言葉の難しさ



 日曜日です。近況にも書きましたが、昨日から実家に帰省しています。実家って本当にいいところでして、もちろん。私もやるべきことはやりますが、手が多い分、自分の時間も作りやすい。親と同居しているって、幸せなことなんだなって思います。もう少し近くに住めばもっと助かるんでしょうけれども。お互いね。


 昨日、ちょうど帰省した時に、姪っ子が体調不良で吐いてしまったんです。妹は仕事です。吐物を片づけたり、熱を測ったりして対応しました。「ああ助かった。うさこが帰ってきてくれて本当によかったよ」って言われました。


 非常事態には手が多いに限る。こうして家族助け合うって大事なことだなって思います。姪っ子は結局は風邪の診断でした。今時期、寒暖差が大きいですからね。小さい子は、ダメージを受けやすいです。うちの子たちはけろっとしていますが。これからはインフルエンザもはやりますしね。体調管理、万全にしなければなりません。


 先週。突然、知らない方からお電話をいただきました。もちろん、仕事場で。数年前に、地方紙でいろいろな分野で活躍している女性を取材するというものに、取り上げてもらったことがあったんですが、その記事を大切にとってくださっていた人でした。


 自分はどこどこに住む80代男性です——と始まったその電話。内容は、要はね。高齢になると書類の手続きが難しくなる。後見人や市民後見人を国は推し進めるが、現実問題、そんなことは不可能に近いが、貴方ならどう考えますか? という問い合わせ。


 それからもう一つ。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で低所得の家庭へと行われている「物価高騰対応生活困窮世帯緊急支援事業給付金」という事業についての苦情。そもそも、自分の家が「生活困窮世帯」という言葉で呼ばれるということへの不満。それから、お金があって旅行できる人に1泊8000円もくれるのに、その半額しか寄越さないのか、という不満。そして、事業の名前が長いっていう不満ですね。


 いや、私に言われても困る内容ですけれども。まあ、確かに気持ちはわかりますよね。生活困窮世帯って、言葉。結構ぐさっときます。我が家にも来ました。これではないですが、水道の基本料金を半額にしてくれるって通知。母子家庭だからみたいです。


 「痴ほう」から「認知症」。「老人」から「高齢者」。色々な言葉の言い換えが求められるご時世です。「障害」の「害」がイメージが悪いと「障がい」と表記する自治体もあります。言葉って本当に難しいものです。


 長女もよく言っています。「意味は同じなのに、言い方間違えると、違って伝わる日本語って難しいよねえ」と。あまり気にしなきゃいいって話なのかも知れません。けれども、嫌だなって思うことは嫌なんですよね。市役所に言っても大して聞いてもらえなかったんでしょうね。私のことを思い出してくれて、電話をくれたようです。


 十五分程度お話しました。最初は少々、怒り口調だった感じですが、最後は笑って「ありがとうございます」って言われました。「貴方さんのお顔のお写真も記事に出ていましたしね。笑顔が素敵だったので大事にとってありますから」って言われました。後輩たちにその話をすると「ストーカーじゃないっすか」「怖い」って言われました。確かに覚えていてくれたという嬉しい気持ち半分、捨ててほしいっていう気持ち半分です。


 どこで誰が聞いているかわかりませんし、今自分が話たことが、巡り巡っていくことだってあります。言葉って難しいな。気を引き締めてお話はしていかないといけないと思いました。


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