第22話・家庭教師のミナ

下校時…ミナは憤慨していた。


律子「ねえ?ミナったら、どうして怒ってるの?」

ミナ「…………」

律子「勝負に負けたのを、気にしてるの?」


ミナは無言で答えなかった。


律子「ミナと根倉さんは、百点で引き分けだし

負けたのは、わたしがバカなだけだよ」

ミナ「…………」

律子「そんなの気にしちゃダメだって」


ミナは律子の問いかけを無視して歩き去った。


学校にて……


安田「え??じゃあ、ミナと三日も口をきいてないの??」

律子「そうなのよ…」


律子は友人の安田に相談してみた。


律子「勝負に負けて悔しかったみたい…

話しかけても、つついても全然ダメ」

安田「それって別の理由だよ…」

律子「別のって?」

安田「アレだよ、打率三割とか言ってふざけた事だよ

早く謝りなよ」

律子「別にふざけては…」


しかし…下校時間…ミナはどこにもいなかった。


律子(謝りたくても、ミナは先に帰ってるし…)


廊下で男子生徒達の話が、律子の耳に入った。


男子生徒1「家庭教師が来るんだよ、最悪だぜ」

男子生徒2「マジで??お前、週三回も塾に行ってるだろ?」

男子生徒1「こないだのテストの結果がマジで悪くてさ

ママがカンカンに怒っちゃって…」

男子生徒2「悪いってお前の成績は、クラスで五番だろ?」

男子生徒1「一番じゃなきゃ意味が無いってさ」

男子生徒2「俺もゲーム辞めて、少し勉強しようかな…」

律子「……………」


そして、家路につく律子……


律子「ただいま~……」

律子の母「おかえり、ミナちゃんが来てるわよ」

律子「え!?ミナが??」


部屋には、腕組をして椅子に座りミナが待っていた。


ミナ「おかえり、リッちゃん」

律子「ミナ…あのね…わたし……」

ミナ「わたし、決めたの」

律子「え?まさか…絶交??」


ミナは、大量の参考書を出した。


律子「へ?…こ…コレは?…」

ミナ「今日からリッちゃんの家庭教師になります!!」

律子「ちょっと!!嘘でしょう??ミナ!!??」

ミナ「先生と呼びなさい!!」


ミナは律子の家庭教師になった……

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