第3話・謎の女生徒

律子が一週間ぶりに登校し授業が始まった。


先生「みんな、おはよう!今日も勉強するよ~!」

生徒達「おはようございます!!」


先生に生徒達が元気に挨拶をする。いつもと変わらぬ教室の光景は、病み上がりの律子にとっても普通のはずであったが、何故なぜか妙な感覚を覚えた。


律子(アレ?私の隣は空席だったハズよね?)


律子は自分の隣の席の子が、転校して空席だった事を思い出した。


律子(じゃあ…この子は誰??……)


律子は自分の隣に座る見知らぬ女生徒の存在に焦った。


律子(もしかして…私にだけ見えるの??まさか…幽霊??)


律子の顔色はみるみる青くなった。


先生「お~い!中川?どうした?顔色が悪いぞ~!病み上がりだし辛いなら保健室に行くか?」


先生が律子を気遣った。


律子「だ…大丈夫です…」


やせ我慢をする律子は先生に平気だと言ったものの、隣の子は律子を見つめていた…。


律子(うわ~…メッチャこっちを見てるんですけど……)


焦る律子に隣の子が声を発した。


謎の生徒「ねえ?アンタ……」

律子(え??…は…話かけられた……)


律子の恐怖は限界に達した。


律子「せ…先生!!やっぱり保健室に行きます!!」

先生「おう、気を付けて行きなさい」


先生にそう告げ律子は足早に教室を出た。


律子「こりゃ参ったな…学校に幽霊……しかも私の隣って何の冗談なの?」


教室を出た律子は悩んだ。


謎の生徒「中川さん!」


不意に律子を呼び止める声がした。


謎の生徒「待ってよ!中川さん!」

律子(え!!??)


なんと!?律子を呼び止めたのは、隣にいた謎の女生徒だった。


律子(ゆ…幽霊が…追いかけてキター!!)


律子は驚き焦った。


謎の生徒「ちょっと!アンタ顔色が真っ青!平気なの!?」

律子「い…命を失った…あ…あなた様に比べたら…全然平気ッス……」


律子は、ほとんどパニック状態だった。


謎の生徒「何を言ってるのか、わからないけど心配だから様子を見に来たのよ」

律子「あの…私になんか憑りついても…つまんないですよ……」


律子の言葉が理解出来ない謎の女生徒は、呆れ顔をしたが何かを察したのか答えた。


謎の生徒「あなた休んでたし挨拶が遅れたけど、私は転校生の福座ふくざ 津奈つな、よろしくね」


律子(ゆ…幽霊じゃなくて…て…転校生……)


津奈「ちょっ!?な…中川さん!?しっかり!!」


律子は驚愕の事実に昏倒した……。

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