第10話 安祐美視点②
そして、気分がちょっと良くなって、私はスタートラインに向かった。
そして、走る順番を待っていると、
「ねぇ、安祐美ちゃんって、いつも達也くんと一緒だよね?」
隣の子が話しかけてきた。
「うん、そうだよ。どうしたの?」
「へぇ〜、好きなの?」
「うん、大好き!」
「そっか、じゃあ、達也くん私にちょうだい。」
何を言ってるの‥‥!?
「ダメだよ!」
「え〜、安祐美ちゃんにそんなこと決められないよね?」
「そ、そうだけど。」
「分かったぁ。じゃあ、50m走で勝った方が
達也くんを好きに出来るってのはどう?」
こんなの受けなくていいのに、私は気が動転して、受けてしまった‥‥。
「いいよ!絶対に、私が勝つ!」
そうして、50m走が始まった。
(は、早い。なんで?)
後から聞いた話だと、陸上部の子で、
サッカー部のたっちゃんを見ていたと言う。
(‥‥ここで、負けたら、たっちゃんが‥‥。)
嫌だ!私はたっちゃんが大好き!
彼、以外なんて、考えられない!!
なんだか、体が軽くなった気がした。
ぐんぐん早くなる。
そして、なんとか抜かして、勝った。
(よ、良かったぁ。)
ホッとした。
そうして、スピードを緩めようとした。
だが、見てしまった。
私の王子様を。
(カッコいいなぁ。)
でも、不安になった。
私にとっての王子様だけど、私以外の誰かにとっても、王子様なのかな?と。
そう考えたら、いてもたっても、いられなくなって、さらに走るスピードがあがる。
そして、
「絶対に!たっちゃんを誰にもあげない!!」
と、叫んで抱きつく。
やっぱり、王子様以外、考えられない。
今回、ノリで2話書きました。
次回は放課後編を書きます。
俺の幼馴染は限度を知らない WOULDYOU @dottisotti
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