第12話 「被髪纓冠!鬼龍VS勇!?」

一本杉 勇(いっぽんすぎ いさむ)

正義感の強い明るいお調子者。

拳道越流師範代、龍虎の弟子。

秋光のことは親友だと思っている。

ホァンとメリッサに敗北したことでさらなる強さを求めて修業中


二宮 楓(にのみや かえで)

常識人。龍虎の養子で勇と同級生。

そこそこ強い。

勇のブレーキ役で勇のことは出来の悪い弟だと思っている。

最近の鬼気迫る勇を心配している。


二宮 龍虎(りゅうこ)

拳道越流師範代。常に冷静で厳格。鬼龍とは兄弟弟子。

厳格な性格で勇を厳しく指導するが、本心ではかわいい弟子だと思っている。

鬼龍との決戦が近いことを感じている。


三菱 秋光(みつびし あきみつ)

勇と同じ学校に通う文武両道の優等生。

誰にでも人当たりがいいので学校でかなりモテている。

だが裏の顔はフードで顔を隠し不良やヤクザを狩る武道家。

勘違いで勇の師を鬼龍だと思っていたが、5話にて龍虎が師匠であることを知る。

裏と表の表情をしってもかわらない拳道越流御一行のせいで最近調子が狂うな、と思っている。


四方田 浩一(よもた こういち)

引っ込み思案な性格の転校生だったが、龍虎に言われた言葉で変わりつつある。

勇は頼れる友人だと思っているし、つっこみ役が板についてきたところもある。


五国寺 貴美(ごこくじ たかみ)

私立フロンティア高校で負けなしのスケバン。

キックボクシングスタイルだが、特殊警棒の扱いにも長けている。

乳はない。それを気にしているので胸について何か言われたらキレ散らかす。

秋光に敗北してからは真面目にキックボクシングジムに通っているため学校は休みがちになった。


ホァン

鬼龍の弟子、さまざまな中国拳法を駆使して戦う。

中国人。軽い性格で思ったことを口にするタイプ。

龍虎の弟子をライバル視しているし、見るたびに強くなる勇を好ましく思っている。(そういう好きじゃない)


メリッサ

鬼龍の弟子、カポエイラとコマンドサンボを駆使して戦う。

アメリカ人。明るい性格。

龍虎の弟子をライバル視しているし、見るたびに強くなる勇を好ましく思っている。(そういう好きじゃない)


鬼龍(きりゅう)

裏社会で恐れられている武闘家。

流派は拳道越流と自称している。

残忍で目的のためなら手段を択ばない極悪な性格


勇♂:

楓♀:

龍虎♂:

秋光♂:

浩一♂(少年♀):

貴美♀:

ホァン♂(少年♀):

メリッサ♀:

鬼龍♂:

ナレ不問:

10人

♂5-7 ♀4-2 不問1



シーン0 サブタイトル

勇「「鉄魂(てっこん) 第12話 被髪纓冠(ひはつえいかん)!鬼龍VS勇!?」」


シーン1 決戦場

ホァン「アイヤー……鬼龍様にあとで怒られちゃう、でも……今日こそとことん楽しめそうヨ……!」


秋光「きやがれ。」


ホァン「じゃ、遠慮なく!」


ホァン VS 秋光


ナレ「数撃、お互いの拳が交差する。お互いに手と手を合わせ一瞬膠着するも、腹部を蹴り合い距離が空く」


ホァン「やるネ……」


ナレ「汗を拭うホァンに秋光がすばやく距離をつめ、虎爪(こそう)にて目つぶしを狙う。が、その一撃は受け止められる」


ホァン「目つぶしは中国拳法の専売特許ヨ!」


ナレ「すかさずホァンも蟷螂拳(とうろうけん)で目、喉に連続攻撃し急所を狙うが待っていたと言わんばかりの秋光に関節技で捕らえられた」


秋光「わざわざ狙う所を宣言しやがって、やりやすいぜ」


ホァン「綺麗な関節技ネ、メリッサと同じくらいヨ」


秋光「このままぶち折ってやろうか?」


ナレ「力を籠める秋光」(ボグンッ SE)

ナレ「手ごたえを感じるも、ホァンは絹のようにスルリと秋光から離脱、再度骨が折れるような音が鳴る」

(ボグンッ SE)


秋光「自分で外しやがったのか……」


ホァン「危ない危ない、ハハ。今のが最初で最後のチャンスヨ」


ナレ「プラプラと腕を振りながらホァンの顔から笑顔が消える」


秋光、ホァン戦闘声


秋光「こいつ、ギアがあがりやがった……!」


ホァン「スイジーインビエン、ジエズゥシエンダン(適当に中国語っぽくいってればおk」


秋光「チッ、本気ってことかよ。デアッ!」





貴美「いくよ、牛女」


メリッサ「カウガール?oh、ソーリー、見せつけるつもりはないんデスけど……大きくて」


貴美「女の価値は乳の大きさじゃねぇ!!」


メリッサ「Yes、どちらが強いかデスね、もちろんメリッサデス!」


ナレ「貴美はジャブで距離を測ろうと接近するも、カポエイラ特徴である上下の動きに翻弄され間合いをつかめない。

ならば、とローキックをした足がメリッサのサンボにからめとられ、貴美の関節を破壊せんと強襲した刹那

貴美は空へ跳びかかとおとしを食らわせた」


SE:殴り(大)


メリッサ「wpus!!!」


貴美「どうだい?ブーツから繰り出される踵の味は」


メリッサ「テコンドー……デスね」


貴美「あぁ。といっても付け焼刃。今ので球切れさ。そして、今度はちゃんとコレで叩きのめす」


ナレ「再びフラットな重心のキックボクシングスタイルで構え治す貴美」


メリッサ「油断大敵、というわけデスね。OK,殺します」





シーン2 旧道場

道場に入り、二人は中央へ。鬼龍は少し周りを見渡している


鬼龍「……娘はどこに消えた……?」



龍虎「楓はどこだ。」


鬼龍「ふっ、しらを切りやがって。考えたじゃないか、じじいの孫が攫われるのを予期していたのか?」


龍虎「わけのわからん話を……!楓はどこだ……!」


鬼龍「これは本当に知らん顔だな……」


その時、入口から楓と浩一が顔を出す


楓「お父さん!私は無事!」


龍虎「楓!」


浩一「龍虎さん!事情はききました!二宮さんは僕が助けたので安心して戦ってください!」


鬼龍「あの小僧……余計な真似を。」


龍虎「浩一君、本当に恩に着るぞ!!!」


鬼龍、龍虎戦闘開始


ナレ「じりじり、とお互いの距離が詰まっていく。

龍虎はそのプレッシャーと怒りを呑み込み冷静な表情をうかべ、対して鬼龍は鬼の表情であった。」


龍虎「なぜ楓に手を出した!」


鬼龍「武をやめろ、といった言葉を無下にしたからよ。」


龍虎「キサマ!!!」


ナレ「龍虎が拳を放つも、鬼龍に受け止められる。」


鬼龍「殺気を持て、殺す気にならねば俺は止められんぞ。」


龍虎「それが狙いか……!」


ナレ「鋭い後ろ回しを龍虎が放つも、バックステップではかわされお返しに鋭い肘うちを返される。

その素早く重たい一撃から、口内に鈍い鉄の味と、焦燥感が広がっていくのを感じていた」


龍虎(昔よりもさらに重く……!)


鬼龍「どうした、腕が落ちたのか龍虎。」


楓「お父さん!」


浩一「龍虎さん!!」


鬼龍「そこで見ていろ。こいつが死ぬところをな。」


龍虎「浩一くん……何があっても楓をこちらにこさせないでくれ。」


浩一「……わかりました!」


鬼龍「長話はこれくらいでいいだろう?」


数発龍虎、鬼龍の戦闘ボイス


を、フェードでなくしていって場面転換


シーン3 決戦場

ホァン「ア、アイヤー……負けちゃったアル……」


秋光「はぁ、はぁ……断言してやる。あいつと戦ったとしてもお前は負けてるだろう」


ホァン「は、はは。それはスバラシ」


秋光「フンッ」踵を返す


ホァン「あれ、殺さないの?」


秋光「……これで1勝1敗でいい」


ホァン「完敗アルな。君、名前と流派は?」


秋光「三菱 秋光(みつびし あきみつ)。我流だ」


ホァン「び、びっくりネ!世界は……広い」ガクッ


メリッサ「ま、まだまだイけマ~ス……」


貴美「こっちのセリフさ……!」


ナレ「お互いのキックが交差する。リーチの差で勝ちを確信したメリッサだったが、

その動きを利用して踵を滑らせた貴美の蹴りがカウンターとなり目の前に火花を散らした。

動かなくなった彼女を見て、ついに終わった、と腰をつく」


貴美「はぁ……はぁ……蹴りで負けてたまるか……でも、サンボをもっと使われてたら……危なかったね」


秋光「終わったようだな。」


貴美「あぁ。もう動けそうにないや、いくんだろ?一本杉のとこ」


秋光「……あぁ。」



貴美「心配ないよ、バカコンビがすぐそこに隠れてるんだ。もう出てくるさ。」


秋光「そうか。」


秋光、走ってハケる


貴美「ふっ、急いじゃって。あ~~~疲れた!しばらく喧嘩はいいよ、もう!」




シーン4 旧道場

鬼龍「であっ!」


龍虎「ぐっ……ハァッ!」


ナレ「なんとか食らいつくも、怒涛の攻撃に劣勢になっていく龍虎。

勝機を観た鬼龍は、上段に手刀を構え」


鬼龍「死ねい!!龍虎!!!!」


ナレ「その胸をめがけ、抜き手を放つ。」


SE:ドスッ……


ナレ「貫かれた傷口から噴き出る液体が道場の床に散る。その場に膝をつく龍虎を見下ろす鬼は表情に悦を浮かべていた」


楓「お父さん!!いやだ!!お父さん!!!!」


浩一「ダメだ二宮さん!!!!」


龍虎「拳道越流奥義…(小声早口) 空衝風迅打(くうしょうふうじんだ)!」


ナレ「胸ではなく、かろうじて左肩で攻撃を受け、待っていたと言わんばかりに奥義を放つ。

攻撃を終えたその一瞬の油断。直撃を浴びた鬼龍は道場の壁を破りながら後方に吹き飛んだ。」


龍虎「がはっ……はぁっ…はぁっ……お前ならそう来ると思っていた。意外とロマンチストだからな……

お師匠様と同じ場所を狙うと確信していた……!」


ナレ「崩れた壁から鬼龍が姿を現し、口元をゆがめる。」


鬼龍「ぐ、ぐ……やるじゃないか龍虎……まさかその技をお前が使うとはな……!」


龍虎「バカな……!」


鬼龍「ふっ……確かに今の一撃、中々の威力だった……だがお前のダメージがでかすぎたようだな」


龍虎「クッ……」


ナレ「龍虎は再度立ち上がろうとするも、膝をつく。鋭い眼光だけを鬼龍に向けることしかできず奥歯を噛んだ」


鬼龍「これで終わりか……その体ではもはや立ち上がれまい。」


楓「な、なら私が!」


鬼龍「見くびるなよ。四肢がなくともお前程度は殺せる」


ナレ「鬼龍からの殺気を浴びせられ、楓が膝をつく。」


鬼龍「ククッ、龍虎、限界を超えさせてやろうか?」


龍虎「!!!鬼龍、キサマなにを!!!」


鬼龍「先に娘から地獄に落としてやるのよ。」


ナレ「少しフラつきながらもゆっくり楓のもとへ歩を進める鬼の前に、浩一が震える足と歯に気合をいれ、目の前に立ちふさがった」


浩一「や!!!やめろ!!!二宮さんは僕がまも


鬼龍「どけ。」


ナレ「左腕を裏拳で軽く放つ、それだけで浩一は糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ち意識を手放す」


楓「あ……あ……」


龍虎「やめろ鬼龍!!!!俺が相手だろう!!!」


楓「い、いや……助けてっ!!!」


鬼龍「はは、命乞いか。所詮女だな。」


SE:足音


楓「お、お父さん……」


鬼龍「お前の母親も今のお前と同じ顔をしていたぞ。父親の顔は……フッ、潰れていてわからなかったがな!」


ナレ「鬼龍は楓の腹部に前蹴りを放つ。恐怖で体が固まっていた楓は避けることも、逃げることもかなわず壁に衝突し、虫のように丸まって震えるしかできなかった。」


楓「うっ……うぅ…」ガチガチ


龍虎「楓!ク、クソ……動け!!楓を守らねば!!クソ!!」


鬼龍「龍虎。お前は誰も守れんさ……(ここから小声)俺と同じでな。(小声終わり)死ね!」


楓「うっ……うっ……助けて!!!勇!!!!」


勇「応ッッッ!!!」


SE:ガシャン


ナレ「すさまじい勢いで勇が入口から飛び出し、怒涛の攻撃を食らわせる。」


SE:殴る

SE:殴る

SE:殴る


勇「うおおおおおおおおお!」


ナレ「その猛攻にダメージの抜けない鬼龍はたたらを踏み、後方に下がりつづけたが一呼吸を隙をつき、蹴りを放つ」


鬼龍「調子にのるなよ小僧!!!」


勇「それは一回見たぜ!!」


ナレ「その蹴りをいなし、カウンターに転じるも」


鬼龍「バカが!」


ナレ「いなした、と思っていた蹴り足が後ろ回しの要領でたたまれ、勇は直撃を食らう。

道場の床を滑る」


楓「い、勇……」


勇「やっぱ大したことないぜ鬼龍……」


鬼龍「なに……?」


勇「師匠だけじゃなく浩一までひどい目にあわせやがって……」


鬼龍「闘気があがっている……龍虎よりも俺側の人間、ということだな……小僧。」


勇「何より楓を泣かせやがったな!!!!ぶっ殺す!!!」


鬼龍「いいぞ、こい!」


勇、鬼龍の戦闘ボイス


龍虎「だ、だめだ勇!それでは……それは拳道越流の戦い方ではない……」


勇「がああああああああ!」


鬼龍「ふっ、貴様の闘気にあてられ、俺もノってきたぞ……!」


ナレ「再び鬼龍の一撃で吹き飛ぶ勇はすぐに立ち上がり構える」


勇「きかねぇ…!」


鬼龍「興味がわいた。お前、名前は。」


勇「龍虎師匠の一番弟子、一本杉勇だ!」


鬼龍「覚えたぞ勇……こい、どちらが先に死ぬか、とことんやるぞ。」



シーン5 次回予告

浩一「次回予告!」


楓「勇のあの戦い方、おかしいよ、勇は普段あんなんじゃないのに!」


龍虎「怒りにのまれてしまっている……あれでは拳道越流の武術ではない……殺されてしまう…勇は…!」


鬼龍「いいぞ勇!それでこそ我が拳道越流だ!もっと死合え!」


勇「鬼龍……てめぇだけは許さねぇ!!!!」


楓「呉越同舟(ごえつどうしゅう!)最強タッグ結成!明日は一緒に迎えられるよね?勇!」

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