第29話 俺、1人です。王城に着きました。①

王城に着いた俺は、すぐに応接室に連れて行かれた。


はぁ、嫌だなぁ。

この緊張感。

まぁ、アーラル王女のとこには近づかないつもりだから、そっちは良いんだけど‥‥。


「綺麗なものばっかり‥‥。」


応接室の中には、最高級の調度品で溢れかえっていた。


「もっと、別のことに金を使えよ‥‥。」


俺はかなり裕福な暮らしをしているが、

それは、使用人家だからだ。


だが、この国では、普通の平民でも簡単に

飢え死になどで死んでしまう。


だから、この調度品の金を新たな制度などに使えばいいのに‥‥。


そうこうしていると、第3王子、ユラウス王子がやって来た。


「第3王子、ユラウス王子が参った。扉を開けよ。」


という、言葉とともに扉が開く。


「やぁ、君がサウス君だね〜。

おっと、その前に、ユーラセル・サウスに発言の許可をします。

まずは、お互い自己紹介といこうか。

僕は、グラード・キグン・フロード・ユラウスだ。よろしくね〜。」


「お初にお目にかかります、ユラウス王子。

私はユーラセル・サウスでございます。

現在、グランセル家に仕える者であります。」


あ〜、面倒臭い。

この畏まった挨拶考えたやつ誰だよ!


それが伝わったの伝わらなかったのか

ユラウス王子は


「じゃあ、この場にいる使用人には退出してもらおうかな〜。」


「「「!?」」」

俺を含めた全員が驚く。


おかしな話だ。いくら第3王子で王になりずらいとはいえ、王子だ。

普通はありえない。普通は。

だが、使用人は驚きながらも、退出した。


この国では、王族には、逆らえない。


1番偉いのは王だが、この場にいない。

後から、何かを言っても、その場にいない、あなたの能力不足と切り捨てられる。


「さて、使用人も居なくなったことだし、

腹を割って話そうか。」


一気に雰囲気が変わった。

さすが、王族だ。


「単刀直入に言うと、君には僕の王になるための後ろ盾になってもらいたい。」


何を突然?

まぁ、答えは変わらんが。


「ははは、随分と脆そうな盾ですが?」


「そんなことはないさ。

君を手に入れれば、一気に王の競争が有利になる。

例えば、令嬢が支持しだす。武力として、有用。頭脳も優秀。さらに言えば、教師は、ダリアン。僕達の祖父だね。」


「それは、そうですが。

‥‥爆弾でもあります。」


俺は平民だ。しかも男の。

貴族主義の考えも女尊男卑の考えもある、この国では、平民の男の脅威なんて、ないに等しい。


「あははは、分かってないた。僕が君を手に入なくても、僕が王になるには、『絶望的』だ。」


それは、そうだな‥‥。

生まれが少し早いだけで、その差は圧倒的だ。

現在で言えば、

あんな性格の第2王子ナルシスの方が

ユラウス王子よりも

圧倒的なアドバンテージがある。


「‥‥分かりました、どうぞ、ご自由に私をお使いください。」


俺には、王を強く求めるこの人が輝いて見えた。






書いてて、楽しくなったので、

明日はこの続きを投稿します。

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