第2話 朝の登校でも、限度がある。

あれから、安祐美が俺の引っ付いて離れず、少し大変だった。

まぁ、いつものことだから、仕方ない。


ただ、今日の登校は違った。


安祐美の妹、花音ちゃんと弟の元輝君が一緒だったことだ、2人は俺と安祐美の一個下の

双子だ。


少し不機嫌を込めた声で安祐美が言った。

「なんで、2人とも来たのー」


花音ちゃんが答える

「お姉ちゃんと一緒に登校したかったの。」


元輝君が答える

「僕はその付き添い。」


「はぁ、お姉ちゃんはデートしてるんだよー。」


「違うだろ、ただの登校だ。」


「そんなことないもん、2人きりならなんでも楽しいから、デートになるの!」


あぁ、そんな事言われて

これからどんな顔して一緒に登校すればいいんだよ‥‥。


「はぁ、それならそれでいいよ。」


「「「‥‥‥」」」

俺以外の3人が俺を無言でまじまじと見ていた。


「な、何だ?」


「あ〜、たっちゃんが照れてる〜」


「からかうなよ!」


「からかってないよ〜だって、たっちゃん

顔真っ赤なんだも〜ん。」


そう言われて、気付いた。顔が熱くて焼けそうだった。


「いや、なんでもない。気にすんな。」


ただの照れ隠しだ、それでも


「うん、そうだね〜」


安祐美はなかったことにした。


あぁ、こういう俺の事を分かっているところが好きだ。


でも、それを止めるように、花音ちゃんは

「2人っきりの空間を作らないでください!」

と、言いながら俺ではなく、『安祐美』を睨む。


分かっている、花音ちゃんの想いが誰に向いてるかを。

そのことは、この場にいる誰もが知っている。


「はぁ、仕方ないな。

姉さんと達也さん、邪魔してごめんね。」


元輝君はそう言って、花音ちゃんを連れて行った。


それからは、安祐美と2人きりのいつもの登校に変わった。


‥‥楽しかった。とても楽しかった。


後ろめたさを感じる登校だった。









花音ちゃんも幼馴染判定で書いていきたいと思います。

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