第8話 俺、強くなりたいです。魔法です。②

俺は、走って、走って、走った。そうすると、

山の深い深い奥まで来た。


分かっている。

リリアンが俺のために、言ってくれたことを


それでも、

心が‥‥苦しい。


剣術を極めれば良いのかもしれない。

でも、体ができていないから、

少し待たなければならない。


知識を極めれば良いのかもしれない。

でも、変に知識をつけ過ぎても、

怪しまれて、処分されるかもしれない。



あぁ、苦しい。

あぁ、辛い。

あぁ、‥‥悔しい‥なぁ。


その時だった。俺の中で、何かが爆ぜた。

そして、一瞬にして、

ここら一帯が荒れた平坦な場所と化した。


驚いた。だが、それと同時に深い眠気に

襲われ、意識を手放してしまった。


‥‥最近、気絶することが多いな。


目が覚めると、また俺のベッドの上にいた。

「またか‥‥。」

「おや、目が覚めたんじゃな?」


そして、見たことのない人物もいた。

「ほっほっほ、驚いておるのぉ。

わしの名前は、

グラード・キグン・フロード・ダリアン

じゃ。

気軽におじぃちゃんと呼ぶとよい。」


その話を聞いてもただただポカンとする

俺を見て、話を続ける『おじいちゃん』。


「まず最初に、わしはこの国の王であり、

お主の母親の父親じゃ。」


「!?」

驚いた。だから、ユアン様と会ったとき、

控えるわけではなく、手前のイスに座っていたのか!!


「わしは今、この世で一番強い生物だ。

剣術も魔法も知識も全てがそろっておる。

ほっほっほ、信じられんという顔じゃな。」


「では」

とおじいちゃんが言って、

すぐに俺は、分かってしまった。

反抗しようとする意思すら間違いであり、

大人しくしていなければならないほどの

殺意を。


「!?」


「ほっほっほ、そう驚くでない、お主もそこそこ強い。あの辺りを見てみろ。」

そう言って、窓の外を指差した。


そこには、変わり果てた山々があった。


「あれは、お主がやったことじゃ。」

「夢じゃなかったんだ。」


少し希望が見えた。


「でも、なんで?」

「あぁ、魔力暴走起こしたんじゃな。

魔力は、想いによって小さなエネルギー

でも、山を消滅させることもある。」


想い‥‥か。確かにあの時は、爆発した感じがあったけど、

まだまだ溢れそうになったけどなぁ。


それよりも、家の中でやらなくて、

よかったぁ‥‥。


「そして、魔臓は、使えば使うほど鍛えられていく。あの山々には、かなり危険な魔物がおったからな今のお主の魔臓は、とんでもなく強くなっておる。‥‥まぁ、わしには、まだまだ及ばんがな。」


「そこでじゃ、

お主強くなりたいんじゃろ?」

俺は、力強く頷いた。


「いいのぅ、いい目じゃ。

わしが魔法・剣術・知識について全てを

教える。」


その言葉に俺は、とんでもない期待を持ってしまった。





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