第17話 俺、エスコートします。本番です。①

そして、第3王子ユラウスの誕生日がやってきた。


俺はユアン様達の馬車に同乗させてもらうことになっていた。


「お嬢様、では馬車に向かいましょうか。」

「うん!」


うわー、凄い嬉しそう。


正直、この日まで大変だった。

ユアン様が楽しみそうにすれば、

妹からは、じとーと睨まれていた‥‥。


まぁ、それも今日で終わりだ。


そして、約30分馬車に揺られて、お城に到着した。


‥‥馬車では、ユアン様が俺の膝に座っており、その姿をグランドが面白そう見ていた。


‥‥気まずかったが、

ユアン様はかわいかった。


「ユアン様、手をどうぞ。」

「うん!」

そう言いながら手を取って降りるユアン様、かわいい!!


そして、俺達は、お城へと入っていった。

お城の中はとんでもなく綺麗な調度品などで溢れていた。

いくらするんだろう?


それから、会場の大きなホールに入った。

「中はかなり広いからユアンはぐれないようにね。」

「分かった。」


そんなことを、グランドとユアン様が話していると前から立派な服を着た親子が来た。


「やぁ、グランド」


「おぉ、久しぶりだな、ラーザル。」


この人は確か、グロード・フォン・ラーザルという公爵家の当主だったと思う。


ちなみに、この国の貴族の位は、

男爵、子爵、伯爵、侯爵と辺境伯、公爵となっている。


「今夜はグランド1人では、ないようだな。」

「あぁ、紹介するよ。僕の娘ユアンだ。」

「グランセル・フォン・ユアンです。

以後よろしくお願いします。」


かわいいーー!

礼儀正しいユアン様も良いなぁ。


「そうか、君は、今年で何歳だい?」

「今年で満6歳になります。」


こういうパーティでは、基本満6歳からと法律で定められている。例外は王族くらいであり、

今夜の主役の第3王子ユラウスは6歳である。


「なるほど、それならうちの娘と同い年だな。ほら、挨拶しなさい。」

「グロード・フォン・アーヤです。

以後、よろしくお願いします。」


どんな子かな?と見てみると、アーヤと目があった。

その瞬間、アーヤは顔を真っ赤にさせながら、

「その方は、どなたですか?」

と震えた声で聞いてきた。


それと同時にユアン様からじろっと見られてしまった。


そして、ユアン様が答えた。

「この者は、『ワタクシ』の専属執事のサウスです。『ワタクシ』のパートナーとして、

連れてきました。」


妙に『ワタクシ』を強めて答えるユアン様だった。


そこで、アーヤは顔を真っ赤にさせながら、

「それなら、是非私と踊って頂きたいです。」

核兵器並みの爆弾を落とした。


この国は、女尊男卑の風潮が少しあるので、

女性が男性にダンスを申し込むことなどよくあることなうえ、相手は平民の執事である、

このことで、彼女が咎められることなどないだろう。


だが、俺は咎めたい!何故そんなことをするんだ!!と。


そんな俺の内心など関係ないとばかりに

睨んで、

「なるほどぉ。」

とユアン様が一言。


‥‥‥もう、帰りたい。




多分、①から④くらいになると思います。

楽しんで頂けると幸いです。

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