第35話・真人間

律子は百点を取り調子に乗った事を、ミナに謝った。


律子「ねえミナ~調子に乗った事は謝るからさ~もう許してよ~」

ミナ「別にもう怒って無いよ……」


とはいえ、ミナは難しい顔をしていた。


律子「じゃあ何でそんな顔してるのさ?」

ミナ「だって…リッちゃんったら、やれば出来るじゃない?何で本気で勉強しないの?」

律子「そ…それは…わたしだってカンペ作りが勉強になってるなんて思わなかったし……」

ミナ「リッちゃんには合ってる勉強法なんだよ」

律子「いやいや…それは無いでしょう?」

ミナ「コレを機会に本気で勉強したら?」

律子「アンタまぐれって言ってたじゃん」

ミナ「最初はそう思ったけど」

律子「馬鹿馬鹿しい、勉強なんて金輪際お断りよ」


あきれ顔で去ろうとする律子にミナが言った。


ミナ「もう…待ってよリッちゃん良く考えてよ」

律子「これ以上、何を考えるのさ?」

ミナ「あのおバカでアホの代名詞なリッちゃんが、まぐれでもここまで駆け上がったんだから」

律子「アンタ…相変わらず突然な毒舌ね……」


ミナは泣き出し律子に訴えた。


ミナ「うぐっ…あまりのアホさに高校生にもなれないんじゃないかと、毎日思い悩み心配した日々……」

律子「ちょ…ちょっと!?大げさだよ……」

ミナ「うう…バカさ加減に拍車をかけて、小学校すら卒業出来ないんじゃないかと……」

律子「ど…毒舌すぎて…つらい……」


突然ミナは律子の両肩を掴み宣言した。


ミナ「おバカでアホのリッちゃんは今日で卒業!!」

律子「ちょっ…アンタ…いい加減に……」

ミナ「今こそ真人間に!!!!」

律子「なっ!?真人間??わたし不真面目なの??」


盛り上がるミナを尻目に友人の安田が現れた。


安田「どうしたの?この騒ぎは?」

律子「いや…ミナが勝手に盛り上がっちゃって……」

ミナ「今日から真人間になるぞ!!オー!!!!」

律子「お…おー……」

安田「????」

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