第26話 俺、8歳です。婚約の申込みが大量です。
第3王子の誕生日会から数ヶ月が経ち、平穏な日々に戻った。‥‥はずだった。
誕生日会を境に大量の婚約の申込みが来た。
「はぁ、なんでこうなった?」
きっと、俺の武力を見た親のせいかな?
‥‥‥あの、令嬢達の視線はなかったこととする。
そして、大量の婚約の申込みが来たのは、
ユアン様も例外ではなかった。
俺以上に婚約の申込みが来ていた。
「ねぇ、サウス、私に婚約?の話がたくさん来てるんだって。」
「そうですか、よかったですね。
まぁ、ユアン様はかわいいですから当たり前ですけど。」
「ふふふ、そう?ありがとう。
でも、お父様はちょっと面倒な事になった‥
って言っていたわ。」
「これから、お茶会などを開かなければなりませんからね。」
自分の家よりも家格が上の家からの婚約の申込みは無下には出来ないので、お茶会などをしてからではなければ拒否出来ない。
「?」
その言葉をいまいち理解出来ない、ユアン様。‥‥‥かわいい。
まぁ、ユアン様は6歳だ。
これから、頑張っていけば大丈夫だ。
そして、ユアン様は貴族だ。
グランセル伯爵家という家格以下の家ならば、拒否の手紙を送るだけで済む。
だが、俺の家は平民だ。
どの家からの婚約の申込みもお茶会を開いてからではなければ、断ることは出来ない。
‥‥‥これが本当に面倒くさい。
もちろん、好意を伝えられるのは嬉しいが、
お茶会が、あの誕生日会からほぼ毎日行われている。
ほかにも、大変なことがある。
ユアン様となかなか会えないことだって、もちろんあるが、
なんだか最近、妹の様子がおかしい。
「ねぇ、兄さん。兄さんは私のこと好き?」
「あ、あぁ、もちろん。」
俺がそう言うと妹はすぐに俺を壁際まで押し込み、
「じゃあ、今、私にキスして。」
と、一言。
「いや、さすがに‥それは‥‥。」
その一言を皮切りに妹の目の光が消えた。
「なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで。
ねぇ、なんでなの?」
それから俺は、なんとか妹を押し退けて外に出た。
「なんか、最近、ノアンがずっと、
あの状態だ‥‥‥。」
ヤンデレっていうやつか、そういや、後輩も時々、なってたな‥‥。
‥‥‥え、ちょっと待て!ノアンはもしかして後輩‥なのか?
ちょっと急展開になりました。
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