第4話・かよわくない!!

律子は保健室に担ぎ込まれた。


律子「先生…お世話になりました…」

保健室の先生「お大事にね」


保健室の先生に礼を述べ去って行く律子…。


律子「なんか、いろいろ最悪……転校生を幽霊だと思った挙句あげくに、ビビリまくって気絶して保健室に担ぎ込まれるなんて……」

津奈「あれ?中川さん?」


律子の前に転校生の福座ふくざ 津奈つなが現れた。


律子「ふ…福座さん……」

津奈「調子はどう?心配だから様子を見に行こうかと…」

律子「大丈夫です…保健室まで運んでくれて、ありがとう……」


律子は恥ずかしさで一杯だった。なんせ自分がビビりまくってた当人に、保健室に担ぎ込まれたのだ…。


教室に戻ると親友のミナが心配そうに律子を迎えた。


ミナ「リッちゃん!!もう平気なの??」

律子「ま…まあね……」


席に座る律子だが、隣の席に座るのは自分を保健室まで運んだ福座ふくざ 津奈つなだと思うと恥ずかしくて彼女の顔を、まともに見る事が出来なかった。


津奈「あなた顔が赤いよ調子が悪そうね?」

律子「いえ…平気ッス……」

津奈「でも大丈夫だよ前の学校にも同じ子がいたの」

律子「え?どんな子?」

津奈「病弱で体力なくて、とってもかよわい子」

律子(な…なんですと!!??)


律子はショックだった。自分は元気と健康と体力が自慢だったハズだからだ……


下校時間……親友のミナと友人の安田の前で律子は、かなりご機嫌ななめだった。


ミナ「福座さんがリッちゃんの事、病弱でかよわい子って思ってるみたい」

安田「ありえないけど…何でキレてんの?」

律子「わたしの自慢は、運動神経と健康体よ!かよわいなんて冗談じゃないわ!!」


律子の叫びに、ミナと安田は答えた。


安田「別にいいんじゃない?」

ミナ「わたし達は女の子だし、かよわくて当然だよね?」

律子「おい……」


二人の答えに律子は憤慨した。


律子「わたしはねえ!!そんな情けない女じゃない!!」

安田「情けないって…アンタ……」

律子「だいたい、わたしから運動神経と健康体を取ったら何が残るのよ!?」

安田「あ…だからね、リッちゃん……」

ミナ「そこは…勉強やろうよ」


二人は律子を諭した。


律子「絶対に嫌よ!!どうして学生は勉強しなくちゃいけないの!?」


律子の答えにミナと安田は思った……。


(そりゃ、アンタ…学んで生きると書いて学生だからでしょう……)


ミナ「つ…つまり…福座さんに強いところを見せればいいのよね?」

安田「明日は体育があるし丁度いいんじゃないの?」


ミナと安田は提案した。


律子「その手があったわね!今に見てなさい!福座ふくざ 津奈つな!!」


ミナと安田は、つくづく思った……。


(別にかよわくても、いいと思うけどな……)

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