第15話 私、心配です。心配です。

私です。ノアンです。

私は今、勉強中です。センパイとは、別で。


なんでー、せっかくセンパイと

これからずっと居られると思ったのにー。


「センパイが才能があるから色々な意味で危ない。」


母さんにそう言われたら、

兄さんの処分とか、上級貴族の問題とか、

私の心配とか‥‥。

色々考えちゃうじゃないー。


それで、何日かほとんど会えない日が続いた。

そのことに、1番早く音を上げたのは、母さんだった。


それからは、2時間センパイと会えることになった。

まぁ、私と父さんもかなり限界に近かったけど。


だけど、私はセンパイがいつか倒れてしまうんじゃないか心配だ。

センパイがやっていることは、

ブラック企業のときとほとんど変わらない‥‥。


でも、それでも、センパイはやり切ってしまうと思う。

だって、‥‥『守りたい人』がいるんだもん。


そんなこんなあって、私とセンパイはユアンの専属となった。

正直毎日嫉妬の嵐だった。


だって、毎日、毎日、毎日、毎日、センパイにベタベタしちゃって、私だって、センパイに甘えたいのにーー!!

まぁ、あの子だから、まだ良いけど‥‥。


私とユアンは初の顔合わせから何度も会っている。


「兄さんのこと諦める気は、出てきたー?」

「全く出てこないわねー。」

「なんで、諦めないのよー。」

「それは、こっちのセリフよ。

あなたこそ、兄妹なんだから諦めたら。」


痛いところを突いてくる。

まぁ、そんなことで諦めないけど。


「そんなの兄さんに連れ去ってもらえば、いいでしょー。

それなら、あなたも身分差の恋なんて、諦めなさい。」


一瞬、ビクッとしたが、すぐに余裕の顔を

浮かべる。

私と一緒かー。


「そんなこと言ったら、あなたたちの、お父さんなんて、平民と王族で結婚しているじゃない。」


そんな殺伐としながらも楽しい会話をしていた。


その度に思う、この子を嫌いになれないと。

だって、良い子なんだもん。


だから私は、ユアンにセンパイを取られてしまうんじゃないかと心配になる。

‥‥それでも、諦めるという言葉には、

繋がらないけれども。


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