第6話「鮮血淋漓、拳道越流」
二宮 龍虎(りゅうこ)
拳道越流の弟子。
鬼龍とは親友で兄弟弟子でライバル。
16の時から鬼龍と頑鉄の弟子になり、すべての青春を武術にかけてきた。
鬼龍(きりゅう)
拳道越流の弟子。
龍虎とは親友で兄弟弟子でライバル。
西園寺 美幸の夫。初めての彼女でそのままゴールイン
頑鉄(がんてつ)
拳道越流師範代、龍虎と鬼龍の師匠
指導中は厳しいが、普段はひょうきんで優しい。
鬼龍、龍虎にそろそろ道場を継いでもらい隠居したいと考えている
モブ男全部:
モブ女(セリフ一個):
モブ男さんには女セリフもそれっぽく言ってほしい。
モブ男全部なのでモブをやる場合は台本読破後に準備完了をしてもらいたい気持ち
龍虎♂:
鬼龍♂:
頑鉄♂:
モブ♂:
4人
♂:4
シーン0 サブタイトル
龍虎「鉄魂(てっこん) 第6話 「鮮血淋漓(せんけつりんり)、拳道越流。」」
シーン1 結婚式
モブ男「おめでとーう!」
モブ女「美幸さん!素敵よ~~~!」
頑鉄「いやぁ、喜ばしいの、龍虎!」
龍虎「はいっ……!」
頑鉄「なぁんじゃお前さん、もう泣いとるのか!」
龍虎「汗でございます……!お師匠様……!」
頑鉄「ホッホッホ、兄弟弟子同士、いつまでも支え合ってくれ。」
モブ男2「続きまして、新郎の友人である二宮 龍虎様より、友人代表スピーチのお時間です。」
龍虎「は、はい。………え、えぇ~~~き、鬼龍さんとので、で、で、出会いはもう~~~~~」
鬼龍(フッ、アガリすぎだ……)
以下アドリブで龍虎のフェードアウト〆
間
シーン2 ランニングコース
鬼龍「ほっほっほっほ」
龍虎「おい、鬼龍!ペースが速いぞ!」
鬼龍「当たり前だ!1年の記念日だぞ!」
龍虎「わかってる! はぁっ……はぁっ……わかってるが……」
鬼龍「おいおい、まだ歳でもないのに情けないぞ龍虎」
龍虎「まったく……お前は年々化け物になっていくな……」
鬼龍「フハハハ、愛のパワーだ、俺は愛を知ったんだ。う~~~ん美幸~~~~」
龍虎「色ボケめ、まってろ、俺もすぐに……」
鬼龍「まずは相手をみつけるところからだな」
龍虎「くっ……返す言葉もない……ま、ここまで走ればもういいだろ?先に帰ってやれよ。」
鬼龍「む。だが……」
龍虎「1日くらい、それにこんな日だ。美幸さんとは待ち合わせなんだろう?銭湯にでもよってさっぱりしていくべきじゃないか?」
鬼龍「龍虎……そんなこと言って1人でトレーニングを続ける気だろう?」
龍虎「なっ、そ、そんなわけ……
鬼龍「冗談だ、感謝する。」
龍虎「ふっ、さ、いけよ」
鬼龍「あぁ!」
龍虎、鬼龍を見送って
龍虎「よし、今日は倍走るか……」
間
都会の雑踏BGM
シーン3 鬼龍の家
鬼龍「美幸……遅いな……携帯にも折り返しがない……」
prrrrrrrr
鬼龍「はい。」
モブ警察「西園寺(さいおんじ) 鬼龍さんのお電話で間違いないですか? 私坂ノ下警察署のモノですが……」
鬼龍「……美幸が……!?」
シーン4 墓地
環境音 雨
龍虎「鬼龍……」
鬼龍「……通り魔的犯行だそうだ。美幸は汚され、暴力を振るわれ、恐怖に顔を歪ませて死んでいた。」
龍虎「……」
鬼龍「どんな善人でも悪人の気まぐれで地獄に叩き落される。ならばじじいの教えはなんなんだ。だったら、その芽を……!」
龍虎「鬼龍…!」
鬼龍「……すまない。……今は、自分がどうしたいのかもわからん……なぜ、なぜなんだ。美幸は何も悪いことをしていないのに。悪い、龍虎。今は1人にしてくれ。」
龍虎「花だけ、ここに置いておく。鬼龍、俺は何があってもお前の兄弟弟子だ。1人であまり抱え込むなよ。」
鬼龍「……」
シーン5 情報屋基地
環境音 喧騒
モブ情報屋「1週間前にこの辺をうろついていたゴロツキねぇ……」
鬼龍「あぁ。お前はこの辺のすべての防犯カメラ、無線機を傍受し様々な情報を仕入れているらしいな。」
モブ情報屋「ま、間違いじゃないが情報は宝だ。宝に見合う対価はあるの
SE ダンッ
鬼龍「2000万ある。」
モブ情報屋「最高だ、あんたは今日から俺の太いふと~~い客だ。金払いの良い客は好きだぜ。」
鬼龍「事務所に地下室……随分SF的だな。」
モブ情報屋「なぁにいってんの。この機材ちゃんたちはボクの子供だよ。守るために全力を尽くすのは当然デショ」
鬼龍「フッ、面白いな。俺もお前が嫌いじゃない。」
モブ情報屋「で、1週間前……アレだね。親族かい?強姦犯の被害者になった女性の。」
鬼龍「……あぁ。話が早い。どうせ名前もわかっているんだろう?」
モブ情報屋「そりゃもうわかってるよ。居場所、名前、所属、年齢から年収までね。俺もそういう輩は好きじゃないからね。」
鬼龍「本当か!?」
モブ情報屋「あぁ。少しまってな。」
鬼龍「助かる。本当に恩にきる。」
SE:近未来的「フォン」
鬼龍「こいつか……!助かった、また何かあれば頼む。」
モブ情報屋「お役にたててよかったよ。また何か知りたいことがあればいつでもどうぞ。」
シーン6 犯人の家
SE:破壊(ドア)
鬼龍「お前だな。美幸の仇は。」
モブ悪い奴「なんだ!?……誰だてめぇ!」
鬼龍「もう口を開かなくていいぞ。お前はこれから生まれてきたことを後悔しながら死ぬんだ。」
モブ悪い奴「お、おい……来るな!来るな!ぐぎゃああああああああああああああ」
鬼龍「最期に聞かせろ。なぜ美幸を狙った?」
モブ悪い奴「だ、誰でもよかったんです……もう殺してください……」
鬼龍「誰でも……よかった……」
モブ悪い奴「うぎゃあああああああああああ」
鬼龍「まだまだ楽しめそうじゃないか。天国の美幸に聞こえるくらい大きな声を出して死んでいけ。」
シーン7 道場
頑鉄「……この気配は……」
鬼龍「よう、爺さん。」
頑鉄「こ、この血の匂い……いったい何人殺した!バカ弟子め!」
鬼龍「俺は気付いたのだ・・・・・・武とは何かを。真の武とは……絶対的な力、これを振るわずして本当の武とはいわん。」
頑鉄「美幸さんのことは本当に残念じゃった、だが、それがお主の目指した拳道越流か!?ワシの伝えたものはそんな儚いものじゃったのか!」
鬼龍「そういうと思ったよ、爺さん。だからプレゼントを用意したんだ。」
鬼龍、抱えていた袋を投げる。中から頑鉄の息子夫婦の死体。
頑鉄「ま、昌義(まさよし)……良子さん……!」
鬼龍「俺と同じ気持ちだろ?爺さん。」
頑鉄「キサマ………!!!コォォオ……スゥ……。
ワシは今お前を殺したいほど憎いと思ったが、お前を叩き伏せもう一度拳道越流がなんたるかをおしえてやる。」
鬼龍「さすがは師範代。怒りを飲み込んだか……こい、爺さん。最期の手合わせと行こう。」
重いSE お互いに一撃一撃に一般人が死ぬレベルの打撃を重ね合わせていく
シーン8 楓の家
龍虎「な、なんだこの血の匂いは……」
SE:赤ちゃん
龍虎「はっ……楓ちゃん……!くッ……昌義くん……良子さん……!無事でいてくれ……
このかすかに残る闘気……ここにいたのか……?鬼龍……!」
シーン9 道場
鬼龍「ぐっ……」
SE:殴り(大)
頑鉄の一撃に膝をつく鬼龍
頑鉄「はぁ……はぁ……殺気に塗れ乱れたその拳ではワシは殺せん……」
鬼龍「は、はぁ……はは……爺さん、やっぱりアンタは俺の師匠なんだな……」
頑鉄「ふっ、わかってくれたか。鬼龍。お前はまずは罪を償うのじゃ……」
鬼龍「爺さん……」
鬼龍、差し伸べられた手をつかみ、反対の手で頑鉄の胸に抜き手を放ち、貫く
頑鉄「がふっ……鬼龍……」
鬼龍「拳道越流を本物の武、殺人拳として伝承してやる。」
頑鉄「か、楓は……」
鬼龍「孫の心配か?ふっ、せめてもの情けをかけてやった。もう一人の愛弟子がもうすぐここに連れてくるんじゃないか?」
お包みを抱いた龍虎が道場に入る
龍虎「お、お師匠様!!!」
頑鉄「ふっ……これも武道家の宿命かもしれん……息子たちを守れなかったのが……無念じゃ……鬼龍、ワシは……」
龍虎「お師匠様ァァア!!!……鬼龍お前……許せんぞ……昌義さんや良子さんまで……」
鬼龍「ふっ、何を許してもらう必要がある。拳道越流は俺一人でいい。なぜなら、俺に敵う可能性があるのはこの拳道越流だけだからな。」
龍虎「鬼龍ゥゥウウ!!」
龍虎VS鬼龍
モブナレ「猛攻の鬼龍に対し、後の先(受けてから攻撃をすること)で対応する龍虎。
だが、心の乱れからか攻撃に繊細さをかける龍虎に鬼龍がたたみかける」
鬼龍「どうした、拳道越流一番弟子龍虎。爺さんはどれだけ動揺をしていてもすべてそれを飲み込んでいたぞ。」
龍虎「お、お師匠様……!鬼龍……拳道越流をすてたか!」
鬼龍「過去を断ち切るためだ。そしてすでに乗り越えたぞ俺は。わかるか?純粋な殺意として激情を纏った俺の拳が。決して埋められない差が。」
龍虎(たしかに……お師匠様と戦い満身創痍のはずなのにまったく敵う気がしない……だが)
龍虎「負けるわけにはいかん!!!」
鬼龍「こい。友よ。」
龍虎、初めて自分から攻撃に転じるも、鬼龍の一撃をくらい倒れる
トドメをさそうとする鬼龍
SE:赤ちゃん
ピタリと止まる鬼龍
鬼龍「……お前など殺す価値もない。武をやめろ。俺は俺流の拳道越流を極め、伝承する。弱い武など存在するに足らん。」
龍虎「き……鬼龍……ぐっ……お、お師匠様……」
ピーポーピーポー音
シーン8 次回予告
頑鉄「次回予告じゃ!」
龍虎「私と奴の因縁はまだ終わっていない。そして秋光くん。君にはやつのようになってほしくない。」
龍虎「勇、お前と楓だけは、必ず俺が守って見せる。」
龍虎「そして、鬼龍。お前だけは……」
鬼龍「次回「衣鉢相伝(いはつそうでん)、ホァンとメリッサ。」明日が本当に来ると思っているのか?」
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