何度も同じ夢を見ては

泣きながら目を覚ます

あなたがいない場所に

帰ってきたことを思い知る


落ちかけた日に急かされるように

のそのそと布団から這い出る


冷たい食パンを取り出し

ジャムを乗せて

冷蔵庫の前で食べた


無理やり喉に押し込んで

水で一気に流し込む


日の沈んだ部屋で

もう他人になってしまった

あなたのことを思い出す


今どこにいる?

何をしてる?

たまには私と同じことを

考えてくれたりする?


笑うときに口を押さえる癖

伏し目がちな目

柔らかい髪

白い頬と、窓の外を見つめる横顔


どこへも行けないよ。

あなたと話がしたいよ。


祈るように目を瞑る


思い出の中のあなたの笑顔

ぼんやりした輪郭を

忘れないよう指でなぞる


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る