第3話 部活動見学
「それじゃあみんなも入りたい部活を決めておくように〜」
帰りのホームルームを済ませ先生は職員室に戻って行った。
「部活動か〜」と梨花が悩んでるように言った。
「何部に入るのかはもう決めたのか?」
「いや〜今悩んでるんだよね、涼太は?」
「俺はたぶん適当なところかな〜」なんて言いながら俺は前の席の女子に声をかけた。
「小田さんは何部入るか決めた〜?」
内はねボブが良く似合う黒縁メガネをかけていて少し小柄で大人しい雰囲気の子。名前は小田 奈菜(おだ なな)。この前メールを送ってくれた子の1人だ。リアルで話すのは今日が初めてだ。
「あ、私は美術部にでも入ろうかなって考えてます。」
メールの時は最初の方は敬語だったがタメで良いよと言ってからはタメ口で話してくれてたのだが、やっぱりリアルは違うか。
「そうなんだね、絵描くの好きなの?」
「はい。昔から好きで」なんて話していると梨花が
「あんた達って仲良かったんだね〜!意外!」なんて言い始めた。
まぁねと返事をすると、
「それじゃ私は部活の見学行ってくるね〜!」と梨花は走ってどっか行ってしまった。
気づけばクラスのみんなはもう教室にはいなくて俺と奈菜だけになっていた。こうして2人きりとなるとなんか恥ずかしいな、とか考えながら平然を装いながら
「そういえば普通にタメ口でいいよ、メールの時だってそうだし」
「あ、うん、分か、った…」と恥ずかしそうに言っている。可愛いなおい…
「あ、それじゃあ俺も適当に部活見学してくるわ」
なんて言って教室から出ようとすると、手を引かれ
「ま、待って!」
「どうしたの?急に」
「そ、その一緒に部活見学して帰らない…?」
こんな誘い乗るに決まってる。俺はもちろん了承した。
「どこから見ようか?」と聞いたところ美術部を見たいとの事だったので美術部の部室に向かった。
俺は美術よく分からんけどなんか奈菜は感動してたな。そんな感じでいろんな部活を見て回った。
部活動が大体どこも活動を終えたくらいの時間になり、俺と奈菜は帰ることにした。
するとなんと奈菜は俺と同じ方向の帰り道だった。
それどころか小学校、中学校同じだったとのこと。
たぶん1回も同じクラスになった事がなかったのかな。全く記憶にない。
「奈菜はなんで俺の事知ってるの?」と興味本位で聞いてみた。
「まぁいろいろあって…」
まぁあまり詮索するのも良くないのかな、なんて考えながら別の話題にした。
「そーいえば今日部活ほとんど見たけどやっぱり美術部入るの?」
「はい、やっぱり美術部が一番かなって」
「いいね、俺はまだ悩んでるよ」
「入りたい部活無かったらぜひ美術部に」
「ありがとう考えとくよ」
勧誘された。正直入りたいが悩む。まぁまたそれは明日決めればいい。
俺と奈菜はゆっくり帰った。
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