第10話 よろず屋にて
「思った以上に規模が大きいからびっくりしたかな? ここが城下町【ショコラティエ】のよろず屋だよ」
「本当に規模がデカいなぁ。 僕のいた世界でいうスーパーマーケットみたいだ」
「君の世界基準で言うならそれで合ってるよ。 さっきも言ったけど、ここなら武器や防具、魔道書以外の物を買えるからね。 そして、ここからあそこの細い道を通るとボクの家にいけるんだよ。 歩いて15分くらいかな?」
(意外とここからルカの家は近いんだなぁ)
規模の大きなよろず屋からルカの家まで大体徒歩15分程度だというあたり、ルカはいい所に家を建てたなぁと感心する。
「さあ、入ろう。 まずは服を買うからね。 寝間着も含めてね」
「分かったよ」
よろず屋の中は、より広く感じる。
多数の店が並んでおり、いろんなものが売っているようだ。
このエリアは食料品売場……かな?
「服はあそこの階段を上がった先にあるよ」
「上の階にあるのか」
ルカが階段を指差ししながら、服が売ってある場所を教えてくれる。
これから僕がひとりで買い物をする際にも場所くらいは覚えておかないといけない。
そう考えながら、ルカと一緒に階段を上る。
「ここだよ」
「ホントに階段を上がった先にあるんだな」
階段を上がったら目の前に服売り場があった。
ここでまず僕の服を買っておかないといけない。
「さぁ、買い込むよー。 この服売り場はフリーサイズで着ている人の体格に合わせて自動的にサイズを合わせてくれる魔法の布で作られた服ばかりなんだよ。 だから、安心して買い込めるよ」
どうやら、この服売り場はどういう原理で作られたかは分からないが、サイズを着た人間に合わせられる布で作られた服を売っているようだ。
「じゃあ、ルカの今着ている服も?」
「このゴスロリ衣装もそうだよ。 ボクにサイズを合わせてくれてるから着やすいんだよ」
ルカのゴスロリ衣装もそうだったのか。
そう思っているうちにルカは15着分の服を買い込んだ。
多分、寝間着なども含まれているんだろうなぁ……。
「そういえば、この世界のお金って……?」
「あー、教えていなかったね。 この世界のお金は世界共通で単位は『ルフ』。 魔道具や回復薬の相場は、全国の流通量によって決められているんだ。 相場に関しては後で教えるよ」
この世界は通貨単位が『ルフ』なのか。
世界共通なら、わざわざ換金の手間も省けるんだろうな。
さて、それをふまえて僕用に買い込んだ服だが、占めて2万ルフだった。
ルカはお金がたくさん持っているから、こういう買い物が出来るんだろうな。
「よし、服は買ったし、次は下着だね。 君の分を優先に、ボクのも買うからね」
「あ、う、うん……」
「ん? ひょっとしてボクの下着で何か考えてたのかなぁ?」
「か、考えてないから……!」
「別に構わないよ。 男の子なんだし。 ささ、あそこが下着売り場だよ」
結局、ルカのペースにはまったまま、下着売り場に来た。
男性用と女性用に分かれているが、僕はルカに連れられる形なので、女性用の売り場にもいる羽目になった。
こればかりは居心地が悪かったかも……。
その後は生活必需品と食料を購入して、よろず屋を出たのだった。
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