第36話・かいちょう

律子と四ノ宮は、校庭で駆けっこ勝負をする事になった。


律子「ミナいつでもいいわよ」

四ノ宮「負けないわ!」

ミナ「二人共…本当にやるの?」


ミナはスターター(陸上競技でスタートの合図する人?)を頼まれたが気が乗らなかった。


ミナ「仕方ない…早く終わらせてよね?バレたらヤバいんだから…」

律子「軽く一捻ひとひねりよ!」

四ノ宮「え面かかせてあげるわ!」

ミナ「はい…では…位置について……よーいドン!!」


ミナの掛け声と共に二人は疾走しっそうした。

何故なぜ、陸上部に入らないのか不思議なほど速く、勝負はデッドヒートしていた。


律子「ターッ!!」

四ノ宮「むぐぐっ!!」

律子「わたしの勝ち!!」

四ノ宮「くっ!?負けた…」


その姿を見て、ミナはやきもきしてキョロキョロと周囲を確認していた。


律子「フフフ、まさに敵なしね」

四ノ宮「次は勝つ!!」

ミナ「リッちゃんたち危ないな…こんな所をあの人が知ったら…」


謎の声「美波みなみさん?」

ミナ「え!?か…会長!!??」


ミナは振り返り思わず敬礼した…この学校の生徒会長はとても強い権力を持ち、女生徒の憧れと畏怖いふまとなのである。


生徒会長「放課後の校庭は野球部もサッカー部も使用してるから走り回っては危険よ、今度やったら校庭は出禁にするからそのつもりで……」

ミナ「は…ハイ!!!!」


ひと勝負を終え、律子は晴れやかな顔でミナの元に来た。


律子「見た!?今の走り??」

ミナ「ええ…見ましたとも…会長もね……」

律子「かいちょー?うん、快調な走りだったでしょう?」

ミナ「いや…その、かいちょうではなくて……」


ミナは生徒会長の恐ろしさを律子に伝えようとしたが……


律子「もうかよわくないでしょう?」

ミナ「リッちゃん、会長を怒らすと本当に…」


野球部員「オ〜ライ、オ〜ライ!」


バキッ!!


不意に律子の顔面に野球のボールがヒットした…


律子「キュ〜……」

ミナ「リッちゃん!!言わんんこっちゃ無い!!」

野球部員「お〜い…大丈夫??」


そこへ、福座ふくざ 津奈つなも現れた。


津奈「また倒れたの?相変わらずのかよわさね?」

ミナ「福座ふくざさん!?違うよ!?コレは…その…かよわくないよ!!多分……」

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