第14話 俺、専属です。お仕事です。②

それから、俺はユアン様に勉強を教えた。


「ユアン様、分かりますか?」

「はい、先生!」


かわいいなぁ。


「兄さん、デレデレしないで。」

そう言いながら、俺の授業を受ける妹。


俺の受けたノンストップ授業の方が、当然、

妹が受けた授業よりも進んでいたということもあり、妹も俺の授業を受けるとのことだった。


ちなみに、2人とも物凄く頭良かった。


そして、俺達は休憩に入った。


「お茶をお入れします。」

「ありがとう」

「兄さん、手伝うよ。」

「いや、お前はユアン様の話相手になってくれ。」


そして、俺はお茶の準備に行った。


「仲良いのズルい。」

「兄妹なんだから、当たり前でしょー。」


その後、昼食を3人で食べた。

グランドとジュリアは、忙しいらしい。


それから、魔法の練習の為に庭に移動した。

剣術はまだまだ、やらないつもりだ。


「まず、2人の魔法の適正について聞かせてください。」


最初に、ユアン様が答えた。

「私は、光と火です。先生!」


次に、ノアンが答えた。

「私は火と水と木です。」


「そうですか、とりあえず、どれくらい魔法が使えるかが気になるので、

僕に魔法を撃ってきてください。」


「「え!?」」


「大丈夫ですよ。強いので。」

あのじじいと比べたら、弱いかもだが‥‥。


「それじゃあ、打ちますね?」


おずおずとした態度で聞いてきたユアン様。


「えぇ、いつでも撃ってきてください。」

ユアン様の魔法

「それでは、ファイヤーブラスト!!」

ノアンの魔法

「ウォーターブラスト!」

おぉ、いきなり2人とも中級魔法か、普通の子だったら、初級魔法も撃たないからな、

かなり凄いと思う。

でも、まぁ、これくらい余裕だな。


「ブレイク」

その言葉と同時に魔法が消えた。


「「!?」」

2人とも物凄く驚いた。


「すごい、すごい、どうやったの!?」

「兄さんどうやったの?」

2人とも、チャンスと思ったのか、

物凄くグイグイくる。


「このブレイクという魔法は、闇魔法であり、魔法を抹消するんです。」


「すごーい。」

「兄さんカッコいい。」

また、グイグイくる2人、

‥‥これから大丈夫かな?


その後、夕食をユアン様がグランドとジュリアと食べてもらう為にユアン様を食堂に連れていった。


それから、ユアン様の入浴をノアンに任せて俺も入浴を済ませた。


最後に、ユアン様が家族の時間を過ごした。


1日が終わろうとしていた。別れの時間だ。


「では、ユアン様おやすみなさいませ。」

「私が寝るまで一緒に居てくれないの?」

「もちろん、居ます!!」

「はいはい、戻るよ兄さん。

夜遅くまで居るのは、問題があるでしょ。」


そして、俺は妹に背中を押されて部屋を出た。


「‥‥‥寂しいなぁ。」

そんな言葉が虚しくひやに響いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る