第3話雰囲気がヤバいやつってちょっとね
さぁ行きましょうとは言ったものの暗いわね。
夜目を手に入れたから少しは見やすくなってるんだろうけど先の方がぼんやりとしか見えないわね。
ここは聞き耳も使って慎重に行くとしましょうか。
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《夜目のレベルが上がりました》
《聞き耳のレベルが上がりました》
だいぶ深いわね。おかげで夜目と聞き耳のレベルが上がったからいいけどこれで何の成果も得られませんでした、じゃお話にならないわよ。
あら、やっと下についたのね。
ボッ!
ん!いきなり灯りがつくじゃない、びっくりしたわね。
でもここは上とは違って中央に何か置かれてるわね。
良かったわこれでほんとに何もありませんでしたとかだったら、さっき中断したお気持ちメールを送らないといけなくなってたところね。
【ようやく来たか、我が半身よ。随分と我を待たせるではないか】
え?今何か聞こえたような気がするんだけど気のせいかしら?
【何をしているのだ?はよう我のところまで来て身体を献上せよ】
気のせいじゃなかった!?うわどうしようめんどくさいから無視することにしましょう。。
さーて、中央のいかにもやばそうな物から声みたいなのが頭の中に響いたけど放置して何かないか探しましょう!
【ん?何をしている?……なぜ我を無視する?我の声が聞こえているのであろう、我が半身よ。おい!我を無視するでない!】
「うるっさいわね!せっかくこっちが無視してるんだから話しかけるんじゃないわよ!あと私はあなたの半身じゃないから!私が周りを見終わるまでちょっと黙ってて!」
【……(我はなぜ怒鳴られたのだ?え?ちと理不尽過ぎんか?)】
よし、黙ったわね。全く無視してるのがわからないのかしら?なんか半身がどうとか言われたけど私は私!そしてこの体も仮想とはいえ私のよ。どこの誰だか知らないけど渡すわけがないでしょう。
……ふぅ、気を取り直して探索していきましょう。
さて、ぱっと見て分かることが中央にやばそうな物。そして私から見て右側に机があって上に本らしき物が置いてある。左側には扉が1枚だけ。奥には見える感じ玉座と壁画かな?があると。
まずは、安直だけど扉からね。
扉に耳を当てて聞き耳を使ってっと。……うん、何も物音はしないわね。ということで入るとしましょう。
お邪魔しまーす!あら、何も無い…ことはないわね。うん。でも机と机の上に置いてある指輪だけって手抜きすぎないかしら?
とりあえず指輪を鑑定しましょう。もし呪いとかついてたら怖いものね。
無垢の指輪
rank幻想
混じりけのない指輪。それゆえに何にでもなれる指輪。
つけた者に応じて変質する。
何に変質するかはつけてからではないと分からない。また、つけた場合他者への譲渡は不可になる。
……うん、見なかったことにしていいかしら?ダメ?そう、ダメなら仕方ないわね。とりあえず今開始何時間かしら?
……ゲーム内時間3時間で手に入れていいものじゃないわよね。とりあえず装備はするけどね。
《ワールドアナウンス》
匿名が幻想級装備を手に入れました。
これによりヘルプに幻想級装備の情報を掲示します。
《個人アナウンス》
幻想級装備を手に入れました。
これによりヘルプに幻想級装備の情報を掲示します。
獲得報酬
SP20
スキル
道具鑑定、目利き
称号
幻想級装備を手にした者
あら?今回は少ないわね。まぁ、スキルと称号と指輪は後で見るとして、もうここには見るものがなさそうだし次はさっきの広間の机の上に置いてあった本でも見ましょうか。
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さて、机の前まで来たんのはいいんだけど……。
なんかすごい禍々しいわね。なんで私は無事なのか分からないけど、普通の人が見たら1発で発狂しそうなんだけどこの本。
とりあえず触る前に鑑定しときましょう。
(鑑定結果)
アルソフォカスの書
rank幻想
遥か太古にアルソフォカスという人間が書いた古い書物。
中にはなんとも悍ましい書体で書かれており、常人が読もうものなら確実に精神が狂い絶命するであろう。
読まないまでもこの書物を視認しただけで常人ならば狂気に陥るであろう。
死にたくないのであればこの書物を視認せず読まないことをお勧めする。
(道具鑑定結果)
適合者以外のものがこの書物を視認すると状態異常:狂気が付与される。また、読むと状態異常:発狂が付与される。
状態異常:狂気を付与されたプレイヤーは気絶するまで操作が不可になる。
状態異常:発狂を付与されたプレイヤーは死ぬまで操作が不可になる。
状態異常:発狂は解除されない。
うわぁ、なにこれ。道具鑑定の結果的に私適合者っぽいけどもし適合者じゃなかったら死んでたかもしれないってこと?タチ悪っ!それに見ただけでもダメってここに来たのが私じゃなかったら詰んでない?あっ、だから導かれし者なんだ。
導かれてなかったらこんな遺跡来れてないもんね。周りすっごい森だし奥地って感じだったし。
それに、まだこれは手に取らないかな〜。多分手に取るぐらいなら大丈夫だろうけど中見たら発狂の状態異常になるだろうしね。
とりあえずこの本も放置で。さて、そろそろ中央のヤバいやつでも見ましょうか。
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【ふん、やっと来たか。我を待たせるとはなんとも傲慢な半身だな】
うわー、すっごい上から目線でムカつく。1発ぐらい殴っても許されるわよね。
【おい、何をしている!その振り上げた物で我をどうするつもりだ!】
「え?なんか上から目線でムカつくから1発殴るんですけど?」
【な!?や、やめろ!殴る!我は抵抗出来ないんだぞ!】
「だから殴るんだけど?そんなことも分からないの?」
【こ、この外道!人でなし!悪魔!】
「なんとでもどうぞ。それじゃ失礼していっきまーす!」
【ぎゃあぁぁぁ!や、やめr…グフッ!】
ふぅ、スッキリした。これでコイツの話をちゃんと聞こうと思える気がする。
【もうお嫁に行けない……】
「何か言った?」
【なんでもないです!はい!】
「次ふざけたこと言ったらもう1発殴るわよ」
【かしこまりました!】
さて、茶番はこれぐらいにして鑑定しましょう。
(鑑定結果)
???の魂入りオーブ
rank???
???の魂が封印されている黒いオーブ。
見ただけで常人は精神を破壊され身体を乗っ取られるが、すぐさま身体が崩壊する。
その危険性の高さゆえ、神々が封印を施した。
(道具鑑定)
適合者が更なる高みへ歩むためのオーブ。
適合者以外も使用できるが使用した場合は名状しがたい何かになりゲーム続行不可能になる恐れがある(姿はランダムとなりどうなるかは使用してみないと分からない)
うん、やっぱりヤバいやつだったわ〜。ランクも見えないわ身体乗っ取るわ、それに神々が封印したとかヤバすぎないですかねコレ?使いたくないんですけど。
【どうしたん…ですか?我が半身よ】
「いや、あなたの鑑定結果が異常過ぎてずっと放置しようか悩んでるのよ」
【いや放置するのはやめるのだ我が半身よ!?我は乗っ取ったりしないから安心するのだ!】
「ほんとに乗っ取らない人はそんなこと言いません。私を油断させて乗っ取るつもりなんでしょう?」
【本当に乗っ取らないから安心してくれ!それに我が半身は乗っ取れないように神々が細工をしているからな。嘘だと思うなら神々に聞いてみよ。我が半身なら聞けるはずだ】
「はぁ、そんな簡単に神様と話せるわけないじゃないで[ソレが言う通り乗っ取られる心配はないですよ]す…ってびっくりした!」
ほんとびっくりしたぁ。え?何?てか誰?
[ふふ、3時間ぶりですね。アリセリアさん]
「3時間ぶりですねって……。もしかしてβさん?」
[はい、βです。アリセリアさんを最初の街に転送しようとしたらそこにあるソレに邪魔されたので少し監視させていただきました。それとソレが言っている神々は私含めた管理AIと運営の人達の事です]
おおう、まさか監視されていたとは…。あと、神々って運営サイドの事だったのね。
てことは運営サイドに封印されるってコレ相当ヤバいんじゃない?あと、βさんのコレへの扱いもヤバいし。
[先程も言いましたが乗っ取られる心配はないですよ。ただ、ソレを使った場合ソレの意識はアリセリアさんの中に残るのでうるさいと思いますが]
うわー、コレの意識残る感じなのね。あと、軽く流してたけど脳波を読み取るのやめてください。この状況誰かに見られたら大分やばい人なので。いや、喋っても独り言言ってる人みたいだからどっちみちやばい人かな?
[失礼しました。誰もいないからいいと思ってましたが人は脳波を読み取られるのを嫌うのでしたね]
「ええ、慣れてないので出来ればやめてほしいかなって感じです」
[かしこまりました。それでは安全性についてはご説明出来たので私はここで失礼させていただきます。最後に、あなたが何になろうと、自分をしっかり持っていればこれから先何があろうと絶望することはないので頑張ってください。それでは]
「いや、なんかすごいフラグ建てて消えないでくださいよ!」
《個人アナウンス》
称号:βの加護を付与されました
「称号を与えればいいとかそういうことじゃないんですけど!?」
【我が半身よ。そろそろ我を使って欲しいのだがよいか?】
あー、コレがあるのを忘れてた。とりあえず称号見るの後回しにしましょう!後に回すのが多すぎてめんどくさくなってきたけど…。
はぁ、コレ使ったら今日はもう寝ることにしましょう。
「とりあえず使いますけど、使った瞬間になにか起きたりします?」
【使った瞬間に意識を失うぞ】
「は?やっぱり使うのやめていいですか?」
【いや、使ってくれ頼む!ほれ、そこに玉座があるだろ!そこに座っておけば意識を失っても倒れたりしないから安全だぞ!】
「意識を失うことは確定なのね。とりあえず玉座に座ればいいのよね。で、あなたをどうすればいいの?」
【うむ。我を手に持って使うと念じれば使うことが出来るぞ】
「わかったわ。私が意識失ったからって変なことするんじゃないわよ」
【何も出来ないから安心せい。それにさっき来ていた神が細工を強固にしたから大丈夫だ】
「そ、それなら安心して使えるわね。……それじゃあ使うわよ」
【うむ、了解した】
やっぱり石で出来てる玉座だけあって硬いわね。どうせすぐ意識を失うから関係ないけど。
……ふぅ、それじゃあオーブを使用するわ。
《プレイヤー:アリセリアが???のオーブを使用しました。これより処理を開始します》
ああ、意識を失うって、そんな、に、怖いも、のじゃ、ないわ、ね。
《プレイヤー:アリセリアの種族を確認中。……種族:無貌なる者。正規の種族です》
《プレイヤー:アリセリアの装備を確認中。……無垢なる指輪を確認。無垢なる指輪から無貌の指輪に変化させます》
《プレイヤー:アリセリアの所在地を確認中。……ハザード遺跡を確認。進化の道を確定》
《プレイヤー:アリセリアの周りにアイテムがないかを確認中。……アルソフォカスの書を発見。取り込み、進化の道を修正します》
《プレイヤー:アリセリアの適合率を確認中。……オールクリア。》
《これよりプレイヤー:アリセリアの進化を開始します。……0.01%》
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