第10話「一触即発!拳道越流VS拳道越流!」

一本杉 勇(いっぽんすぎ いさむ)

正義感の強い明るいお調子者。

拳道越流師範代、龍虎の弟子。

秋光のことは親友だと思っている。

ホァンとメリッサに敗北したことでさらなる強さを求めて修業中



二宮 楓(にのみや かえで)

常識人。龍虎の養子で勇と同級生。

そこそこ強い。

勇のブレーキ役で勇のことは出来の悪い弟だと思っている。

最近の鬼気迫る勇を心配している。


二宮 龍虎(りゅうこ)

拳道越流師範代。常に冷静で厳格。鬼龍とは兄弟弟子。

厳格な性格で勇を厳しく指導するが、本心ではかわいい弟子だと思っている。

鬼龍との決戦が近いことを感じている。


三菱 秋光(みつびし あきみつ)

勇と同じ学校に通う文武両道の優等生。

誰にでも人当たりがいいので学校でかなりモテている。

だが裏の顔はフードで顔を隠し不良やヤクザを狩る武道家。

勘違いで勇の師を鬼龍だと思っていたが、5話にて龍虎が師匠であることを知る。

裏と表の表情をしってもかわらない拳道越流御一行のせいで最近調子が狂うな、と思っている。


四方田 浩一(よもた こういち)

引っ込み思案な性格の転校生だったが、龍虎に言われた言葉で変わりつつある。

勇は頼れる友人だと思っているし、つっこみ役が板についてきたところもある。


ホァン

鬼龍の弟子、さまざまな中国拳法を駆使して戦う。

中国人。軽い性格で思ったことを口にするタイプ。

龍虎の弟子をライバル視していたが、ほぼ勝利したのでイージーだなって思ってる


メリッサ

鬼龍の弟子、カポエイラとコマンドサンボを駆使して戦う。

アメリカ人。明るい性格。

龍虎の弟子をライバル視していたが、ほぼ勝利したのでイージーだなって思ってる


鬼龍(きりゅう)

裏社会で恐れられている武闘家。

流派は拳道越流と自称している。

残忍で目的のためなら手段を択ばない極悪な性格

世界を回って強そうな孤児を見つけては自分の弟子にするおじさん


モブ

1人かけあいがあるので台本前半読破必須のモブ

後半はあんまり出番がない


勇♂:

楓♀:

龍虎♂:

秋光♂:

浩一♂(少年♀):

ホァン♂(少年♀):

メリッサ♀:

鬼龍♂:

モブ不問:

9人

♂4-6 ♀4-2 不問1


シーン0 サブタイトル

勇「鉄魂(てっこん) 第10話「「一触即発いっしょくしょくはつ拳道越流けんどうえつりゅうVS拳道越流!」」



シーン1 道場

勇「フゥ……コハァ……」


楓「は~い、あと5秒で10分~~」


勇「おう…カァ……」


楓「5、4……えい」


楓、逆立ちしている勇のおなかをつつく


勇「うお!?っと!」


楓「あぶな!」


バランスを崩して倒れそうになる勇と、それを支えようとして下敷きになる楓

SE:ドッターン


勇「……」


楓「……」


無言でそのまま見つめ合う


SE:ガラガラ


龍虎「すまない、書店がこんで……。勇……貴様 神聖しんせいな道場で……」


とっさに離れる勇


勇「なっ!違うって!」


龍虎「なっなにが違うんだ!不純異性交遊ふじゅんいせいこうゆうなんぞ天国のお師匠様が見たらなんと思うか!」


勇「いやだからこれは」


龍虎「みなまでいうな……!汗だくで息を切らせながら楓におおいかぶさってなにが違うんだ……」


勇「話を聞けよ師匠!」


龍虎「あぁ、言ってみろ!!!何が違う!!」


勇「楓がオレをつついて、それでオレが我慢できなくなって!!」


龍虎「何が違うんだ!?!?!?!?!」


楓「ち、ちがうの!お父さん!ほんとに違うの!私がふざけちゃっただけ!」


龍虎「まったく、いいか勇。楓を彼女にしたいならまずは健全な男女交際をだな……」


楓「そういうのじゃない!!!」


勇「と、とりあえず楓!危ないからトレーニング中にふざけるなよ!ケガするぞ!」


楓「あ、うん、ごめんね」


勇「師匠も!師匠なら弟子を信じろっての!」


龍虎「いや、勇、どうなるかわからんぞ、だからこそ健全で真摯しんしな」


勇「話がすすまねぇ!!!もう!!俺ランニングいってくる!!」


龍虎「おい!話は終わってないぞ勇!」


楓「お父さんもうやめて!!」



シーン2 路地裏

モブヤクザ「おい、フード野郎」


秋光「? ……なんだ、この前のクソ野郎じゃねぇか」


モブヤクザ「そうだ、てめぇに取引の邪魔された恨み返しにきたぜ」


秋光「ふっ、何人集めようが同じことだってわかんねぇのか?」


モブヤクザ「違うね!今日は心強い助っ人を頼んだんだよ!先生!せんせーーーい!」


モブプロレスラーヤクザ(以下モヤ男)「お”ぉいお”いなんだ?俺にこんなガキを潰せって頼みに来たのか?」


モブヤクザ「変な恰好してますけど、ほんとやっかいなんですよ!手足バキバキに折ってやってください!」


モヤ男「ま~ったく、金もらってるからいいけどよォ!」


秋光(はやい!)


秋光「ツッァ!!!」


SE:殴る

SE:殴る

SE:殴る


秋光、つかみにきた手を振りほどいて顔面に数発パンチ


モヤ男「おっ、ただのガキじゃねぇな」ポリポリ


秋光「なっ、大して効いてねぇだと……」


モヤ男「これでも元プロレスラーだからよ。打撃にはつえぇんだ。なんなら全部くらってやるよ」


秋光「なめるなよ……!」


秋光猛攻撃。

SE:殴る

SE:殴る

SE:殴る


モヤ男「そ~ろそろターン変更だろ?」


大振りをつかんでヘッドバッド


SE:殴る(大)


秋光「カッ……カハッ……」


フラつく秋光


モヤ男「おいおい、ちょっと弱すぎるぞ。割のいい仕事もらっちまったぜ」


秋光「チッ……まだ終わりじゃねぇ」


再度構える


モヤ男「男の子はそうでなくっちゃな!!!」


勇「よ~!秋光!今日はなんかすごいのと遊んでんな!」


秋光「なにしにきた、俺にぶっとばされねぇうちに消えろ……」


勇「えぇ~? だってお前ここ怪我してるだろ?」


SE:ペシッ


秋光「くっ……チッ……目ざとい野郎だ……」


モブヤクザ「!!!先生!もう1人はそいつです!!!」


モヤ男「ま~たガキじゃねぇか。ちょっとまってろ。今こいつぶっつぶして、その次がお前だ。

……いや、面倒だな。よし、二人まとめてこい!好きにうってこーい!」


勇「え?好きにうっていいのかよ?」


モヤ男「ハンディーだよ。その代わり終わったら殺すからな。心してうってこいよ」


勇「じゃ、遠慮なく!」


秋光(一本杉の野郎、なんで無防備に至近距離まで……まさか!)


勇「発!!!!!!」


モヤ男「オボォッ……」


モブヤクザ「ひぇっ!!!先生!?なんで!?」


秋光「寸勁すんけい……てめぇもあの中国人とやりあってたみてぇだな……」


勇「まーな。こっぴどくやられちまったよ。んでっと」


勇、モブヤクザの首元をつかんで秋光の前に


モブヤクザ「ひぇっ……あの、あの…」


勇「ほい、1週間前は仕留めそこなったろ?」


秋光「……ふんっ」


なにもせず消える秋光


勇「ふっ、あいつも素直じゃねぇなぁ。で?どうする?次は俺が相手になるけど」


モブヤクザ「こ、心を入れ替えようとおもいま~~す。この街から、でていきま~す」





ホァン「驚いたね、メリッサ」


メリッサ「すごいわね、ホァン」


ホァンメリッサ「「これなら本気が出せそう(ヨ)(ネ)」」


鬼龍「わかったか?拳道越流けんどうえつりゅうは3日あれば別人と化す……」


メリッサ「き、鬼龍きりゅうさま!?」


鬼龍「コソコソどこにでかけてると思えば……」


ホァン「ご、ごめんなさい……どうしても気になって」


鬼龍「ふっ、まぁいいだろう……龍虎め……まだ武術をやっていたか……もう一度わからせてやる必要があるようだな……」




シーン3 道場

浩一「それで今朝から二宮さんと勇くん、少しよそよそしいんだね……」


勇「い、いや別になんかあるわけでもないけど、師匠もあれから目を光らせててよ……」


浩一「はい、10分たったよ。次はあのロープを使うんだっけ?」


勇「おー!さんきゅさんきゅ!」


龍虎「楓!脇があまいぞ!」


楓「はいっ!」


龍虎「よし。あと100本!勇は体幹トレーニングが終わり次第、俺と組手だ!」


勇「オス!!!」


SE:ガラガラ


鬼龍「相変わらず基礎きそばかりのつまらん鍛錬たんれんだな、龍虎」


龍虎「!!!!!!鬼龍……!」


ホァン「ニーハオ勇!可取的(クゥチュイダ)!いいネ~~この前より闘気が充実してるネ♡」


メリッサ「ハァイ!勇!メリッサもいマ~~ス♡」


勇「でやがったな……!」


メリッサ「そんな邪見じゃけんにあつかわないで、メリッサ泣いちゃいマス」


ホァン「アイヤー!かわいそうなメリッサ!勇、女の子には優しくスル!これ大事ヨ!」


鬼龍「龍虎。決着をつけにきてやったぞ」


勇「てめェが鬼龍か!!!!」


勇、鬼龍に殴りかかる


龍虎「勇やめろ!!」


鬼龍「ワッパがッ!」


SE:殴る(大)

SE:破壊音


鬼龍の側刀(蹴りだよ)が勇の鳩尾に入り、壁まで吹き飛ぶ勇


ホァン「アイヤー。鬼龍様の内震脚ないしんきゃく完全に決まったネ。死んだヨ」


楓「勇ゥウゥウ!!!!」


龍虎「鬼龍キサマァアア!」


勇「師匠待ってくれ!」


勇、片腕をダラりと下げて起き上がる


勇「し、死んでねぇよクソチャイニーズ…」


鬼龍「ほう、見えてなかったろうに殺気で位置を予測したか。だがその肩。外れたな」


浩一「勇くん!大丈夫!?!?」


勇「はは。なんでぇ、大したことねぇな鬼龍……俺はピンピンしてんぞ……」


鬼龍「強がるな。直撃は避けただろうが立っているのがやっとだろう?だがその気合は褒めてやる。少し殺すのが楽しみになったぞ。

……そうだな、龍虎りゅうこ、2週間後の爺さんの命日にでもどうだ?」


龍虎「お師匠様の死をまだ愚弄ぐろうするのか……鬼龍!」


鬼龍「ふっ、まだ過去を乗り越えていないようだな……!」


鬼龍、龍虎、闘気を発して一触即発になる


楓「アンタ!いい加減にしなさいよ!」


鬼龍「……!あの時泣いてた赤子か、大きくなったな……」


龍虎「鬼龍!!楓に話しかけるな!!」


ホァン「おっと、龍虎さ~~ん、見てほしいヨ」


SE:締め上げる音


ホァン、気配を消して浩一の近くへいき首に手をかける。


浩一「う、う……ごめん勇くん……!」


ホァン「動く、この子、死ぬ。好的(ハオデ)?」


勇「て、てめェ……」


龍虎「鬼龍!!!浩一くんは無関係だ!!道場から逃がせ!!」


鬼龍「ふっ。おとなしく話をきいていれば何もせん。」


ホァン「君、も少し体鍛えるヨロシ、こんな細腕ほそうでじゃ何も守れない」


浩一「あ……あ……」ガクガク


勇「浩一…!」


鬼龍「楓、というのか、お前の祖父、両親は俺が殺した。3人ともこの腕で胸を貫いてやったよ。」


龍虎「……!?」


楓「……!」


鬼龍「その様子じゃ龍虎に何も聞いていないようだな。どんな気持ちだ?俺を殺したくならないか?」


楓「……スゥ」(深呼吸)


楓「悔しいけど、私はどう転んでもアンタに敵わない。でも、その口車にはのってあげない。

私だって拳道越流、いいえ。その話を知って思ったわ。私は前当主拳道越流師範代ぜんとうしゅけんどうえつりゅうしはんだいの孫で、現当主の娘なの。

アンタへのこの憎しみも、死んでしまったお父さんやお母さん、おじいちゃんへの悲しみも全部飲み込んで強くなるわ」


龍虎「楓……!」


鬼龍「……やはり、じじいの孫か。」


楓「戦いは2週間後なんでしょう?まさか私が口車にのらなかったからって今襲い掛かったりしないわよね?」


鬼龍「当たり前だ。ホァン!メリッサ!いくぞ。」


ホァン「は~~い!勇、またアル。チュッ」


SE:ガコッ

ホァン、勇のほっぺにキスと同時に肩をはめる


勇「離れろ!!!って、腕が動く……」


メリッサ「あら優しいのネ♡ホァン」


ホァン「勇には万全ばんぜんの状態で僕たちと戦ってほしいからネ」


鬼龍「龍虎、待っているぞ。あの場所でな」


ホァン「サイツェン」


メリッサ「シーユーアゲイ~ン♡」





勇「クソ……俺が感情的につっぱしったせいで師匠も楓も危険にまきこんじまった……」


浩一「僕も怯えて声すらだせなかった……そ、そんなことよりひどいあざだよその腕……!」


龍虎「浩一くん、巻き込んでしまってすまない……」


浩一「い、いえ!それよりあの場所っていうのは……」


龍虎「……昔俺と鬼龍が拳道越流の門下生として共に鍛錬を積んでいた廃道場はいどうじょうだ。今は誰も


勇「ゴ、ゴホッ……」


楓「勇!」


龍虎「!……これはいかん。勇、内臓にズレが生じている、すぐに治療しよう。」


勇「悪い…師匠……」ガクッ


浩一「勇くん!!!!」

楓「勇!」


龍虎「気絶しただけだ。よく1撃で死なななったぞ……勇、よく生きてくれた。」


楓「お父さん……さっきの話って本当?」


龍虎「……あぁ。時がくれば、話すつもりだった。すまない。」


楓「ううん、でも……全部教えて。お父さんのこと……おじいちゃんや両親のこと。そして、鬼龍のこと。」



シーン4 次回予告

浩一「次回予告」


勇「鬼龍の蹴り、今までにくらったことがないほどの力だった……」


龍虎「勇、もう鬼龍には絶対に手をだすな、奴はこの俺の手で……!」


楓「お父さん無理しないで、お父さんにまでいなくなられたら私……」


浩一「次回!轍鮒之急てっぷのきゅう!昨日の敵は今日の友!明日から、どう過ごせばいいんだろう…!」

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