第23話・ふくざつな事情
ミナが、律子の家庭教師を名乗り出た。
将来、高校生になれるかも微妙な親友への友情である。
しかし…当の律子は……
律子「まだ来てないわね……」
律子は、ミナの目をかいくぐり走った。
律子「フフフフ、駆けっこは得意なのよ
ミナには負けないわ」
余裕の表情で逃げる律子だが…
ミナ「どうせ、こんな事だと思ったわよ」
律子「ゲッ!?ミナ??どうして??」
律子の逃走する場所に、ミナは待ち構えていた。
ミナ「何年親友してると思ってるの?
リッちゃんの事なんて、幼稚園の頃からお見通しよ」
律子「ぐっ!捕まるもんですか!!」
ミナは、背を見せ逃げる律子の
チャームポイントでもある長いポニーテールを掴んだ。
グイ!!
律子「痛たたた…」
ミナ「逃がすもんですか!!」
律子「わかった!わかったから…優しくしてよ!鬼!!」
ミナ「ダメよ!!一緒に女子高生になるんだからね!!」
律子「言ったって、まだ小学生じゃん…急ぐ必要ある??」
ミナ「リッちゃんの学力じゃ、小学生も留年よ!!」
いや…義務教育を留年は…流石に無いと思う……
ミナ「さあ!今日も勉強よ!!」
律子「痛いよ!優しくして!!鬼!!」
ミナ「鬼で結構!!」
その二人のやりとりを見た周囲の人は……
通りすがりの人1「ねえ?アレ酷くない??」
通りすがりの人2「あの子…いじめられてるのかしら??」
と…噂したが……
ミナ「一日さぼれば三日の遅れ!!」
律子「わかったわよ……って…アレ?」
ミナ「アレ?誤魔化そうとしても…」
律子「でもアレ見てよ、ミナはああ言うの好きでしょう?」
二人の視線の先に、公園が見えたが
ベンチに座る女の子と、話しかける男の子がいた。
律子「あの二人、きっと付き合ってるんだよ」
ミナ「そ…そうかな……」
律子は、大の恋バナ好きであるミナを焚きつけた。
律子「ミナの大好きな恋バナの匂いがしない?
確かめて来たら??」
ミナ「でも…あの二人…どこかで見たような…」
律子「気のせいだよ…早く行けば?」
ミナ「うん、行く…リッちゃんとね」
律子「え??」
グイ!!
律子「痛たたた!!」
ミナは、律子のポニーテールを引っ張り
二人の元へ近づいた……
圭「あれ?二人共?」
津奈「何よ、アンタ達?」
その二人は、転校生で双子の姉弟である。
ミナ「なんだ…福座さんと、圭くん?」
律子「ちょっと!ミナ!優しくしてよ!痛いって!」
二人は、律子とミナの騒ぎにキョトンとしていた。
ミナ「兄弟で、恋バナは無理だよ
やっぱり家で勉強やろうよ?」
律子「いや…でも…その…そうだ!
この二人姉弟なのに、何故別々の苗字なの??」
ミナ「今更だけど、確かに……」
律子の疑問に二人は答えた。
圭「あ~、それはね」
津奈「両親の大人の都合ってやつよ」
その言葉に、ミナは衝撃を覚えた。
ミナ「大人の恋バナ!!??」
圭「え?別に恋バナとは……」
津奈「
圭「だよね、パパもママも別れたし」
ミナ「大人の
律子(楽しそうな恋バナね……)
律子は、逃げた……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます