第13話 魔法を使ってみる②
「いやー、初めて使ったにしてはなかなかの風を吹かせたねぇ」
「いや、というか……ごめん……!」
「いいよいいよ。 二人きりの時だし、別に大丈夫だよ」
風の初期魔法を使った際に、近くにいたルカのスカートがその風で捲れ上がるのを見てしまい、さらに下着も見てしまった。
ルカに至っては、スカートをあまり押さえておらず、むしろ見せてるんじゃとさえ疑うが、流石に不味いと思い謝ったのだが、大丈夫という返事が来た。
「それよりも、物覚えがいいのか初回でいい感じに魔法が使えたね」
「親元から離れるために一生懸命勉強して記憶したからね」
「あー、母親にもいい思い出がなかったんだったね。 思い出させてごめん」
「あ、別にそこまでは……。 それよりさっきの魔法をもう一回使うの?」
「うん。 今度は威力を調整してやってみよう。 媒体に集める魔力の量を抑えめにね」
初回で風の魔法とはいえ、いい感じに使えた事を評価してもらった。
まぁ、物覚えの良さは早く母親から離れたいがために、親戚の家から通える高校に受験した事が起因だけどね。
今度は同じ魔法を媒体として使ってる杖に集める魔力の量を少なめにして放ってみようという。
(やり方はさっきと同じで、杖に集める魔力を抑える……)
さっきのように杖を景色とみなしてそれをじっと見つめると杖に魔力が集まっているのが感覚で分かる。
集める時間を最初の時と比較して短めにして、言霊をインプットしてから魔法名を言う。
「風よ巻き起これ、【ウィンド】!」
「おおっ! いい感じの風が来た!」
初回の時と比較して媒体に集めた魔力の量を少なくして魔法を使ったので、杖から吹き付ける風は前よりは弱い。
近くにいるルカのスカートもあまり捲れていないので何とか調整には成功……したかな?
「いい感じだね。 大体二日に一度はこういう形で魔法の練習をしていこうと思うよ」
「慣れてきたら他の魔法も?」
「うん。 冷気の魔法と火の魔法を地下の別の部屋で行うよ。 それ以外はここで魔法の練習をしていく予定だよ」
「火と冷気は別の部屋?」
「あの時にも言ったように火の魔法は周囲を燃やす危険性があるから、それを防ぐ結界が張ってある部屋を使うんだよ。 冷気の魔法も同じだね」
二度目もいい感じで風の魔法を使えたのを受けて、ルカは二日に一度は今のような形式で魔法の練習をやっていく予定らしい。
また、慣れたら別の部屋で冷気の魔法と火の魔法の練習もやるらしい。
火の魔法だけでなく、冷気の魔法も失敗すると周囲に影響を与えるらしいので、予め結界を張った部屋を用意したのだそうだ。
「今日はここまでにして、昼以降はお話したり遊んだりしようよ」
「まぁ、調子は良かったし別にいいけど、遊び道具とかはあるの?」
「もちろんあるよ。 ついでにカズくんとあんな事やこんな事もしたいしね」
ルカがとんでもない事を言っている気がするが、ひとまず今日の魔法の訓練は終わることになった。
次の魔法の訓練は二日後なので、その間にルカと話をしたりするのもいいかな?
まだ、聞きたい事も色々あるし。
しかし、未だにルカのスカートが捲れた際の白の下着が頭から離れないのが……。
今日中にそんな煩悩が消えてくれることを祈ろう。
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