第34話・調子こき

勉強せずに百点を取った……

律子は大いなる勘違いで、調子に乗りクラスメイトに自慢していた。


律子「いや~アハハハ~勉強なんかしなくても百点取れるんだね?」

男子生徒1「スゲーな…」

女子生徒1「勉強してないの!?」

男子生徒2「天才だぜ」

女子生徒2「リッちゃん凄い!!」


親友の調子こく姿を見て、ミナは悩んだ。


ミナ「…………」

安田「ちょっとミナ…いつまで勘違いさせてるのさ?」

ミナ「でもさ…勉強嫌いのリッちゃんが実は勉強してました…なんて言ったらショックが大きいんじゃないかな?」


二人は知っていた…律子が異常なまでに勉強を拒んでいた事を……


ミナ「もう少し様子を見ようよ」

安田「そ…そうね……」


しかし、律子の勘違いの調子こきは次第にエスカレートしていた。

その勘違いは遂にミナのライバルである根倉さえも一目置く……


根倉「アンタ!!聞いたわよ!!百点取ったらしいわね!?学問の叡智である参考書を読みあさったの!?」

律子「フフフ、聞いて驚け!!わたしには、ガクモンのエーチとやらも必要無しよ!!勉強せずに百点!!」

根倉「むぐぐぐ…三番目の下僕の癖に……百点は事実だし、一応認めてあげるわ…」

律子「オホホホホ~!!」


そして……転校生の津奈や圭までも…


津奈「中川さんって実は頭良いの?カンニング必要ないじゃん」

圭「勉強しないで百点取ったの?凄いな~」

律子「そうなの、もう才女って感じ」


律子の調子こきは臨界点に達していた。


安田「アレ…かなり調子こいてるんじゃない?」

ミナ「う~ん……これ以上はさすがに…」


そして遂に律子は、ミナの耳に入れてはいけない一言を発した。


律子「これなら学年トップなんて楽勝よね?」


その瞬間ミナの顔から表情が消えた……


安田「リッちゃんたら、あんなこと言ってるよ…ミナ~あれでいいの?ミナ?」


ミナは不思議なオーラ?を発して律子にゆっくり近づいた。


律子「才能って罪よね~オホホホホ~!!」

津奈「なんか…調子に乗りすぎじゃない?」

圭「まあ…ちょっとね…」

津奈・圭「!!??」

律子「もう先生って呼んじゃって?あれ?二人共どうしたの?」


津奈と圭は律子の背後にいるミナの、ただならぬ気配に青ざめた…


ミナ「リッちゃん…少し黙ろうか……」

律子「え?ミナ?……」


ミナの表情は無く律子には、その姿がいつもより大きく感じた…


ミナ「まぐれで百点取ったおバカさんが……」


ミナは表情の無い顔で律子に迫った。


律子「み…み…ミナ!?…ひょ…表情が無いよ!!!!」


更に律子の目には表情の無いミナが巨大化して見えた。


ミナ「勉強の事で知ったふうな事を言っちゃダメよ……」

律子「ひ~っ!!??ゴメンなさい!!!!許して!!!!」


律子は、あまりの恐怖に勘違いと調子こきから目を覚ました……

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