前のエピソード――喧嘩両成敗……なはずだぞ！？

　また間が空いてしまったエッセイです。毎日暑いですね～。体温と同じくらいに暑さに、車の中に置き去りになったグミが液状化している今日この頃です。

　今週は忙しかった……。この暑さで仕事の相談量も爆上がりで。毎日、毎日、人の話を聞く時間が増えて、頭の中がパンクしています。小説を書くっていう作業をできるような状況にない！　創元社の学園ミステリーの応募も始まったというのに。今回は本気で見送りのようです。

　先週末は娘たちの大会でした。長女の楽器運びに行ってきましたけれども。中学生はやっぱり大人。なにか尋ねるとちゃんと答えが返ってくるので、安心です。昨年も問題になった100キロマリンバが恐ろしかったですけれども、今年二回目で、ずいぶんと我々も慣れましたよ。本当にね。

　高校生くらいになるとマリンバは解体して運搬します。その方が楽器にも優しいそうで。トラックに必死に積み込むマリンバくんも、解体すると軽自動車で運べるくらいのサイズに。解体する技を習得してほしいものですね。中学生も。

　長女はセカンドソロを任されているので、前日からトイレとお友達。本番は動じずに吹き切るのに、それまでがダメダメな子です。正露丸でなんとか乗り切りました。それが一日目。

　二日目。この日は二女の大会です。抜けられるのは１／２の確率です。結構恐ろしい状況。楽器運びのお手伝いはありませんでしたが、前日、会場を見ているので、役員さんたちの手助けになれば、と早めに会場入りして助っ人しました。

　小学生は本当にかわいいです。トライアングルのスタンドを組み立てたところ、担当の子がいうんです。「なんか足りない」って。おおおい。なんかってなんだよう。質問しても首をかしげるばかりの彼女。もう役員のお母さんたち、焦りまくりです。

　吹奏楽の会場では、管楽器と打楽器は別行動をします。管楽器の子たちは、楽器を組み立てる場所へ行くのですが、打楽器は打楽器で別室で組み立てとチューニングを行います。なので、会場に行くと、付き添いも二手に分かれるわけです。

　今回は打楽器につくのが初めての先生で、右も左もわからない感じ。子供たちも４年生ばっかりと、途中入部の５、６年生一人ずつ。ちょっと不安だらけのメンバーですから。高校生の先輩二人が駆り出されて、同伴してくれていました。

　けど、お母さんたちは楽器のことよくわかりませんから。とりあえず、鳴ればいいんじゃね？って感じで子どもをなだめすかします。これでいいでしょう？って。でも本人は不安そうな顔のまま。どうしたものかを見守っていますと、付き添ってくれている高校生の先輩が「いつもと同じじゃないと本番うまくいかないから。おれ、先生に聞いてきます」って管楽器のほうにいる講師の元に走ってくれました。

　おー。いい。かっこいい！　先輩は頼りになるぜ。結局、講師の指示で、いつもお世話になっている打楽器講師にお願いをして、スタンド直してもらいました。いつもと同じになったスタンドを見て、担当の子、にこにこです。いつも通りじゃないと不安だもんね♪　頼りになる先輩がいてよかったね。

　結果は小学校も中学校も無事予選突破しました。客席には、OBやOG、学校の校長先生や先生方。我が子がいないにも関わらず、見に来てくれている歴代保護者会長さんの姿も見受けられます。みんなに見守られて、彼らはステージに立っているんだなって思うと、それだけでじんときました。熱いぜ。

　しかーし。今年はここでは終わらない。子らのコンクールが終わっても母のコンクールは続きます。お手伝いです。今回、どうしても人員が足りないということで中学校の先生から依頼されて、ご老体の母たちが駆り出されたんです。

　しかしね。合唱コンクールのお手伝いの時は人数確認くらいだったからね。甘く考えていたんですよね～。受付とかさ。ドアの開閉だと思って軽く引き受けたのがまずかった。

　なんと。ステージに楽器を上げる手伝い係。ステージに上げるんですよ！　三段も階段あってさ。さらに山台にまで上げるんですよ！　こっちも三段。それを２１団体やるんです。おまいがー。ひどいぜ。ひどい仕打ちだ。いやね。確かに楽器運びは慣れてますけどね。つらいっす。

　もちろん、手伝うのは重い楽器なわけです。ティンパ、鍵盤楽器、ドラ……。一番つらいのはチャイムね！　くそー。しかも客席ですべての演奏を聴いてから、今度はおろす手伝いも……。目の前で女子高校生がティンパをピアノにぶつけたときには悲鳴を上げそうになりました。

　配置図が配られてないから、もう大混乱なんですよ。ステージ上は。管楽器入っちゃうと、上手（かみて）に大型打楽器をやるのは至難の業。「このチャイム、ユーフォの隣なんです」なんて言われたからには、すっかりセッティングしている管楽器の生徒たちを押しのけて、「どけどけどけー」って叫ぶしかない。まるで戦場な21団体でした。

　筋肉痛がやってきたのは水曜日です。筋肉痛が遅れてやってくるのは年ですね。右の股関節もおかしな調子です。そんな中、毎日のように押し寄せてくる仕事に忙殺されて。夏バテです。

　しかし、楽しかったですよ。いい経験をさせてもらいました。みんな夏コンにかけているんです。この夏しかないって、高校生や中学生はもちろん、来年もあるじゃん、って社会人だってすごい本気ですから。その気迫に気圧されながら、楽器運びにも熱が入りました。そんな人たちの一助になったのであれば、私はとっても嬉しい。

　さて、もう次の大会まで25日を切りました。次の楽器運びには100キロマリンバちゃんにドラとハープが加わります。母たちの戦いもヒートアップしてくるぜ！　母のたちの夏コンも盛り上がっています。

　ねー。だから小説を書くキャパがないんですよね。って言い訳エッセイでした。