第14話 復活の日と相談
結局、体調が復活するのには、一月掛かってしまった。
今、露天風呂につかりながら、みちよにお願いをされている。
「だから。私もできるようなら、眷属にしてほしいの」
「俺としては、どうしても眷属というものに、躊躇をしてしまうんだが」
「でもあなたは、ハイヒューマンだし。寿命も随分違うと思うの。それにねフェンちゃんとあなたの繋がりが羨ましくて。すごく愛おしそうと言うか、大事そうにあなたを見ているのよね」
「なんだ? やきもちを焼いてくれるのか?」
「いじわるね」
そう言って、抱きついてくる。
「でも実際どうすればいいのか、分からんな。力を与え眷属化を許可すればいいのだが」
「あなたから、霊体の状態で、一部もらえばいいんでしょう?」
「そうだが、俺を食うのか?」
「ふふ、そうよ」
「わかった。おてやわらかに」
・ ・ ・
彼女の発案はうまくいき。力を与えることができたようだ。
〈これが念話なのね。あとは眷属の許可をお願いします〉
〈眷属化を、許可する〉
俺にとっては、いつものようにつながりを感じ、彼女は大きく目を見開いて、
「これが……。フェンちゃんの気持ちがわかるわ。でも今度は私が少し寝込むかも」
そう言って、みちよは、お湯の中に沈みかけた。俺は慌てて支えて、引き上げる。
「どうした、大丈夫か?」
「とっても幸せだけど、ダメ。ベッドに連れて行って」
「分かった」
お姫様抱っこをして彼女を抱え、脱衣所に向かう。
体をふいて、ベッドへ連れて行き寝かせる。
彼女は身じろぎもせず、眉間にしわを寄せている。
〈彼女も、眷属化をしたの?〉
〈ああ、だが少し辛そうだな〉
〈種族的にも、それに魂の階位も低い。少し無理をしたわね。これからしばらくは動けないかもしれない〉
〈そうなのか?〉
〈大丈夫。確かに私の体が内側から、作り替えられている感じはあるけど、厳しい物じゃなく優しい感じだから〉
〈そうか分かった。念話で良いから、何かあれば言ってくれ〉
〈うん〉
霊体になり彼とエッチをすると、いつも以上につながりを感じ、何か力が流れ込んでくるのが分かった。
体に戻り、眷属化の了承を受ける。彼とのつながりとさっき以上の力が流れ込んでくる。
その瞬間、体がバラバラになり、作り直されるような感覚がし始める。力は入らず感覚がなくなっていき、普通なら怖くてたまらなでしょうけど、眷属化による確かな彼とのつながりが体を包んでくれる。
恐怖より、幸せを感じる。
それから3日ほど、体の変化は続いた。
すっと、体が楽になり、体の隅々までわかるようになっていた。
うん、
私が寝込んでいたのに、楽しそうね。
少し焼き餅。
〈目が覚めたようだな。体調はどうだ?〉
そうね。私がわかると言うことは、彼にもわかると言う事ね。
〈なんだか、世界がキラキラしているわ〉
〈そうか〉
少しして、彼は家のなかに入って来た。
「ちょっと見ても良いか?」
「ええ、私も気になるもの」
万世 導世(ばんせ みちよ)
種族:ハイヒューマン 17歳
身体:162cm/52.6kg
階位:2
魔力量:3746
攻撃力 :733
防御力:500
力:366
耐久:366
器用さ:400
敏捷性:366
知性:600
称号:聖者、異世界からの召喚者、神の眷属
適正:全
状態:通常
「君の目論見通り。ハイヒューマン。あっ、女神の加護が消えている」
「それは、あなたの話からすると、良かったのじゃないかしら?」
「それに、なんだか神の眷属になっている。俺まだ見習いなんだけどな」
「それと、数値がおかしい。ハイヒューマンというのは、階位1で基本が500位だと思ったんだけど」
「数字を見ると、元々不得意だったものは低いみたいだし、個人の能力値が係数として掛かっているんじゃないかしら?」
「そうなのかもしれんが、階位も1つ下がっている」
「それは種族が変わったから、やり直しね」
「ふふっ。これでずっと。一緒に居られるわ」
「ああ。よろしく」
〈ちょっといい?〉
〈どうした? フェン〉
〈みちよから神気が漏れている。抑えないとまずくないか?〉
〈えっ神気? もしかしてあなたから、たまに感じていたプレッシャー? どうやって抑えるの?〉
〈そんなことも分からんのか? 意識して神気をつかみ抑えればいいこと〉
〈フェンちゃん。言葉がきつい〉
〈今までは、主の番だと接していたが。今は同じ眷属じゃ〉
〈いや。まだ番だから〉
〈ふん。私ももう少しで人化できる。そうすれば主は私の物〉
〈いや。俺にも、ガンガンに聞こえているけど。やめてくれる?〉
〈はっ。 主。いっ今のは聞かなかったことに〉
〈あなた、子供もいるじゃない〉
〈前は、てじかにオスが居なかったから。今は主一筋。問題はなかろう。子供たちもなついて居るし。眷属化してもらえば、お役に立てる〉
〈お前は、さっさと神気を抑えろ〉
〈やるわよ。ねえあなたぁ。やり方教えてぇ〉
そう言って、みちよが俺にもたれかかてくる。
「グルル」〈小娘が〉
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