第7話・ふくざつなかんけい

その日、先生が男子生徒を連れて来た。


先生「転校生を紹介するよ…えっと……」

転校生「かん けいです!よろしく~!!」


男子生徒は元気に挨拶をした。

二人目の転校生にクラスはざわめく…


律子「また転校生?同じクラスに二人目なんて珍しいね?」


律子は隣の席の同じく転校生、福座ふくざ 津奈つなに尋ねた。


津奈「アイツ…何でここに……」


律子は津奈が焦っているのを見て不思議に思った。


律子「ねえ?あの子、知ってるの?」

津奈「し…知らないわよ…他人の空似ね……」

律子「でも…あの顔……どこかで…」

津奈「どこにでもいる、とぼけた顔よ…」


律子は津奈の態度を不審に感じた。


先生「君の席は、あの堂々と居眠りしている石川くんの隣だ」

圭「わかりました!あのしまりの無い寝顔をした人ですね?」


石川くんとは、実に不思議な男子生徒で一日中ほとんど寝てばかりいる…いや一年中寝てばかりいる為、誰も起きてるところを知らないミステリアスな生徒だった。


圭「お~い!津奈~!僕もこっちに来たよ~!!」

津奈「圭のバカ……」

律子「向こうは知ってるみたいだよ」

先生「出席を取るから早く座りなさい」


津奈は、バツの悪そうな顔をしていた。


律子(え?今、名前で呼びあってた?もしかして二人は付き合ってるの?)


律子は顔が赤くなった。


津奈「ちょっと……顔が真っ赤よ大丈夫?また調子が悪いの?」

律子「へ…平気…これは、別件だから大丈夫…」


休み時間、律子とミナは廊下で津奈と圭を見かけた。


ミナ「リッちゃん、福座さんと関くんがいるよ」


二人は、何かを言い合っていた。


津奈「なんでアンタまで、この町に来るのよ」

圭「津奈がいるからさ、当然だろ?」


ミナは、二人の距離の近さを不思議に感じた。


ミナ「ねえ、あの二人やけに近いよ、付き合ってるのかな?」

律子「し…知らないよ…うちらと関係ないじゃない……」


律子は再び顔が赤くなった。


ミナ「わたし聞いてくるね!!」

律子「ちょっと、ミナ!!やめなさいよ!!」


津奈と圭はミナの問いに答えた。


津奈「付き合ってるわけないよ、そんな事したら家族会議ものだよ」

圭「そうだね~まあ、一緒に住んではいるけどね」

ミナ「何それ?変なの…」

律子(付き合うのに家族会議?複雑な家庭ね…でも一緒に住んでる?この子達の関係って……あれ?)


律子は、二人の事で何かに気付いた。

福座 津奈(ふくざ つな)関 圭(かん けい)……。


律子「二人合わせて…ふくざつなかんけい?複雑な関係!!??」


律子は考えが追い付かず倒れた。


ミナ「リッちゃん!!??」

津奈「中川さん!?また倒れるの!!??」

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