第27話・そっけない福座さん

律子は、隣の席の転校生、福座ふくざ 津奈つなを誘ってみた。


律子「福座さん、今日わたしの家に来ない?」

津奈「ゴメン、今日は用事があって行けないのよ」


翌日……


律子「移動教室の場所わかる?一緒に行こうよ」

津奈「知ってるよ、一人で行ける」


更に翌日……


律子「ねえ?一緒に帰ろう?」

津奈「急いでるから、先に帰るね」


その更に翌日も……


律子「ねえ?福座さん」

津奈「トイレに行くわね」


律子のことごとく玉砕する姿に、親友のミナも哀れに思った……


ミナ「あの…リッちゃん……」

律子「ミナ~!!福座さんが全然相手にしてくれないよ~!!」


律子はミナの胸の中で泣いた……


ミナ「いや…別に…嫌われては、いないと思うよ……」


そこへ、津奈の双子の弟、圭が現れる。


圭「津奈は群れるのが嫌いで、一人でいるのが好きなんだよ」

律子「でも…転校したての時は、もっと仲良くしてたのに…」

ミナ「そうね…ぶっ倒れたリッちゃんを、良く介抱したよね?」

圭「そうなんだよ、津奈はかよわい子の世話をしたがるんだよ」


それを聞き、ミナが律子に答えた。


ミナ「良かったねリッちゃん」

律子「え?なんでさ?」

ミナ「最近のリッちゃん、かよわいから福座さんの前で、情けなくぶっ倒れたらいいのよ」

律子「またそれ?……」

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