第22話 私達、見ていました。この状況を。②

僕、グランセル・フォン・グランドは第3王子ユラウスの誕生日会に来ていた。


この国は、女尊男卑が当たり前なので、大変なことは男がやるということがよくある。


少し大変だったが、面白いものが見れた。


それは、娘のユアンが専属執事のサウスにイチャイチャと膝の上に乗っていたことだ。


これは、家の皆んなにも伝えないと、ラーストはどうなってしまうんだろう。


そして、誕生日会も面白かった。

やはり、というかサウス君はモテていた。


まぁ、あの子は少し大人びて見えるし、当たり前なんだけれど。


そのことにユアンは嫉妬してしまっていた。


それを見た僕はあることに気づいた。


それは、ライバルが今までにいなかったことだ。

もちろん、サウスの妹のノアンちゃんがいたが、彼女とサウスは結婚が出来ない。

きっと、ノアンちゃんも諦めるだろう。


だが、今回は違う。

サウスに惚れた全ての令嬢が家格的にも性別的にも彼と結婚をすることも、少し強要することも簡単に出来てしまうからだ。


だが、ユアンの心配はしていない。

僕の娘、ユアンは誰もが羨む程かわいい。

僕はユアンの幸せを信じている。



私、アーラルがサウスを見たとき、衝撃が走った。こんなに素敵な人かいるのかと。


彼に好きであると伝えた。

それでも、彼は信じてくれていないようだった‥‥。


仕方なく、別の切り口で彼を惚れさせようと考え、立ち去ろうとした時だった。


馬鹿な弟が来た。


はぁ、なんでこの子はこんなにアホの子なのだろう?


まぁ、それも仕方ないことかしら、馬鹿な弟は『おじぃさま』に反発して、教育を受けようとしなかったのだから。


でも、最初はよかった。

馬鹿な弟との会話の中で、もう一度サウスに想いを伝えられた。


そして、さっきよりも疑惑の目が弱くなった。


だが、やはり馬鹿な弟だった。


従者の近衛騎士団長にサウスを攻撃させたのだ。


まるで、自分の『従者』に力を使わせるように。


それでも、近衛騎士団長はサウスに攻撃をしなければならない。

なんと、おぞましいことだろう。


そんなことよりも心配することがあった。

それはサウスであった。


彼は魔法の才能がなかったからだ。

だが、彼は近衛騎士団長に圧勝していた。


それも魔法を使って。


『おじぃさま』の教育のおかげかしら?


この光景を見て、より彼が欲しくなった。

いつか、あなたを迎えにいくわ。



グランドがノアンはサウスを諦めたと言っていましたが、あくまでもグランド視点です。


そして、今日3本新作を出しました。

是非見てください。全部完結にはします。


個人的には、親友の話の設定が好きです。


明日のこの作品の投稿は新作3本の2話目を出したいので、休みます。

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