第1話 「飲むか? いちごミルク?」

 それから俺と美咲は高校2年に進学し同じ高校に通っていた。

「それでさーこの間、駅前のクレープが美味しかったんだよねぇ〜」

「本当に!? 今日、行こうよ〜」

 教室内ら女子と男子、その他男女複数とかのグループで固まっていてた。

 俺はというと男友達を待っていた。

 自動販売機でいちごミルクの飲み物を飲みたいって、これから部活なのに忙しいやつだな……まあ、俺の分まで買ってくれるというから待っていた。

「渡やーい」

 俺の名前を呼ばれ振り向くとその男友達の柏木かしわぎ あずまがいた。

「ほい、いちごミルクや」

 トンといちごミルクが2本置かれていた。

「ほい東。100円」

「なんで! 2本あるから2000円だろ」

「ぼったくりだな……」

「だったら2円に負けておくで」

「急に大暴落したな……ほい200円」

 財布から200円を取り出し机の上に置いた。

「サンキュー」

 200円を受け取って財布に仕舞い込んだ。

「ところでなんで2本あるんだ?」

「え? 一本じゃ物足りないだろ?」

 東が首を傾げ不思議そうな顔でこっちを見ていた。

 まあ、確かに一本じゃ物足りないって時はあるにはあるんだけど。

 よく東の手を見てみるともう一本。コーヒー牛乳を持っていた。

 よく飲めるなぁ……。

「じゃあ俺は部活に行ってくるわ」

「はいよサッカー部頑張れよ」

 東はというとサッカー部のディフェンダーで活動しているらしい。

「帰るか……」

 ジュースと鞄を持って席を立った。

 俺はというと帰宅部だ。昔は剣道をやっていたんだが小手とか面が竹刀に当たるのが痛く辞めて中学になってやめた。高校になってたから帰宅部だ。

「それでーあっ!」

 なんとなくだけど彼女の方を向いていた。

「じゃあ私帰るね」

「んっわかったバイバイ」

「またねバイバイ〜!」 

 グループの友達に手を振ってこっちに来た。

「これから帰るの?」

「まあな。暇だしな……帰るか?」

「うん。帰ろ」

 そのまま美咲と一緒に学校の外まで歩いて帰って行った。

「飲むか? いちごミルク?」

「飲む飲む〜」

 手元にあったいちごミルクを美咲に渡しチューチャーと飲んでいた。

「……」

 可愛いな。見てるだけで癒される。

 可愛いくって好きなんだけど、なかなか告白に踏み込めない。

 告白をしようとすると頭の中が真っ白になってパンクしてしまう。

 告白までのプロローグってどうやれば成功するんだか。

「……」

「美味しい」

 まだいちごミルクを飲んでいた。

 可愛いな……。

 やっぱりそばに居るだけで嬉しんだよな……。



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