第31話・彼氏彼女?

学校の廊下を歩く律子に突然、四ノ宮が話しかけて来た。


四ノ宮「つまんない!!」

律子「なっ!?突然何よ??」

ミナ(あーまたいつものやつかな?勝負って…)


律子と四ノ宮は昔から…正確に言うと幼稚園の頃からの仲だが常に何かにつけて勝負をする関係だった。最近はほとんど四ノ宮の方から一方的に勝負を仕掛ける事が多かったけど……今回もまたそのたぐいだとミナは思った。


四ノ宮「最近のアンタってかよわくて全然勝負にならいないもの」

律子「何を勝手に決めつけてるのさ??」


四ノ宮は、がっくりと肩を落とした……。


四ノ宮「おまけに彼氏まで出来たじゃない…やってらんないわ…」

律子「彼氏?誰の事?」


律子に彼氏と聞き、恋バナ好きのミナは目を輝かせた。


ミナ「リッちゃん彼氏が出来たの?誰?誰?」

律子「知らないわよ……」

四ノ宮「転校生の天然男子よ」

ミナ「え??リッちゃん圭くんと付き合ってるの??」

律子「だから…知らないって……」


そこへ圭が通りかかった。


圭「ねえ?僕のこと呼んだ?」

律子「ちょっと……話がややこしくなるから出て来ないでよ…」

四ノ宮「早速おでまし?仲が良いこって…」


四ノ宮は圭の事を見て言った。


四ノ宮「こんな天然フワフワ男子のどこが良いのよ?」

圭「いや~照れるな~」

律子「圭くん…それ全然褒められてないから…」

四ノ宮「アンタにこの子の面倒見れるの?」

圭「アハハハ~まあね~」

律子「マジか!?面倒見てくれるの??」

圭「いや~どうかな~面倒だしな~」

四ノ宮「アンタら本当に付き合ってるの?」

律子「だから…知らないって…」


律子は圭に言った。


律子「だいたいさっきから何で否定しないのよ!?」

圭「なんか面白そうだから」

律子「何が面白いのよ!!」

圭「アハハハ~」

ミナ「夫婦喧嘩みたいね…」

四ノ宮「見てらんないわ…」


律子をからかう圭の前に双子の姉である津奈が現れた。


津奈「圭!!アンタって前の学校でも、そんなふうに女の子をもてあそんでたわね!?」

圭「津奈~人聞きが悪いよ、僕はただ仲良くしたいだけだよ」

律子「紛らわしいから勘弁してよ…」


事態を把握した四ノ宮が律子に言った。


四ノ宮「どうせそんな事だと思ってたわよ、アンタに男は早いのよ」

律子「その割には随分と悔しがってたじゃない!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る