第16話 俺、エスコートをするようです。心配です。

俺が専属執事になって、初めての夏になるという日の休憩中に

珍しくグランドが来て


ユアン様がこの国の第3王子グラード・キグン・フロード・ユラウスの誕生日に参加するということを伝えられた。


そして、ここでユアン様の婚約者の候補を

何人か決めたいとのことだった。


「なるほど。その日はお屋敷で別の仕事をするということですね?」

俺がそう尋ねるとグランドは否定してきた。


「いや、サウスにはユアンについていってもらいたい。

そこらの貴族だと勘違いが起こるからね。」


あぁ、なるほどね。

貴族ってめんどくさいなぁ。


(でも、それって俺じゃなくても)


そんなことを考えていると、

ユアン様からの期待に満ちた視線に気づいた。

さすがに、何も言えないな。


「分かりました、では、私もついて行かせていただきます。」


「そうか!それと、その時の衣装だが、サウスは何か持っているかい?」


「はい、こういう時のために、3着ほど。」


「分かった、それなら僕が準備する必要はなさそうだね。

誕生日は2週間後だから、そのつもりでね。

あ、でもダンスを踊らないといけないんだ。

それは、どうする?」


「僕は、もうすでにダンスを踊れますし、

ユアン様ならば、2週間もあれば、習得が可能だと思われます。」


「了解、では、そうしようか。」


そうして、俺のダンスの授業が始まった。


「ユアン様、まずは俺とノアンでお手本を

見せます。」


踊り始めて、数分が経った。


いや、ノアンがマジ上手い、地獄を味わった俺と比べたら下手だけど、同年代と比べたら、神童と言われる程だろう。


「お前、そんなにダンス上手かったんだな。」


「う〜ん、そうかな〜。」

褒められて嬉しそうな妹。


そんなことを話していると、別のことにも気付いた。


妹かわいいなぁ、まつ毛とか長いし、母親の良いところ全部貰ったみたいな顔してる。


そんなことを考えているとダンスが終わった。


「それでは、パートごとの練習から始めましょうか。」


「そんなもの、いらないわ。早速おどりましょう。」

不機嫌な声を出しながら、ユアン様が俺の前まで来た。


「まだ、ダンスを教えていませんが、大丈夫ですか?」


「大丈夫よ!覚えたから!

‥‥‥‥何よ2人で見つめ合っちゃって。」

そして、またもぼそっと呟くユアン様。


そんなこんなで、俺のダンスの授業が始まった。

そして、2週間後誰もが振り返る程の上手さとなった。




今日は忙しいので1話だけかもしれません。



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