設定用語集

異誕生物いたんせいぶつ……地球という星に、太古の昔より自然発生的に誕生する既存の生物の常識を超えた生命体。

日本ではかつて、妖怪、怪異と呼ばれていた。

現在、日本では非公式に「通常とは異なる異常な方法で生まれてくる生物」という性質から「異誕生物」と呼称される。

フランス語圏では怪物モンストルと呼ばれていたり、国によって違うようだ。

猛獣のように知性の無い者もいれば、人型で高い知能を持つ者もいる。また、まれに人間の一族と交わり、その結果、子孫に混血として先祖の異誕と同等のスペックを持った者が産まれてくることがある。人型の者は老化が遅い。

また、器物を媒介に誕生する付喪神つくもがみもいる。存在が徹底的に秘匿されており、おそらくどの国でもそれは変わらない。

発生要因は未だに解明されていないが、地球上の動物や人間の感情が生み出したエネルギーの集合体が形を成して実体化したものという説が今のところ有力のようだ。


異誕対策特務分室いたんたいさくとくむぶんしつ……警察庁本部ビル五階に存在する、ネームプレートの無い部屋をオフィスとしている。2000年代に、異誕と戦う者達が減少していく中、その対策のために設立された。

主に異誕生物が犯した犯罪の捜査、およびその駆除、事後処理を行う、対化物用の特務機関であり、少人数制の特殊部隊でもある。

指揮官は分室長と呼ばれ、警察庁長官直轄の部署である。予算は機密費から捻出されている。

所属する戦闘員は特殊部隊並みの訓練を受けており、SAT《特殊強襲部隊》とよく連携する。所属メンバーは非公開職員として、存在が公にされていない。

特殊な能力を持つ四人の少女達を戦力として保有する。


理事会……異誕が起こした事件について審議し、根回しや、隠蔽工作を行うために作られたネットワーク。官界や国務大臣を中心に多くのメンバーが所属している。

構成員としては警察庁、検察、法務省、防衛省、環境省、内閣府、国家公安委員会のメンバーなどが現在確認されている。名簿は秘匿されている。


魔術……かつて科学が発達する以前に使われていた、体力の消耗と引き換えに、体内に魔力を作り出し、それを原動力とすることで「現象」を自在に操る技術。

現在はロストテクノロジー化しつつある。


魔術士……魔術を使用する者。また、日本においては魔術を使い、古くから異誕と戦うことを生業にしていた一族を「討魔の家系」と呼んでいる。


鷸館しぎたて家……正体不明の一族。山梨県の山中に存在していた集落を拠点としていた。

謎の武装勢力の一団に襲撃され、一夜で壊滅する。捜査は各方面からかかった圧力により、捜査はすぐに打ち切られた。

現警察庁長官歌川忠勝が有志と共に探り出した事実によると、同様に隠蔽された事件の猟奇性や実行犯の実力の高さ、集落が襲撃された際に、現地に残された銃器などから「殺し屋の集団のような一族だったのではないか」という仮説が立てられていたが、天悧白翅の供述から事実が一部裏付けられた。



PB(プラチナ・バプティズム)加工弾……純銀と超硬性タングステン、その他の合金を最適な割合で配合して作り出された特注の弾丸。

通常の生物よりも遥かに頑強な肉体を持つ、異誕生物に市販の弾丸とは比較にならないダメージを与えることができる高価な代物。

この日本で、異誕生物と戦う怜理達特務分室に所属するメンバー達は例外なくこの加工が施された弾丸や武装を支給されている。


認識票タグ……真鍮色の認識票。名前が記入されておらず、中央にギザギザのラインが入っている。使用した者の体内に侵入し、その肉体を一時的に異誕へと変化させることができる。副作用として、使用者の海馬と前頭葉に大きな損傷を与えるため、使用者は正気を失い、使えば使うほど暴走し、正常な判断が出来なくなっていく。配り歩いている『黒幕』がいる。

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