第11話 魔道書屋と今後の事
一通りの買い物を終えてよろず屋を出た僕とルカ。
まず荷物をルカの家に置くために一旦家に戻る。
「服や日用品、食料を片付けたら次は魔道書屋に行くよ。 魔法の制御とかはそこで買う本を読みながら教えていくからね」
「魔力だっけ? 必要な物って」
「そう、魔力。 君は低能力だって向こうでは言われたけど、それも魔法を使い続ければ自然に上がっていくんだよ」
魔法を使うのに必要な魔力は、魔法を使い続けたら自然に上がるらしい。
グズーラ王国での測定で低能力と言われた僕でもそれを聞いて希望が湧いて来た。
「魔法を教える時は、最初に風の魔法を教えるからね」
「火の魔法じゃなくてか?」
ノベルやゲームのファンタジー世界は魔法の基礎は、火の魔法という決まりがあったので、それに面を食らう。
だが、ルカは最初に風の魔法にする理由を教えてくれた。
「火の魔法は失敗すると、周りを燃やしてしまう危険性があるからね。 慣れてからでないと教えられないんだよ。 その点で風の魔法なら失敗してもボクのスカートが捲れる程度で済むからね」
「最後が余計なんだけど……」
余計な発言があったようだが、どうも火の魔法は失敗すると周囲を燃やしてしまう危険性があるので、ある程度魔法に慣れてないと教えられないのだとか。
それなら確かに風の魔法の方が、火の魔法よりは安全に教えられるだろうな。
「さて、家に着いたし荷物を片付けよう。 それから魔道書屋さんに案内するよ」
「分かった。 僕用の服とかは?」
「奥の部屋が空き部屋だからひとまずそこに運んでおいて。 ボクは食料を保管してくるからね」
僕はルカの指示通りに僕用の着替えを奥の空き部屋に運んだ。
ルカは買い込んだ食料を保管するらしい。
「そっちも終わった?」
「ああ、一応空き部屋に置いておいたよ」
「じゃあ、魔導具屋に行こう。 ついでに武器屋と防具屋、冒険者ギルドの場所も案内するね」
荷物の片付けも終わったので、再度城下町に出て、今度は魔道書屋に向かう。
その過程で、武器屋や防具屋、そして冒険者ギルドの場所も教えてくれるようだ。
相変わらず、ルカに手を繋がれているが、今となっては彼女の温もりが安心感を与える。
彼女の気さくさのおかげで話もしやすいしね。
よろず屋からは西へ歩くこと30分の場所に武器屋と防具屋が並び、その隣に魔道書屋があり、さらにその隣に冒険者ギルドがあるようだ。
「見事に隣に並んでいるなぁ」
「分かりやすいように国王が配置しているからね。 武器屋と防具屋、冒険者ギルドはカズくんが魔法をある程度使えるようになってからだね。 さぁ、魔道書屋に入るよー」
ルカがそう言いながら魔道書屋に入り、僕も後に続く。
店の中はよろず屋程ではないが、そこそこ広め。
色んな魔道書を扱っているようで、まずルカと一緒に魔力関連の書物が並んでいる場所に向かった。
「これらの書物を使って君の魔力を練ったり制御する方法を教えるからね。 それから風の魔法を教えるから」
「うん、その時は優しく教えてくれると助かるかな」
「もちろん、分かりやすいように教えるよー」
流石に不安はあったが、優しく教えてもらえるという事で少しは安心した。
ルカは魔力の練り方や制御方法が記載された本を買い、それを元に教えるのだそうだ。
その後で、風の魔法を教えてくれるとの事。
「よし、じゃあ丁度夕焼けになった事だし、家に帰ろうか。 帰ったら食事にするよー」
「そうだね。 お腹もペコペコだよ」
書物も一通り買い、一部の場所も粗方教えてもらったので、ひとまずルカの家に帰ろう。
丁度いい時間みたいだし、お腹も空いて来たし。
しかし、気を失った時間はどれだけかは分からないが、この日だけでも色々あったから少し疲れたかな。
それでも、ルカとの共同生活は楽しみだった。
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