう中世風なイメージの街並みじゃない!もう私の世界の科学超えちゃってるじゃない!
【ほう、あやつらは封印されなかったのか。ふふ、あやつらめなかなかに面白いことをしているではないか】
【あやつらって?ニャルの知り合い?】
【ああ、イ=スどものことだ。あやつらとは知り合いと言えば知り合いだが分野が違ったからなあまり話したことはない】
【イ=スって言ったら、私が知ってるのは実体を持たない精神生命体で科学技術が超すごくて時間移動ができるイ=スの偉大なる種族であってる?】
【偉大かどうかは知らんが、だいたいそれであっている。だが不思議なのが何故あやつらは封印されていないのかだ】
【それは本人達に聞いてみたら?精神生命体なら多分生きてると思うしなにか聞けるんじゃない?】
【ふむ、ならばそうするか。アリーよ、とりあえずあの中心の高い建物に行くぞ】
【わかったけど、なんであのビルなの?】
【なに、簡単な事だ。あそこからあやつらの気配がするからだ】
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うーん、やっぱりこの街すごいなぁ。なんか電気とかカラフルだし、支えも何も無いのに道路は浮いてるし、よく見たら一部が機械の身体の人とか、杖じゃなくて銃みたいなの持ってる人もいるし、他の街のことまだ知らないけどここが最初の街ってことは他の街もイ=スの超技術で凄いことになってるかもしれないわね。もうこれモンスターとか出ても瞬殺じゃない。
…ん?神殿?なんか凄い場違い感があるし嫌な感じもするけどアレがリスポーン地点なのかな?
【ねぇニャル、あの神殿から凄い嫌な感じがするんだけど…】
【ふむ、アレは奴らが建てたものだろうな。それならば我と融合しているアリーが警戒するのも無理はないだろう。とりあえずイ=ス共があの建物に居ようがいまいが後で破壊するぞ】
【え!?壊しちゃうの?てかアレ壊せるの?】
【ああ、壊すとも。奴らの力の源は信仰心だからな。奴らは神聖な場を作りそこから信仰心を回収している。そしてアレを破壊すれば奴らの力が少し弱まる。ならば破壊しないテはないだろう?】
【そうだけど…、他のプレイヤーに怒られないかな?】
【なに、心配はいらん。もし突っかかってくる奴がいれば全て殺してしまえばいいのだ。それに殺らなければ殺られるぞ?】
【…はぁ、わかったわよ。1回でも殺られたらこっちが死ぬんだから殺るわよ】
はぁ、普通にゲームしたかったんだけどなぁ。
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おぉ、遠くで見た時より大っきいなぁ。これ何階建てぐらいなんだろう?100は超えてるかな?
【何をしてる?早く入るぞ】
【そうね、入りましょうか】
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中に入ったはいいものの人が全くと言っていいほど居ないわね。いるとしても受付のお姉さんぐらいで、さっき外から見てた時は結構いたのにどこに行ったのかしら?
【ねぇニャル、さっきまで人がいたと思うんだけど私の勘違いかしら?】
【ふむ、勘違いと言えば勘違いだな。さっきアリーが見ていた人影は偽物だ。元からこの場に人間など居ないぞ】
【え?そうなの?じゃあ、私達以外にこの建物に入ろうとしないのは?】
【それは人避けの結界が張られているからだな。アリーは我と融合しているから人間という判定ではないのだろうな。因みに言うが、多分アリーの元の身体も人間ではないと思うぞ】
【はぁ?また大きな爆弾を簡単に放り投げてこないでくれる?私が人間じゃないってどういうことよ?】
【ふ、我と融合出来る者がそんじょそこらの人間では直ぐに精神が狂い死ぬぞ?なれば必然的にアリーは人間ではないということになる。どうだ何か思い当たる節はないか?人より回復が早い、誰かの真似が異様に上手い、身体能力が高いとかな】
【たしかに、トラックに跳ねられて骨折しても2週間位で走れるようになったり、身体測定とかでもなんか世界記録更新したり、芸能人の見た目とか声を真似したらなんかモノマネ系の番組に呼ばれたり他にもあるけどそんなの探せば他にもいるでしょ?】
【まぁ、探せば1つ位は出来るやつはいるだろうな。だが複数出来るやつが他にもいるか?…いないであろう?そこがアリーが人間ではないという所だ】
【そうかな?私的には普通だと思うけど?】
【そのうち分かるようになるだろう。ほれ、探していたやつが来たぞ】
…ッスー、うん。探してたっちゃ探してたけどさ、違うじゃん!人の身体を借りてるイ=スが見つかると思うじゃん!なんで触手がいっぱい生えてる円錐体の方なのよ!SANチェックまったなしじゃないですかいやー!
「これはこれは、お嬢さん。ここに入れるのは人以外だけなのだが、はてさてあなたはどこのどなたかな?」
「あ、えっと、アリセリアよ」
「ふ、ニャルラトホテプだ。久しいなイ=スよ、他の奴らはまだ残っておるか?」
「な!?ニャルラトホテプですと!?いつ封印から解放されたのです!」
「え?ニャル?ちょっあんたどうやって出てきたのよ!」
「なぁに、我にかかれば封印から解放されれば外に出るなど容易な事だ。と、言いたいが我の力を持ってるのは今はアリーだからな、今の我にできることなどたかが知れておるわ。あぁ、いつ封印から解放されたかだな。まぁつい先程だな」
はぁ、ニャルなんて何しでかすか分からないから警戒してたけど、警戒するだけ無駄だったわね。
そうよね、あのニャルなのよね私が融合しちゃった相手って。
人間に希望とか救いを与えて幸福に満ちてるところを幸福を奪い取って本人の目の前で狂気と絶望の底に豪速球で叩きつけて踏んづけてミキサーにかけて犬の餌にしてその犬を惨たらしく殺して相手の反応を見て楽しむって変態だものね。
それよりも、ニャルがなんかすごい美人で出てきたのに納得いかない!なによ身長が高くて艶やかな黒髪が腰まで綺麗に伸びてモデルみたいな体型で足なんかもスラッとしちゃってちょっとシンプルだけどよく見れば綺麗な黒いドレスも似合ってたりして目なんかちょっと切れ長で怖いけど綺麗な紅色の瞳でまつ毛も長くて微笑みながらこっちを見ちゃってさ!まったく!なんなのよもう!
「ん?どうしたアリーよ、そんなに顔を赤くして熱でもあるのか?」
「だ、大丈夫よ。なんでもないから気にしないで。てか、その姿はどうしたのよ?」
「これか?これはアリーの姿をちと弄ってみたのだが元が良いからな弄りがいがあまりなかったぞ。まぁ、強いて言えば目線が低かったのでな少しばかり背を伸ばさせてもらったぞ」
「私の姿を弄った?…いやいやいや!全然別人じゃない!私そこまで綺麗な髪してないしちんちくりんだし目もタレ目だし綺麗じゃないし!元が良いとか言うけど全然よくないからね!」
「だから少し弄ったと言ってるではないか。はぁ、そんなことよりだ。イ=スよ、あの戦いの後どうなったのだ?それと我の他に封印された者はいるのか?」
「あの戦いの後ですか…。初めに言っておくとニャルラトホテプが封印された後すぐにオーディンとその他が命をかけアザトースを封印しあの戦いは引き分けに終わりました。そして、クトゥルフ、クトゥグア、ハスター、シュブ=ニグラス、ヨグ=ソトースなどが封印されています。その他は私のように隠れ潜んでいるか殺られているでしょうね」
「そうか、アザトースが封印されたか。それもオーディンとその他が命を使ってとはなかなか厄介ではないか。あぁ、本当に厄介だ…厄、介…ふ、ふふ、ふははははははは!実に無様ではないかアザトースよ!実際に宇宙を創った神がクーデターを起こされその座を奪われ今では邪神扱いとはなんとも愉快ではないか!まぁ邪神扱いは我もだがな!はっはははははは!」
「はぁ、何笑ってんだか…。それでこの後のご予定は?」
「もちろん、封印を解いて奴らの企てを邪魔するのだ。その時奴らがどんな反応をするか楽しみではないか?」
「楽しみかどうかはどうでもいいけど、邪魔するのには賛成。それじゃあ封印されてる場所を探しましょ」
「あの〜、そろそろよろしいでしょうか?」
「え?ああ、すいません2人で話し合ってしまって」
「いえいえ、それは大丈夫です。とりあえずお2人の目的は他の方々の封印を解くということですよね?でしたら、封印されてる場所をこちらで把握しているのでお手伝い致しましょう」
「えっと、手伝ってくれるのは嬉しいんですけど、なんで手伝ってくれるんですか?」
「それはもちろん、一惑星を支配していた程度の何も分かっていない奴らが神を名乗るのが癪に障るのですよ。なのでさっさと殺ってもらえれば助かるのでお手伝いするのですよ」
「な、なるほど。とりあえず利害の一致で手伝うってことですね。分かりました、封印されている場所を教えてもらってもいですか?」
「ええ、わかりました。それでは準備をするので少々お待ちください」
…あぁ、進み方が何かに似てると思ったらナメクジに似てるのね。て、何考えてるんだろ。はぁ、だいぶ疲れてるわね。
「ねぇ、ニャル。私疲れたから一旦戻って寝てくるわね」
「ふむ、了解した。我も盛大に笑ったのは久しぶりだからな戻るとしよう」
はぁ、なんか色々凄いことが起きすぎてほんとに疲れたわ…。とりあえず向こうに戻って色々整理して寝ましょう。うん、そうしましょう!
さて、ログアウトっと。
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