第2話「厚貌深情!優等生の裏の顔!」

フードの男(秋光):

高1 17歳

勇と同じ学校に通う文武両道の優等生。

誰にでも人当たりがいいので学校でかなりモテている。

だが裏の顔はヤクザやチンピラを憎み、再起不能になるまで叩きのめす男。



鬼龍(きりゅう):

年齢 41

裏社会で恐れられている武闘家。

流派は拳道越流と自称している。

残忍で目的のためなら手段を択ばない極悪な性格。


五国寺 貴美(ごこくじ たかみ):

高2 18歳

私立フロンティア高校で負けなしのスケバン。

キックボクシングスタイルだが、特殊警棒の扱いにも長けている。


拓郎

貴美の舎弟。図体がでかいが意外と小心者。強くてかっこかわいい貴美にあこがれてフロ校に入学、

華々しく不良ムーブをかますつもりが一本杉勇の手によってわからせられた



正樹

貴美の舎弟。すらりとした長身で目つきが悪く、素行も悪い。すぐに手が出る。強くてかっこかわいい貴美にあこがれてフロ校に入学、

華々しく不良ムーブをかますつもりが一本杉勇の手によってわからせられた


秋光(フード)♂:

鬼龍♂:

貴美♀:

モブヤクザA、拓郎♂:

正樹♂:

ナレ不問:

6人

♂:4 ♀:1 不問:1


使用SE

SE:コツコツ足音

SE:銃声

SE:鈍い音

SE:ブンッ(ものを投げる)

SE:ビンタ


シーン0 サブタイトル

秋光「鉄魂(てっこん) 第2話「厚貌深情こうぼうしんじょう!!優等生の裏の顔!」」


シーン1 事務所

ナレ「ここ数カ月、小規模しょうきぼ暴力団事務所ぼうりょくだんじむしょ襲撃しゅうげきにあう事件が急増きゅうぞう

警察では敵対組織てきたいそしきの犯行としてその行方ゆくえを追っていたが、実際は1人の武術家ぶじゅつかの犯行であった」


フードの男「あとはお前だけだな」


SE:コツコツ足音


ナレ「事務所に入るやいなや仲間を全員倒された男は、胸にしまっていた拳銃けんじゅうを取り出し構える。

そして自分を鼓舞こぶするように大声で男に向かって叫ぶ」


モブヤクザA「こ、こんなフザけたガキにナメられてたまるかよ!!」


SE:銃声 2、3発


ナレ「しかし、得体えたいのしれない男に怯えているためか、発砲された弾はフードの男には当たらず空しく硝煙しょうえん銃口じゅうこうから立ちのぼるのみとなった」


SE:コツコツ足音


フードの男「おいおい、こんなフザけたガキに怯えて明後日の方向に発砲してるぞ」


ナレ「フードの男は言い終わるやいなやヤクザに詰め寄り、拳銃を弾き飛ばすと同時にローキック。

姿勢の崩れたヤクザの顔を踏みつけるように蹴り押しそのまま床にたたきつける」


SE:鈍い音


モブヤクザA「う、うごぉ……」


ナレ「うめき声をあげるヤクザの顔にトドメと言わんばかりに蹴りを放ち、男はひとちた」


フードの男「フン、ここはこんなもんだな」


鬼龍「粗削あらけずりだがいい殺気じゃないか」


ナレ「突如とつじょかけられた声に振り返ると、吐き気がするほどの死臭ししゅう異様いようなまでに禍々まがまがしい闘気とうきを放つ男。」


フードの男「まだ残ってやがったか……」


鬼龍「フッ、中々面白いショーだったぞ」


ナレ「動揺どうようこそは見せなかったものの、フードの男は焦っていた。真後ろにいる男の気配けはいに今の今まで気づくことができなかったからだ。

そして、そのプレッシャーから、男が自分よりも遥かに強いという確信に、一瞬湧いっしゅんわた恐怖心を自制心じせいしんで握りつぶす」


フードの男「てめェ……なにもんだ。」


鬼龍「俺は鬼龍きりゅう。お前のようにスジがいい奴を鍛えるのが趣味な通りすがりの武道家ぶどうかだ」


フードの男「そうか、じゃぁ死ね」


ナレ「付近にあった固定電話こていでんわを目くらましに投げつけ、同時に一撃を当てようと前進。

だが、すべての動きを鬼龍きりゅうに読まれていたのではないかと錯覚するほどに綺麗に投げ飛ばされ、事務所じむしょの壁にたたきつけられる。

すぐに受け身をとり構えるが、その攻防こうぼう戦闘力せんとうりょくの差を思い知り、心中で覚悟かくごをきめた」


フードの男(ここまでか……)


鬼龍「ほ~~う!死の覚悟までしたか、いいな、やはりいい。お前は俺のもとにくるべきだ。今よりもっと強くなれるぞ、どうだ?」


フードの男「ハッ、お断りだな。俺はてめェみてぇな奴を全員ぶっ殺すために生きてんだよ」


鬼龍「それは残念だな、気が変わったらいつでも連絡していいぞ、三菱みつびし 秋光あきみつ拳道越流けんどうえつりゅうの全てを叩きこんでやろう」


フードの男「なっ……どうして俺の名前を!」


鬼龍「ではな」


フードの男「待て!」


ナレ「秋光が追いかけようとするも、既に鬼龍の姿も気配もどこにも感じられなかった。

秋光は見逃してもらった、という屈辱くつじょく安心感あんしんかんが混ざった感情の息を静かに吐き、汗で湿しめったひたいぬぐう。」


フードの男「拳道越流けんどうえつりゅう……?一本杉いっぽんすぎがいつも話してる流派りゅうは……あいつはあんな男に武術を教わっているのか……!」


ナレ「騙された、という重くどす黒い感情が秋光の心中しんちゅう渦巻うずまく。強く強く拳を握りしめ、秋光は決意した。」


フードの男「一本杉……どうやらてめェもぶち殺さなきゃいけねぇみてぇだな……」



シーン2 体育館裏

拓郎「思えば俺たちの不良生活、何もうまくいってないぜ……」


正樹「あぁ……つか今の俺たちを不良と言っていいのかもわからん……」


正樹「4月も1年からカンパしてやろうと思ったら1人目があいつで……」


拓郎「『入学初日からカツアゲなんてしてんじゃねぇ!正義の鉄拳てっけんをくらえ!』とかいってボコられて……」


正樹「それからはもうめちゃくちゃだ……1年の不良は全員あいつのペースに巻き込まれて」


拓郎「ほとんどが普通に部活動にせいを出す優等生になっちまったな……」


正樹「それもこれも全部一本杉のせいだ!」


拓郎「あと二宮にのみやだ!あの女も悪い!」


正樹「二宮にのみやはかわいいからいいだろ」


拓郎「は?貴美たかみさんのほうがかわいいだろ」


正樹「お前マゾだもんな」


拓郎「ッは~~~!おこちゃまはわかってねぇな、大人の魅力がよ!」


正樹「1個上を大学生のお姉さんみてぇにいってんじゃねぇよ!」


拓郎「やぁんのかテメェ!」


正樹「上等だ!!くさえんにケリつけてやるよ」


拓郎「こっちこそケツの穴に手ぇつっこんで奥歯ピーピー言わせてやるよ!」


正樹「耳の穴に足つっこんで尻の穴ガタガタいわせてやろうかこの野郎!!!!」


拓郎、正樹、メンチをきりあいながら威嚇


拓郎「あ”~~~~!?」


正樹「お”~~~~~!?」


拓郎&正樹「「え”~~~~~~!?!?!?」」


貴美「ピーピーうっさいねバカコンビ!アタシを体育館裏に呼び出そうだなんていい度胸どきょうしてるじゃないか、ボコられたいのかい?」


拓郎「貴美たかみさん!!!」


正樹「聞いてくださいよ!貴美さん!拓郎のやつまた一本杉にナメられたんですよ!」


貴美「あぁ?入学式でアンタらボコったってやつかい?まさか……ビビって喧嘩もせず逃げてきたのかい?」


拓郎「い、いやだってアイツ強


正樹「拓郎が逃げ腰だったから!!俺は見逃してやったんですよ!!」


拓郎「てめェもビビってただろうが!!!」


拓郎「あ”~~~~!?」


正樹「お”~~~~~!?」


拓郎&正樹「「え”~~~~~~!?!?!?」」


貴美「不良やってんならナメられるようなことしてんじゃないよ!不良はメンツだろうが!」


SE:パンッ(ビンタ)

SE:パンッ(ビンタ)

2人の顔を張り手する。


拓郎「うぅ……」


正樹「いでぇ……」


貴美「ふんっ!……年下虐とししたいじめる趣味はないがナメられっぱなしじゃ気分もよくないね。2、3年の男どもは大体ボコってやったし、その一本杉もへし折ってやろうか!!」


正樹「やってくれるんですか貴美さん!」


拓郎「さすが貴美さん!最高ッス!」


正樹「姉御!」


拓郎「大統領!」


拓郎「貴美さんにかかればあのイッポングソ野郎も終わりだな!」


拓郎、正樹、わいわい喜ぶ

一通り喜んだら次セリフどうぞ


貴美「そうだ、話は変わるんだけどアンタら、フードの男って知ってるかい?」


正樹「フードの男?」


貴美「あぁ。ここらの不良やヤクザ、かたっぱしからボコってるって噂のヤベぇ奴だ。」


拓郎「いや、まったく知んないッス」


貴美「アンタらほんっとアンテナ弱いね……噂によると、ゴロツキみかけちゃステゴロでぶっ飛ばしてるって話だよ。」


拓郎「ヤンキーを狙う……」


正樹「喧嘩の強いやつ……?」


拓郎&正樹「「一本杉だ!!!!!」」


拓郎「貴美さん!きっとそれも一本杉ッスよ!」


正樹「そんな暇人あいつしかいねぇッスよ!!」


貴美「本当かい?アンタらの話は半分……いや、5分の1くらいがちょうどいいからね……」


拓郎「まぁちがいないッスよ!」


正樹「そうッスよ!」


貴美「ま、そのへんも一本杉ってやつにきいてやるかな」




正樹「次回予告!」


拓郎「貴美さんにかかればあの一本杉も終わりだぜ!」


正樹「そうだ!ついでに二宮もしおらしくなるだろうな~~!」


貴美「次回、男子禁制!最強を決めるキャットファイト! 明日こそ私が一番強いってトコをハッキリさせてやるよ!」

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